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【学校に行ってみた】かえつ有明中・高等学校(Part 3:探究型読書)

こんにちは!
今回はかえつ有明さんで実際に行われていた授業を一つ紹介したいと思います。
今回は、かえつ有明にお勤めの田中理紗先生にお願いして見学させていただきました。
その田中先生が実際に行っていた「探究型読書」という授業がオモシロかったので書いていきたいと思います。


探究型読書とは?


本来読書とは、新しい情報を得るためであったり、物語そのものを楽しむために行いますよね?
しかし探究型読書の目的は少し違う場所にあります。

物事を深く思索して、自分の考えを組み立てて、ことの本質を追求し続けるための手段としての読書

探究型読書;編集工学研究所

つまり、読書を通して思考を深め、問いを探す力を育むことが目的になります。

そもそもこれは探究学習であり読書ではありません。なので実は本はほとんど読まないんです。(!?)
ほとんど本を読まないけど思考を深め、問いを探せるようになる読書方法??
そんな前衛的な探究学習を見ていきましょう!

授業の進行と生徒の様子


今回、探究授業は45分×2コマと休憩も含めて100分間で行われました。
大まかな流れは以下の通りです。

1. イントロダクション
2. 8分間の読書(決められた本)
3. 気になった点をグループで共有
4. 気になった問い(テーマ)をグループで立てる(例あり)
5. その問いに対する現時点での意見を共有
6. 図書室で気になる本や関連図書を2,3冊選書
7. 選書した本を共有、誰がどれを読むか話し合う
8. 選んだ本を15分間読書
9. 本を読んで気づいたことを共有
10. 問いについて、考えの変化や更に気になった点を共有

100分間の授業の中で本を読んでいるのはたったの23分!
そう言われるとびっくりしますが、
これでこの活動が探究学習であり、目的が「思考を深め、問いを探す」という意味がわかったかと思います。
読書は方法でしかありません。

作者のモデルを借りる

さて、授業中に田中先生も使っていたこちらのスライド
本を読むときのポイントとして「作者のモデルを借りる」ことを意識します。

どう言うことかというと、
本を読む時って「何いってんのかわからん」とか「ん〜自分の考えと違うな」と思う時ありませんか?
それは自分の視点でその本を読もうとしていて、
そうではなく。著者の視点や思考を借りてきて読むことがその本を理解することへの近道になるんじゃない?ということです。

著者の「動機」「疑問・発見」「視点」を借りることでより深く簡単にその本を理解することができます。
「著者は何に疑問を持ったのか」
「なんでこう考えたのか」
「何を見つけたのか」
「この本で何を言いたかったのか」
そんなことを考え、著者と対話しながら読書を進めるように意識します。

生徒の反応

元々思考力のある生徒さんであり、こういった対話に慣れているということもあるのでしょうが、生徒たちはどんどん自分の思ったこと、感じたことをグループ内で共有していきます。

もしあまりディスカッションに慣れていない生徒で実践するのであれば、グラウンドルールを提供したり、具体的な例を出す必要があるかもしれません。

僕が今回みたかえつ有明の生徒は
グループの問い(テーマ)を「大人になるに連れて得たもの/失ったもの」
とし、以下のような意見を出していました。

・高校生になるにつれて、自分の意見を言いづらくなった。
・小学生のときの方が周りの目を気にせずにいられた。
・子供のときの方が素直に人に対して優しくなれてた。
・大人になるにつれて自由が増えた。
・できることが増えた。(行ける場所、買えるものなど)

このような問いを選べること、そしてそれに対して思考を深めていけることが、この読書の醍醐味のように感じました。

また、この問いに対して生徒一人ひとりが気になった内容について選書を行うのですが、ここでかなり個性が出てきます。

全然違う分野の本を各々が持ってきます。
教育、親子関係、発達心理学、同調圧力、社会心理学など
各々が興味のある分野からこのテーマにアプローチしていきます。

この活動を通して、
同じ問いに対して違う思考を展開していき、
さらに各々が得た知識を共有し、
自分の興味関心が変化する様を楽しんでいるようでした。

まとめ


今回はかえつ有明中・高等学校で田中先生が実施されていた「探究型読書」について書いてみました。

探究学習の方法は千差万別でいろいろな切り口から実施することができることを改めて学ばせていただきました!
図書館という、多くの学校にある環境で
こんな素敵な探究活動ができることに感激し、
是非とも実践してみたいと思いました!!(現在無職ですが)

みなさんは普段から探究学習を実施されていますか?
もししているのでしたら、どのような活動をされているかコメント欄で共有してもらえると嬉しいです!

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