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MOMATコレクション でお花見

朝は強めの雨で、自宅でまったり読書で始まった3月最後の週末。
雨足が緩まった午後から毎年恒例の花見にでかけました。
お目当ては東京国立近代美術館(以下、MOMAT)の菊池芳文氏作「小雨ふる吉野」。タイトルと下の写真の作品です。


柴田芳文 氏作「小雨ふる吉野」
吉野の桜は山桜

吉野の桜はクローンで増える人工種の染井吉野ではなく、実生の山桜がほとんど。
子供の頃は花と共に葉も芽吹く山桜は好きではなかったのですが、大学生になる頃からは、種の新芽と共に咲く白に近い一重の薄桃色の山桜の風情が最も好きな桜花となりました。
その野趣を纏いながらも気高い山桜の狂い咲く様が、そして霧に煙る吉野の山の空気感が、この「小雨ふる吉野」で存分に表現されているように思います。
毎年春にMOMATで展示されるのを楽しみにしています。この作品の前のスペースにはちょうど腰掛けるスペースもあるので、しばし少し湿気を帯びた冷んやりとした空気を心の語感で感じつつ、吉野の山を逍遥します。

その他にも、桜を描いた作品が何点か、広いスペースにゆったりと展示されており、心地よい時間を過ごせます。

児玉靖枝氏の作品


今年のMOMATコレクションでは、私の好きなパウル・クレーさんの新しい作品も所蔵に加わり、元々の所蔵品とあわせて多数の作品が展示をされており、さらに満足感の高いものとなっていました。

パウル・クレーさん作「黄色の中の思考」

この作品の前にもちょうど椅子が置かれているので、30分ほど眺めていたでしょうか。

いずれもパウル・クレーさんの作品
この作品群を愛でながらゆったり椅子で寛げる贅沢に感謝
その他、この部屋にはパウル・クレーさんの作品が十数点

別の部屋(最初の部屋)では、東山魁夷さんの「道」の他、妙に惹かれるこのジョージア・オキーツ氏作「タチアオイの白と緑 - ペダナール山の見える」など作品が多数。

展示作品数が多いので、私はいつも部屋に入って一望して、遠目に引かれた作品の前で長く没頭するというスタイルで鑑賞をしています。

今日は、特別展「重要文化財の秘密」も開催されていて覗いたのですが、好きな作家である菱田春草さんの作品も、永青文庫所蔵の「落葉」ほどに心の琴線に触れるものでは無く、全体的にMOMATコレクションの方が私の印象に残りました。
もちろん、美術にお詳しい方であれば重要な作品ばかりなのでしょうけれどね。

「重要文化財の秘密」展の中で惹かれた一羽の鷹

そうそう、MOMATに訪れる前に、少し北の丸公園を散策しました。


小雨ふる北の丸公園はソメイヨシノが満開でした。
千鳥ヶ淵は大混雑ですが、北の丸公園は広いだけに喧騒も緩やか。
MOMATの近くでもありますので、セットで訪れてみられてはいかがでしょう。

これは自宅で食べた桜餅

追伸
なお、私が好きな桜は、山桜ともう一つ、白に近い薄桃色の一重の枝垂れ桜
下の写真は先週の神代植物公園の枝垂桜です。

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