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ドラマ版「わたし、定時で帰ります。」は、原作以上に興味深かった。

ドラマ版「わたし、定時で帰ります。」がTVerで一挙配信されていて、観ることができた。以前、原作を読んでいたので、ドラマ版はどんな感じだろうと気になっていたが、原作よりも色々感じることが多かった。定時で帰ることの大切さよりも、会社には色々な人がいて、色々な考え方を持った人が働いているということを考えさせられた。

1、つっこみどころ

もともと、システム関係で働いていたことから、つっこみたくなるところが何点かあった。主人公の東山結衣(吉高由里子)が働いている「ネットヒーローズ」の職場の休憩室、あれは何?大企業ってみんなあんな感じなの?まぁ私は下請け会社&常駐だったから、廊下にパーティションだけあって、そこにPC置いて仕事してたこともあるし、システム会社自体に休憩室があるなんてすごいホワイトな会社じゃない?と思ってしまった。

あと、結衣の元カレで副部長の「種田晃太郎」。原作の本のイメージはもっとゴツかったイメージ。向井理だしさわやかイケメンすぎない?(笑)あと、この業界って、がっつり仕事をやる部長(管理職)ってイケメンの可能性は低い気がする。プログラムとかシステム「しか」好きじゃないというか…

テレビドラマだから、実際の経験と重ねてはいけないのだけど、ちょっとつっこみたくなった(笑)。

2、職場は「居場所」?

仕事に対する向き合い方は、人それぞれだ。種田晃太郎みたいに仕事「しか」できない人や、「人生なんてどこにいても暇つぶしだろ」と言って会社に寝泊まりしていた、吾妻(柄本時生…あとで調べたら、あの天国と地獄に出ていた「陸」の弟だった。オタクプログラマーの役がハマりすぎて、衝撃的(笑))。そして、産休から復帰してもバリバリ働きたいけど、結局途中で家族のことを考えて休職した、賤ヶ岳さん(内田有紀)。いやらしい事を根回しするけど、家庭が上手くいかなくて、本当は仕事に精を出そうとしていた、部長の福永さん(ユースケ・サンタマリア)。どのタイプも職場には居そうだった。

私たちの現場も、結構残業する人が多かった。家庭があり、子どもがいるという人でも、定時で帰る人は少なかったように思う。やっぱり色んな事情で仕事が終わらなかったことが大半だが、ただ職場の人と喋っている時もあった。皆、仕事が終わったあと、個人個人のプライベートで何かしようなんて、誰も考えていそうになかった。

それが普通だと思っていた。常駐歴も長く、会社のメンバーというよりはそこのフロアのメンバーに愛着が湧いてしまった。システムの保守や開発というベクトルを合わせるうちに、「居場所」になったんだと思う。仕事という意味ではとても「いい意味」だったが、それがプライベートという側面ではどうだったのか、今回のドラマを観て考えさせられた。

そして、こんな事を語っている自分は、もう自営業。だからこそ冷静に観れたし、考えられたけど、今頃リモートワークをしていたらどう観たのだろうか?とか、バリバリ仕事をしていたあの頃観ていたらどうなってたのか?とか思うと、また違う捉え方をしそうである。

3、仕事をバリバリやる女子は、結婚できない?

東山結衣は、諏訪 巧(中丸雄一)という、ライバル会社の彼氏と、結婚前提の付き合いをしていた。結衣も途中まで定時で帰り、巧とのプライベートを毎日楽しんでいた。でも、途中から巨大案件&開発後の運用を巧の会社に取られてしまうのではという、炎上案件に巻き込まれる。結衣は頑張って残業してしまう。そしてすれ違い、結婚はなくなり、同棲も解消するのだ。

巧は、最後まで優しかったよなぁ。自分が「浮気した」って言ったけど、そうじゃなくて、結衣が仕事が好きで、種田がまだ結衣のことを好きだって言ってたからそう言ったんだと思うけど。

私もどちらかと言うと、仕事を頑張っちゃってたタイプだったから、恋愛がダメになったんだよなぁ。仕事と、女として家族を取れるのか問題に差し掛かった時、仕事を取ってしまった自分がいて。やっぱり、その時「居場所」は職場だったんだろうなぁと思う。

現実で起こったことを、ドラマでも観てしまった。こういう人は私だけじゃないのかぁと思ってたけど、今どきはこういう女性も結構いそうである。家庭だけが女性の「立場」や「居場所」じゃなくてもいい。そう思わせてくれた。

あと、結衣が最終話で、「好きになると、その人の都合のいい部分しか見えなくなるんですよね、それが私のダメなところです。」って種田に言っているところ、これ、まるで私じゃない?と思ってしまった。社会人の恋って、なんか焦る。特に、30歳くらいまで仕事ばかりしてると、その人のいい所だけをみて、早く結婚しようとか思っちゃうところ。私もそうだった。これは、まだ結婚していないときに見ておきたかったな(笑)。

4、まとめ

「職場にいる人」って今考えるとただの要員じゃなくて、1人1人がドラマになっていますよね。皆、人生違いますもの。違う人生を生きながら、同じ方向に向かって、サービスを提供したり、利益を出したりするのですよね。それだけですごい事だと思いました。

だから、仕事は大事だけど、他の事(プライベート)も重要なんでしょうね。そうして、皆が個別の「何か」でリフレッシュすることで毎日辛い仕事も乗り越えられる。今はリモートワークもありますし、働き方ってすごく考えなくちゃいけないですよね。

また、ネットヒーローズのその後みたいなドラマを観たいなぁと思っているので、期待しているのと、「わたし、定時で帰ります。ハイパー」という原作も気になるところ。時間があれば読みたいです。



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