Journaling/ジャーナリング、本当の意味。
コーチングを始めると、クライアント(コーチィ)に必ず「ジャーナリング/Journalingをしたことありますか?」と確認する。これから始まるコーチングの旅において、ジャーナリングは、日々の自分を振り返る(to reflect)とても役立つツールだから。
ところが、ジャーナリング/Journalingと聞くと、多くのクライアントの反応は、そうポジティブではない。ある人は「うわぁ、なんだか面倒臭そう」とか「そんな暇ない」と険しい表情を浮かべる。また、ある人は「以前やっていたけど、もうやめた。書くのが疲れるし、感情を思い出したり、反省したり、自責するのはもっと疲れる」と言った。
そもそも「Journaling/ジャーナリング」って何だろう?キチッとした正式な文書を書かなきゃいけないの?そもそも振り返って、反省するためのものなの?
元々の意味は、journalをつける事だけど、そもそもjournalって何?
特定の主題や専門的活動を扱う、新聞や雑誌。
個人的なニュースや出来事の毎日の記録。日記。
航海日誌。ログ。
国会議事堂での毎日の議事録。
これを見ると、確かにacademic journalsや議事録のように正式な文書を指すことも多い。でも、コーチングで言うところのジャーナリング/Journalingは、個人の内面の記録。日々、どんなことが頭や心をよぎったか。思考や感情を吐露する場。コーチや他人に見せるものではなく、自分だけの私的なノート。
また、「日記」というより、「ログ」に近いかも。文章である必要はない、「覚え書きメモ」だっていい。スタイルは、自分のやり易いように好きに決めて良い。重要なのは、続けて自分データを取ることだから。
その目的:
□ 頭の中のモヤモヤや心の中のザワザワを、紙の上に吐き出す。
頭の中にあるモヤモヤを残したまま横になるのではなく、手書きで頭の中のモヤモヤや心の中にザワザワするものをノートに吐き出す。頭や心の中に残さないで、文字にして書き出す。吐き出したそのノートをちゃんと閉じてから、ベットに横たわる。
□ 振り返り/reflectionを行う。参考:「Reflectionと反省は違う」
私の意図するreflectionは、セッションで話した内容を良し悪しの判断をする「反省」ではない。書くことで主観的な視点から分離し、時間を置くことで、物事、感情、思考から距離を置く。それをバランスの取れた目線で見つめ易くする。客観的にする過程で、何か発見するかもしれないし、しないかもしれない。それは、その人次第。
□ 自分の思考と感情のデータを取る。
どのくらいの頻度で、自分に自信がないと感じているのか?どんな時に、それを感じ易いのか?どんな時に眠れないのか?誰と話すと気分が良くなったり、悪くなったりするのか?等々、感覚では分かっていても、ちゃんとしたデータとして、把握していないかもしれない。もしかしたら、何かしらのパターンが見えるかも。
□ 覚えておくための覚え書き。
人間は結構アホ。心の中で重要な気づきが起こって「絶対、覚えてられる!」と確信したとしても、日々の生活に戻ると、同じ思考パターンや慣習を繰り返してしまう。せっかくの重要な気づきを覚えているにはどうしたらいい?そんなツールの一つが、Journaling/ジャーナリング。
ノートに描くのが苦手なら、メモ帳でもいい。コピー用紙でもいい。または、PCやスマホに打ち込んでもいい。自分の描き易い方法で。ただ、ペンや鉛筆を使って紙に書くことは、科学的に脳の健康には良いらしい。
Image by Polina Kovaleva/ Pexels
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