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医学部という偏差値エリート主義の弊害

こんばんわ。ずぴ丸です。

前回は学校は会社員を育成するための養成所であることを伝えました。
まだ読んでいない方は続きになってきますので、ぜひ読んでみてください。
下記にリンクを貼っておきますね。
https://note.com/kazupi_doctor/n/nec4bebbc8e6b

我々医師は中学、高校時代のエリートです。そうでないと医学部受験で合格するのは難しいと思います。自分も含めて、学校教育を真面目にやってきた人が多いと思います。小学校や中学校から受験して進学校に行ってそこでもいい成績を取っていた人が多いのではないでしょうか。
そのためまさに我々は、学校教育の弊害をモロに受けていると言っても過言ではないと思います。もちろんその学校教育のおかげで今医学生であったり、医師として働けているので全てが悪いとは言うつもりはありません。しかし、今も我々に根付いているその負の側面を知ってもらって、ぜひ一緒に克服してもらいたいなと思いこの記事を書きました。
私も最近はその考え方から少しずつ脱してきていますが、今までは完全にその弊害を受けていたなと感じています。その考えから脱するのに大学を卒業してから5年くらいは時間がかかりました。
ぜひ早めに考え方をフラットにできるといいですね。
少し医師や医学生の方には耳が痛い内容になるかもしれません。
自分ももっと早く気づいて向き合えばよかったなと思う内容を記事にしました。
では初めていきましょう。

我々医師に染み付いている学校教育の弊害という考え方を大きく大別すると2つあります。
「資格至上主義」「リスクと群れから外れることへの過度の恐れ」が挙げられます。

◾️資格至上主義

我々は度重なる受験戦争を圧倒的に勝ち抜いてきました。
まさに受験戦争の覇者です。医学部に入っても困難なテストを何度も突破して進級してきました。そして国家試験に合格し医師になりました。
我々は幼少期からの経験で自然と「試験を突破する=成功への道」が染み付いています。それが今になっても残っています。
試験やテストを受けて、どんどんと前に進むという成功体験から離れられなくなっています。
そのようにゲームのクエストをクリアするが如く前に進んできて、最終的に医師免許という資格を手に入れたので無理もありません。
医学部を卒業しても、研修医制度があるので専門医を取るまでは一種のレールがあり、何も考えずに前に進めます。
では専門医制度が終わった後はどうしているのでしょうか?
私の知り合いの医師は専門医研修が終わったらまた別の専門医研修を始めていました。またビジネスの勉強をしようと思ってMBAを取得しようとしたり、USMLEを目指そうとしている医師もいました。
自分で新たなレールを見つけてきてしまう人が一定数います。
これらの資格を取得することが悪いことではありません。
ただ自分のビジョンが曖昧なままそれが資格取得が目標になってはいけないのです。
不必要な資格に時間をかけて行くことは時間もお金も無駄になってしまいます。
お金はまだしも資格取得に費やしてしまった時間は戻ってきません。
まずは自分のビジョンを立てましょう!
3年後、5年後のビジョンを明確にしましょう!

例えば3年後に何かしらの事業をしたいとします。
そうした場合にMBAを取得するのが正しいのかよく考えましょう。MBAを取得するのが夢って方ならばその場合は取得に向けて頑張った方がいいと思いますが、そうではない方が大半だと思います。
MBAはビジネスをする上で必ずしも必要でしょうか?その知識が書いてある本を読むだけではダメなのでしょうか?よく吟味をしましょう。
個人的な意見としてはMBAを取得するのはあまりお勧めはしません。医師を辞めて、上場を狙って起業して行くんだという方ならば目指してもいいかもしれませんが、多くの方は副業程度に事業をやっていこうという方が大半なのではないでしょうか?その場合は全く不要です。最近はわかりやすい本もたくさん出ていますのでそういった本を読みながら実際に事業を小さく始めていきながら学んでいくのが正解だと思います。
MBAを取得して事業を始めないで勉強だけしていても机上の空論にしか過ぎません。実際米国では最近はMBA自体が普及してそこで描かれている内容は時代遅れと言われるようになってきました。
専門医に関しても、同じことが言えます。個人的には専門医は1つで十分だと思います。自分の存在を他者に示すためのあくまで名刺の代わり程度のものと思うのがいいと思います。たくさん取ることは正直言ってあまりお勧めしません。
大事なのは専門医ではなく、その分野の診療をしっかりとできるかどうかです。
それを示す客観的な指標として、専門医はあるのであってそれが目的であってはいけません。極論を言うと専門医じゃなくても、その分野の診療ができたりすればそれでいいわけです。例えば往診をやりたいと思ってわざわざ総合診療専門医を目指す必要は必ずしもありません。その過程で体系的に往診に役に立つ知識が学べそうならばプログラムに参加したらいいだけです。専門医はあくまで副産物程度の認識がいいと思います。極論を言えば専門医プログラム出なくてもどこか往診の学べるクリニックで就職して学んだって別に遜色ないと思います。必要があれば専門医プログラムから外れる勇気を持ちましょう。
専門医に関してはもう一つ考え方があって、その専門医や資格に金銭的価値や付加価値があるかどうかで判断して行くといいと思います。例えば保険診療で点数が上がったり、配置基準の関係で必要な専門医があったりします。それで自分の給料が上がったりするならば取得したらいいと思います。あるいはその専門医がないとそもそも手技や業務が許可されていない分野に関しては取得が必要かと思います。
具体的に言うと例えば精神保健指定医はその資格で保険点数が変わったり、隔離、拘束、医療保護入院ができるようになるために給料も変わってきます。
あとは産業医は免許がないとそもそも産業医業務ができないです。ただし産業医に関しては取得しても全く使ってない人が大半なので注意が必要です。比較的取得が容易であるので必要になったら、取得すればいいと思います。なんとなく取得して使わないのならばただ維持費にお金を使っているだけの負債にしかなりません。

