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民主党討論会の真の勝者は?
12日に民主党の大統領候補指名を求める10人の候補者の討論会が行われた。テレビ中継された討論会は、既に3回目である。誰が勝ったのか。本命とされるジョー・バイデン前副大統領の健闘が目立った。前の2回の討論会で冴えが見えず、年齢的な限界が噂されていただけに、これはバイデン支持派には朗報だろう。
だが本当に勝ったのは新しいアメリカである。具体的にはスペイン語を話す人々である。10人の内の2人がスペイン
トランプのアフガン特使
アメリカのアフガニスタン特使のザルメイ・ハリルザードが気の毒である。アフガニスタンの反政府武装勢力のターレバンと延々と交渉し、この8月末に合意案の作成にまでこぎ着けた。ところが9月上旬にターレバンの攻撃でアメリカ兵が死亡すると、ドナルド・トランプ大統領が合意案の拒絶を発表したからだ。外交努力が水泡に帰した観がある。
ところで、このハリルザードとは何者だろう。この人物はアフガニスタン生ま
イランのローハニ―大統領は、トランプと会うべきか?会わざるべきか?
イランのハサン・ローハニー大統領が、近くアメリカへ行く。国連総会に出席するためにニューヨークを訪問する。その際に、やはり同総会で演説するドナルド・トランプ大統領と会談するかどうかに注目が集まっている。どうもトランプは会いたがっているようだが、ローハニ―はイランに対する経済制裁の解除がなければ会わない方針のようだ。
北朝鮮の金正恩は、喜んで無条件でトランプと会談したのに、なぜローハニ―は条件を
モルモンの経営するマリオット・ホテル
今日の午後の鹿児島での講演のために飛行機で移動の予定だった。だが台風に邪魔されて新幹線による移動となった。しかも、前日に東京から新大阪に移動しマリオット系のホテルに一泊した。引き出しにキリスト教の聖書とモルモン教の本が置いてあった。それでマリオットの経営者がモルモン教徒なのを思い出した。
この世界最大級のホテル・チェーンの創業者の話をどこかで読んだ。アメリカ人が自動車に乗り始めたころ、比較的に
民主党討論会の第2ラウンドの勝者は?
7月末に2日に渡って行われた民主党の大統領候補者間の討論会が終わった。6月末に続き第2ラウンドであった。20人の候補者が、一晩に10人ずつ登場して討論し、それがテレビ中継された。第1ラウンドで勝利を収めたのは、本命と見られているジョー・バイデン副大統領の過去の言動を攻撃したカメラ・ハリス上院議員であった。このカリフォルニア州選出の女性に注目が集まった。
第2ラウンドのハイライトは、このハリス
イスラエルのイラク爆撃
イスラエル空軍がイラクを爆撃したとの報道が流れ始めた。報道しているのはロンドンで発行されているアラビア語紙の『アッシャルクルアウサト』である。アラビア語で「中東」という意味の新聞のタイトルである。サウジ資本の新聞である。不思議なもので、アラブ諸国では検閲が厳しいので、アラブ世界で発行される新聞は概して面白くない。面白いのは海外で発行される新聞である。結果としてアラビア語のメディアの首都が、ロンド
もっとみるバイデン前副大統領のよろめき
2020年の大統領選挙に向けて民主党の指名を求める候補者の間でのテレビ討論会が、先月から始まっている。候補者が20 名を越えているので、1度に10名ずつのテレビ討論会が二夜にかけて行われる。テレビ討論も第2ラウンドに入っている。一人一人に割り振られている時間が短いので、見ていても、なかなか議論が深まらない。この制限の中で視聴者に強い印象を与えるのは難しそうである。
そうした中でも最も成功した
ペルシア湾岸危機とインドの憂鬱
