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ペルシア湾でのアメリカの前科

6月20日にペルシア湾でアメリカのドローン(無人偵察機)が撃墜された。問題は撃墜された場所である。それは、アメリカによれば公海上であった。イランによれば自国領海上であった。筆者には、双方の主張の真偽を確かめる術はない。ただロシアがドローンはイラン領海上で撃墜されたとイランの主張を支持している。

想起されるのが、1988年夏のペルシア湾岸でのイラン航空の旅客機の撃墜事件である。アメリカ海軍の艦艇ヴィンセントが、空軍機と誤認して撃墜した。66人の子供を含む乗客乗務員290人全員が死亡した痛ましい事件であった。この時、当時のブッシュ副大統領は、事件は公海上で起こったと主張した。しかし、実は撃墜はイラン領海上で起こり、しかもアメリカ政府は、この事実を認識していた。「虚偽の海」とニューズウィーク誌が後に評したほどの酷いでっちあげであった。

ちなみに、この副大統領は後に41代目の大統領になる人物である。イラク戦争を開始したブッシュ大統領の父親である。

トランプがイランに対する報復攻撃を思いとどまった背景には、実はドローンがイラン領海上で撃墜されたからではないかとの推測が出ている。こうした「前科」があるからだろう。


写真は撃墜されたのと類似の型のイラン航空の旅客機https://en.wikipedia.org/wiki/File:Iran-stamp-Scott2335.jpg

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