簿記や宅建、ファイナンシャルプランナーも一緒です。それが仕事で必要ならば取得が必要ですが、活かせないならばただの時間と受験料の浪費です。知識が欲しいならば本を読んでそれを実践していった方が何倍も理解が進むと思います。

まずは目的をしっかりと定めてその過程で資格が必要なのかをしっかりと吟味してください。

◾️リスクと群れから外れることへの過度の恐れ

これも学校教育の弊害の一つで我々に染み付いています。小中高の受験を経てきた我々はおそらくは、学校や塾の先生の言うことをしっかりと聞いて真面目に頑張ってきた人が多いのではないでしょうか?みんなと一緒に一生懸命勉強して、勉強以外もしっかりと頑張って内申点を高く評価してもらって高い評定をもらっていた方が多いのかもしれません。
そんな中で生活しているとクラスや部活でうまくやっていき、学校や塾の引いてくれたレールをいかに忠実に真面目に進んでいくかが重要だったんだと思います。
そうやって医学部受験を乗りこえてきた人が大半だと思います。
医学部に入ってからも、みんなと同じことをすることを求められてきました。みんなと同じように部活に入って、先輩からテストの資料をもらってみんなと同じくらい勉強して進級してきたんではないでしょうか?
もし部活に入らなかったり、テストの勉強を自分だけしなかったりすると資料などの情報が回ってこなくなって、結局自分だけテストに落ちて留年をしてしまうことになるからです。こうして高校までに備わった群れから外れたりリスクに対する恐れが医学部に入ってさらに強化されてしまいました。医師国家試験自体が合格率が90%でいかに他の人達との群から外れずに正解するかが求められる試験であるのでそれも無理もないことなのかもしれません。むしろそうやっていくことが1番合理的で効率的でさえあります。
初期研修先も大学や部活で先輩が研修しているところを選んで、誰も行ったことのない他の研修病院にいきなり行ったりすることは少数派だったのではないでしょうか?そんな感じで我々医師は生きてきました。それが1番安全で効率的な生き方だったからです。ただし初期研修が終わると急にレールがなくなってきます。何をするかを自分で決めないといけないからです。後期研修プログラムを何科を選ぶのか、そもそもプログラムに乗らないのか、自由診療に進むのか、産業医になるのか自分で人生を決めていかないといけません。
以前児童精神科の先生とお話しした時に、「医学部でも発達障害は一定数いる。普通は大学に進学した時に、単位を取れるように授業を組み合わせたりなどを自分で決めることができずについて行けなくて症状が出るんだけど医学部だとそれが出なくて、初期研修が終わってからそういう症状が出ることが多い。」と言われました。
なるほどなと思いました。我々はレールに従って、集団に従ってやっていれば自然と進んでいける環境にいたからそういう発達傾向があったとしても気付かずに進んでいけるんだなと思いました。もしかすると後期研修もそのまま流れに沿ってなんとなく内科のプログラムなどに登録して進めばさらにレールに沿ってやっていけるのでもしかするとつまずくのはその後である場合もあるかもしれません。

そういったレールを進むことが悪いわけではありませんが、ちゃんと自ら選んでその道を進んでいる感覚が大事だと思います。なんとなく怖いから医局という群れに所属していたり、専門医プログラムになんとなく乗っているのはやめたほうがいいと思います。前にも述べましたが、5年後や10年後どうしていたいのかのビジョンをはっきりとして、それに応じて必要ならば医局に所属したり、専門医を目指すのはいいことだと思います。極論を言えば自分の目指すところに医局や専門医は必要でなさそうでならばさっさとやめたらいいと思います。
今まで見てきたように、我々はレールに乗っていたり、医局や医学部の群れに属していることに慣れ過ぎて、その既定路線から外れることやリスクを過度に恐れる傾向があります。過度に恐れ過ぎともいうほどです。
必要なことに関してはリスクをとって行く必要があります。
医局を抜ける、開業をする、自由診療に行く、転科をするなど時として一般的な道から外れる覚悟が必要な時もあります。
確かに今までの既定路線よりもリスクがある道かもしれません。
ただしリスクを取れないということはこの資本主義の中では全くリターンを狙えません。ローリスクではローリターン、ハイリスクではハイリターンが狙えるのが資本主義の世界の基本法則です
ハイリスクな道を取らないと行けないと言っているわけではありません。
その選択が自分の人生にとって正しいと思ったら仮に多くの医師があまり歩まない道であっても進むべきなのです。
医局にいるのが幸せで今のままでいい方はその道を進めばいいと思いますし、今の所属している病院や医局に不満があって外に出たいとか、なんとかいい方向に流れを変えていきたいと思っているならば勇気を出して行動していかないといけません。
そして普段から我々はリスクを過度に恐れる傾向があることと、群れにいることを好む傾向があることをちゃんと認識しておかないといけません。すぐにはそのメンタルブロックがなかなか外れてきません。日頃から少しずつ外してみる努力をして行くのがいいでしょう。
おすすめは医師以外との関わりを持ったり、不動産投資など医業以外のビジネスを始めてみるといい刺激になっていいかもしれません。我々医師の考え方は他の職種の人と比べると偏っています。普段から医師や同じ医療職の人としか関わりがないとなかなか気付けないことが多いと思います。そういうところに気づいて、少しずつ心のメンタルブロックを外せるといいかもしれません。
他のブログ記事では事業の作り方など医業以外のビジネスの始め方も解説しているのでよかったら参考にしてみてください。
今回は長くなってしまってのでここまでとします。

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