ペルシア湾岸の内外でのタンカーがらみの事件が相次いでいる。これに対して自分の国のタンカーは自分で守るべきだとトランプ大統領がツイートした。ツイートとは、ささやくという意味だそうだが、この「ささやき」が世界中に鳴り響いた。日本でもタンカーの護衛のために海上自衛隊の艦艇を派遣すべきかという議論が始まっている。
ペルシア湾岸の石油を世界で一番買っている国は日本だが、次は恐らく中国だろう。中国
トランプ政権からの離脱後のヘイリー
2019年7月末にアメリカの国家情報長官のダン・コーツの辞任が報道された。国防長官、国務長官、司法長官、CIA長官、国家安全保障問題補佐官など、次々に罷免されたり、辞職したりで、トランプ政権の発足時からの主要メンバーは大統領自身とマイク・ペンス副大統領くらいしか残っていない。
辞職にしろ罷免にしろ、やめた人々の前途は明るくないようである。最初の安全保障問題の補佐官だったマイケル・フリンのよう
バーニー・サンダース候補の出身高校
先日マイアミで開催された民主党の討論会に注目が集まった。同党の2020年の大統領候補者の指名を求める立候補者によるテレビ討論会であった。10名ずつの2回にわたる会であった。この候補者「群」の中でトップを走っていると見られていたのが、抜群の知名度を誇るジョー・バイデン前副大統領であった。
ところが人種問題に関する過去の行動を対立候補に叩かれた。十分な反論が出来ず、つまずいた。バイデンの指名獲得が当
アメリカのサイバー攻撃の「前科」
6月20日のイランによるアメリカのドローン(無人偵察機)撃墜への報復として、トランプ大統領は実際の爆撃の代わりにサイバー攻撃を命じた。イラン側は、被害を否定している。実情は不明である。しかし、アメリカはオバマ政権時の2010年に既にイランに対してサイバー攻撃を実施している。これはイスラエルと共同で開発したスタックスネットというマル・ウエアでイランのナタンズのウラン濃縮施設を統御するコンピューターを
もっとみるイランとアメリカ間のシャドウ・ボクシング
アメリカとイランの間での武力衝突の危機が高まっている。実際のところ、この何年かに渡り両国はシャドウ・ボクシングをしているような状況である。たとえば6月のアメリカのドローン(無人偵察機)の撃墜である。アメリカのドローンが損害を受けるのは、実は今回が初めてではない。イランのドローンに対する攻撃能力は侮(あなど)れないレベルに達している。既に2011年12月にはアフガニスタンのアメリカ軍基地から離陸しイ
もっとみるペルシア湾でのアメリカの前科
6月20日にペルシア湾でアメリカのドローン(無人偵察機)が撃墜された。問題は撃墜された場所である。それは、アメリカによれば公海上であった。イランによれば自国領海上であった。筆者には、双方の主張の真偽を確かめる術はない。ただロシアがドローンはイラン領海上で撃墜されたとイランの主張を支持している。
想起されるのが、1988年夏のペルシア湾岸でのイラン航空の旅客機の撃墜事件である。アメリカ海軍の艦艇ヴ
タッカー・カールソン/アメリカとイランの戦争を止めるのは、この男か?
アメリカとイランの間の戦争の危機が高まっている。この状況で思わぬところからイランとの戦争に反対する声が上がった。フォックス・ニュースである。フォックスは、メディア王のルペルト・マルドックの支配するチャンネルである。保守で共和党支持でトランプ支持で知られている。したがってトランプお気に入りのチャンネルである。
そのチャンネルの人気キャスターにタッカー・カールソンがいる。激烈な民主党攻撃で知られる人
バスラに行って死ね!
フセイン政権の没落後に成立したイラクは、アメリカとイランという二つの大国の間で苦労している。フセインを倒したアメリカの影響力の強さは説明を要しない。隣国のイランも、大きな影響力を有している。イランとイラクの経済は深く結びついている。たとえばイラクはイランからの電力の輸入なしには、経済が回らない。
そのイランとアメリカの関係が悪いと、その間でイラクは苦悩する。特に最近のようにアメリカがイランを経済