魔々勇々第13話「ラルフレッド」感想(ジャンプ1号)

この記事で掲載している画像は全て2024年週刊少年ジャンプ1号「魔々勇々」(林快彦)から引用しています。著作権・肖像権等は全て権利所有者に帰属致します。

次話(14話)感想はこちら

コルレオが主人公ならではの強さを発揮して難敵を倒し改心させるという王道展開。
倒せたのはここまで何度も決意したことで固まったコルレオの芯の強さがあったから。
改心させられたのは「異常な善者」という特性があったからこそ。
話し合おうというスタンスが貫けたのはミネルヴァのおかげ。
主人公が強さを見せる裏で強気なミネルヴァがもらす弱さと本音。
軸のしっかりした王道ど真ん中展開最高です!
今回の感想は、①ミネルヴァかわいい→②ラルフレッド回想→③コルレオかっこいい!の順で。
名シーンまみれだ!おもしれえ!

①ミネルヴァかわいいよミネルヴァ

ヒロインのピンチに主人公が駆けつけるシーンなんて何百回あってもいいんだよなあ。

何で 来てくれたの

強気を貫けずにポロっと出てしまうこのセリフが最高。
無償の愛返ってきたなあ。良かったなあ。

ミネルヴァだけいろんな面見せすぎじゃない?
強さも優しさもトラウマも苦労が報われるシーンも全部見せられてこのキャラを好きにならないとか無理でしょ。

あと何気に瞼潰されたってところがすごく漫画がうまい。
ミネルヴァの紋章術残ってたら、ラルフの攻撃外させてればコルレオ圧勝しちゃうからね。
それくらい対単体では強い紋章術だと思う。
範囲攻撃とか複数相手には弱いけど。
先週「穴も多い」って言ってたラルフレッドの分析はかなり正確。

この喧嘩は俺が買う

どしたのトイレ?って言ってたやつと同一人物とは思えない。
エスカバのときから一貫している「話せば分かる」というスタンス。
一度折れかけたその信念はミネルヴァが立て直してくれた。
だからもう迷わない。
ラルフレッドの信念より自分の信念のほうが強い。
この喧嘩は俺が買う。
倒すためではなく共に歩むために。
この主人公かっこいいんですけど!!

エリシア

正ヒロインがここにいないのは若干寂しい。
けど、ここは絶対コルレオが1人で決めなければいけなかった。
エリシアの出番はどうせ来るからね。
出そうと思えば、今回のとどめパンチはエリシアに撃たせてウルビダと重ねさせることだってできた(炎は途中で消えたとかにすれば遅れて駆けつけることは可能。)。
でもそうしてしまうと、コルレオが解決したというインパクトは薄れてしまう。
長期視点で頼りになる主人公のイメージを固めるために、今回は必須の展開だったと思う。

ミネルヴァの立ち位置について

ちょうどいいところに落ち着いて嬉しいという話。

「かわいいヒロインが沢山いるに越したことはないんだけど、主人公を取り合うっていうのは違うんだよな…。
師匠であったり戦友であったり協力者であったり、色んな立場に魅力的なキャラがいるのが大事なのであって、正ヒロインは一人でいい。
ミネルヴァは大好きだけど恋愛とは別次元の大切な存在として仲良くしてくれ。」
…って思ってたところに最後のコマ!解釈一致!
感謝してるし見直してるけど惚れたわけではないって塩梅がちょうどいい!
ハーレムもの全般の魅力がどうしても理解できない自分としては、この温度感が最高に嬉しい。
魅力的なキャラが全員主人公を好きな必要なんてないというのが自分の考えです。
人間関係は多面的なほうが楽しい。

ここまで言って来週エリシアとミネルヴァでコルレオの取り合いしてたらちょっと悲しいけども。
ここまで言って鵺の陰陽師は全力で楽しんでるけども。

②ラルフレッド回想

掘り下げあって良かった!
コルレオの活躍に向けた魔勇対立の説明としては前々回の3ページ回想で十分だったけど、このままだとラルフレッド好きになれるかなって感じだったから。

俺みたいな奴隷階級から勇者が生まれてさぞかし都合が悪いだろう

思った以上に無銭飲食!死刑!のくだりを納得させてくれたなあ。
・奴隷階級出身でそもそも社会に対する恨みがあった。
・助けてくれたウルビダに忠誠は誓っているが、そもそも社会制度が腐っている。
とすれば、勇者の立場で庶民と接するときのマナーなんてラルフレッドにとっては関係ないんだろう。
ウルビダは助けてくれたけど、王族はラルフレッドを処分しようとしてたわけだし。
自分の振る舞いで王族が嫌われるところまで考えが及ばないし、及んでも嫌われたって構わないとしか思わなそう。

そして、ラルフレッドの頑なさにも納得。
考え得る中でも相当に成功率が高いと思われる、
・人間と魔人の間に生まれた魔王
・その姉である王女
の二人の間で協定を結ぼうとした矢先の裏切り。
そりゃ魔王は滅ぼすってなるよね。
グリシャが魔王と勇者が争う運命って自信満々に言ってたのも頷ける。
この世界で和平無理だったらそりゃ無理でしょ。
なんでマママは平気だったんだ。
マママの掘り下げはよ!はよー!!

