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下北沢リバティの復興

事務所ライブで下北沢に行った。

半年ぶりのしもきた空間リバティは、
あらゆることが変わっていた。

ベニヤでがっちりと
封鎖された喫煙所。

そこかしこにこれでもかと
置かれた消毒用のスプレー。

そして、舞台と客席の間に
かけられた半透明のぶ厚いカーテン。

まるで屠殺場だなと思った。
飛沫どころか、血しぶきまで防ぎそう。

……舞台でもそう言ったら、
全然ウケなかったけど。

全組のネタが終わって、
エンディングで呼ばれるまでの数分間。

上の階の楽屋から出て、階段で待機する。

換気のために、客席も舞台袖も
ドアを開けて暗幕だけにしていて。

だから光が漏れないように
階段の電気が消されていて。

そんな薄明かりの階段の途中で
マスクに無言で待っているみんなを
上からぼんやり見ていたら。

……何だか、感傷的な気持ちになった。

なんというか僕らは、この天災から
今まさに復興している所なんだなと思った。

余震というか本震が、全然まだまだ続く中で。
いつ崩れるかも誰にもわからない状況で。

みんな、がんばろうね……!

そんな一体感を勝手に感じて。
感極まったまま、MCに呼ばれて。

明るい舞台に出て行ったら……

マスクをしたままなのは僕だけで、
みんな出る寸前に外してた。

恥ずい!!

感極まってた分、
なんか余計に恥ずい!

言ってよー。