“たたかう本屋” No.2 いろは書店(石川県珠洲市)[その2]~ 能登半島地震からの再生
「地域の文化を守るためには、書店がないと駄目だ」 ━━ 去年の10月、そう語ってくれた2代目店主の八木久さん。
幸い、家族全員がご無事だったことは、地震の翌日に発信された「いろは書店」のX(旧Twitter)で知った。
その後、これといった情報がなく、案じていたところ、
久さんの息子・淳成(あつなり)さんが、ラジオに生出演していたことがわかった。
6日の土曜日、ニッポン放送で流れた『サンドウィッチマン ザ・ラジオショー サタデー』という番組。
そのことを知ったときには、すでに放送は終わっていたが、[radiko (ラジコ)]で聴くことができた。
珠洲の「いろは書店」の前にいる淳成さんと、
東京のスタジオのサンドウィッチマンが、
電話(?)で話す、というスタイル。
被災地の状況がよくわかった。
▽ 家族は避難所で暮らしている
▽ トイレは、仮設トイレ。皆、綺麗に使おうと気をつけている
▽ 食事は、皆で工夫。飲食店が食材を提供したり、お互いに分け合ったり…
▽ 金沢に近い地区から電気は徐々に復旧している。「いろは書店」のある飯田町はまだだが、間もなくか?
※6日時点の情報だから、もう復旧しているかもしれない
地震発生当時の話も生々しかった。
▽ 淳成さんは2階にいて、他の家族は1階にいた
▽ 1階の奥に物置があって、父の久さんが懐中電灯を取りに行った
▽ 「そっちに行っちゃ駄目だ」と、家族みんなが追いかけ、物置へ
▽ そのとき、家が崩れ落ち、1階部分がぺしゃんこに
▽ ただ物置だけが崩れなかった
もし、久さんが懐中電灯を取りに物置に行かなければ、1階の家族みんなが下敷きになっていたかもしれないのだ・・・。
淳成さんの話は、当然ながらシリアスなものが多かったが、随所に笑いもあった。
例えば、
淳成さんが、避難所では町内会の尊敬する先輩方と一緒で、
「何かと支えられています」
と話すと、サンドの伊達さんが
「尊敬する先輩方も、ずっと一緒にいると、しんどいですね」
すると、淳成さん、
「あのう…普段から一緒にいて、だいぶ、しんどいんですよ」
これには、皆、爆笑。
他にも、思わず笑ってしまう箇所があった。
radiko (ラジコ) は、放送から7日間(13日の土曜日までか?)は聴くことが出来るということなので、詳しくは、ぜひ、そちらでお聞きください。
これほどの惨事にあっても、ユーモアを失わない淳成さん。
さすがは久さんの息子さんだ。
それと、サンドの伊達さんがスゴいんだ。
「尊敬する先輩方も、ずっと一緒にいると、しんどいですね」
もそうだし、
「あの…ちょっと、頑張って面白くするの、やめてもらえます?」
とかツッコんでて、
字面だけ見ると失礼な物言いだけど、音で聴くと決してそんなことはない、
ツッコミに愛が溢れている!!
富澤さんも、言葉少ないけど、寄り添っている感じが伝わる。
「トイレとか、どうされてます?」
と、訊いたのは富澤さんだ。
東日本大震災のとき、気仙沼で、自身が被災しているお二人だけに、被災者の置かれた状況がよくわかるのだろう
最後に、八木淳成さんの言葉を紹介する。
「被災して、今でも大変な人たち、いっぱいいます。
僕たちだって、本当に踏ん張らなきゃいけなくて、気を緩めるわけにはいかない。
だけど、目はちゃんとしっかり前を向かなきゃなって思ってます」
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