一貫して敵味方問わず他者の強さやスタンスを認められる誠実さを感じ取れたので、ラルフレッドも好きになれそう。
誠実だからこそ苦しみ、ミネルヴァの本質を感じ取れたんだろう。

ウルビダ

ほんとキャラ立てがうまいな!
この王妃がもう登場しないのもったいないよ!
ただの良い子じゃなくて、人は道を誤ることがあることを承知した上で、誤った者を正し、許す覚悟があるところまで回想で見せるのは見事としか言いようがない。
笑顔でブン殴るって言えちゃう姫様素敵です。

③コルレオかっこいい!

主人公してたなー。
飛ぶ斬撃でかっこよさを見せつつも最後は泥臭くぶん殴って決めてめちゃくちゃ熱かった。
何より、ここまでの展開の積み重ね(決意の繰り返しと異常な善者性の強調)で、コルレオだからこそ勝てて説得できたことに納得感があって気持ち良かった。
散りばめてきたパズルのピースがカチっとはまった気持ち良さ。

目的意識がブレてるんだ

何回も決意させてた意味ちゃんとあった!
ガッシュの心の力にも似た「目的意識に呼応する」という設定。
決意の強さが出力に影響するなら、治癒の紋章術を持つコルレオは心が折れない限りは負けない。
ストック切れは当然あるけど。
絶対諦めない上に回復してくるの相手からしたら嫌だろうなあ。

コルレオの相手全員こうなる

治癒は置くとしても、紋章術の強さが目的意識に呼応するという設定は、ここまで丁寧に書いてきたコルレオの精神的な成長描写がそのまま強さの裏付けになるということでもある。
戦闘経験値も修羅場の数も段違いのラルフレッドに勝てた理由がブレない思いの強さというのは、読者全員納得せざるを得ないだろう。
「コルレオさん、また決意www」とか言ってたやつ見てるか!あ、俺も言ってたごめん!

「解んねェから話し合おうっつってんだろーが!!」

このコルレオの話し合いを重視するスタンス大好きなんだよなあ。
自分自身が対話好きだから刺さるんだろうか。

痛みへの耐性があるわけではないことを事前にしっかり描写していたからこそ、グリシャが指摘した「異常な善者」であることが際立つ

この感覚なのに内臓を焼かれる覚悟

激痛を顧みずあえて受け止めてまで説得しようとしたからこそラルフレッドはついに耳を傾けた。
ラルフレッドに勝つ強さも、狂気に近い分かり合おうとする覚悟も、コルレオだからこそ持てたもの。

↑この宿題は個人的には全部果たしてくれたと思う。期待を遥かに超えるクオリティで。
コルレオは持ち味を全部出し切ったしかっこよかった。
シンプルにバトル描写もよかった!
能力バトルもの特有の絵面の派手さはそこまでないけど、コルレオの能力が小粒ってことはラルフも指摘してるところだし、今後の紋章術開花に期待。
迫力という意味ではこの2コマなんか特に好きだった。

相変わらず目が狂戦士
画力が半端ない

涙流してまで痛みに耐えてやることが反撃より説得ってスタンスのこの漫画が大好きです。

ぺしっ

コルレオのとどめパンチにあえてこの効果音を乗せるのが好き。
ウルビダにとっては、額縁を壊したことも一時的に復讐に囚われてしまったことも、大きな違いはないのだろう。
人は過ちを犯す。
大切なのはそれを認めて正すこと、許すこと。
ウルビダとコルレオの善性が重なったことを二人の瞳からラルフレッドが感じ取る名シーンだと思う。

まとめ

痒いところに手が届くってレベルじゃないくらい欲しい展開を全部くれたなあ。
そして次週センターカラー!
少なくとも全く人気がない漫画に与えられることはない三回目!!
ちゃんと尻上がりに人気が伸びてる証拠じゃないでしょうか。
キャラの魅力の絶対値がここまで高まれば、今後キャラが増えるごとに作品自体の魅力が掛け算で上がっていくと思う。
このタイミングで公式アカウント作ってくれないかなあ。
全力で応援するんだけどなあ。
集英社さんどうでしょうか。投稿全部拡散することをお約束しますので。

余談

こんなチャンネルができてる。
ミネルヴァ登場回から順調に話数ごとの再生数が伸びてて嬉しい。
チャンネル開設者的に、ミネルヴァの反応集にすれば良かったと思ってる頃だろうか。
エリシアのターンはこの先またくるだろうから些細なところだけどね。

なぜか毎週金曜日あたりからその週の感想の再生数がドカッと伸びている。
単にYouTubeのアルゴリズムに乗るタイミングなのか、月曜日以外にもみんながジャンプを読むタイミングがあるのかちょっと気になる。
毎日再生数を確かめる自分も大概だけど…

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