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棟方志功展 東京国立近代美術館

棟方志功さんは幼い頃から親しみのある作家さんです。
昔、京都の河原町に「スエヒロ」というステーキハウスがありまして、亡父が好きだったものですから、幼い頃から度々訪れていました。このスエヒロさんのオーナーが民芸運動の愛好家であったのか、後援者であったのかまでは存じませんが、器やテーブル毎に菊の花が活けられた花瓶も河井寛次郎さんの作品。そしてお店のトレードマークは棟方志功さんの作品。屏風絵なども多数、それほど広くない店内に飾られていたのです。ふくよかで慈愛に満ちた女性の絵。それらは、幼い頃からごく自然に親しみ、愛着を持っていた作品たちでした。
随分前にスエヒロさんは無くなってしまい、志功さんの絵に親しむ機会も失われましたが、今でも目にすれば懐かしさと共に心が喜びます。

随分前、富山の美術館での棟方志功展の報に触れた際、東京にも巡回すると知って、必ず訪れると決めていたのでした。そしてようやく東京国立近代美術館での展示が始まり、風は強いものの秋晴れの本日に訪れました。

勝手に親しみを持っている志功さんですが、青森ご出身ということと民芸運動との関わりについて存じ上げているだけで、詳しく調べてみるということもしないファンと自称する資格もない私です。絵を志されたきっかけが、雑誌「白樺」に掲載されていたファン・ゴッホの絵に感銘をうけたことがきっかけだったのだとか。

後年の天真爛漫という言葉を思い浮かべる作風からはイメージが湧きにくいのですが、故郷の山、八甲田山の絵を拝見するとなるほどと感じることができます。

八甲田山は是非とも登ってみたい、それも厳冬期に。と想っているのですが、なかなか実現に至らずにおります。今年の冬は機会が訪れるでしょうか?

さて、東北ご出身の志功さん。今回の展示の作品数は膨大で、心惹かれた作品は
多数。そんな中で、一番印象に残っているのがこの作品。

おそらく専門家の方からすると代表作でもなんでもないであろう小品。しかしその作品に素人の私はなぜか引き込まれた私は、奥入瀬を再訪したいという強い衝動に駆られたのでした。数十年前に北海道からフェリーで青森に上陸の後に車で京都に帰った際、途中に立ち寄って以来訪れていません。

その他、絵画の背景や技巧の説明は、詳しい方にお願いするとして、上記の奥入瀬以外で私が心惹かれた作品を並べてみます。このnoteをご覧になった方が、多少なりとも展覧会を訪れられるきっかけになりましたら。


如何でしたでしょうか。上述の通り、私が志功さんの絵から受ける印象は「天真爛漫」。観ていると穏やかに、人に優しくなれるような心地がいたします。
今日はやや年齢層が高めで、そこそこ人が入っておられましたが、会期も12月3日までと長いので、一度ご覧になってみてください。大きな作品も多く、絵葉書や図録では分からない、空間に大きく自由に広がりを持った躍動感をお感じになってください。

もっとも、結局、図録は買い求めてしまいましたが。。

そうそう、同じチケットで鑑賞ができる所蔵品展、MoMATコレクション展でも、一点志功さんの作品が展示されていました。

MOMATコレクションの志功さん作品

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