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『縦に速いドイツサッカー』 評価される選手とは。 【活躍する為に必要なこと】

僕はスペイン、アルゼンチンでプレーした後、19歳でドイツへ来ました。

その2ヵ国を経験後、ドイツへやってきましたが、ドイツサッカーは、『縦に速い』という印象を強く持っています。

まだトップリーグではプレーしていないものの、僕がどのようなことを意識し、縦に速いドイツサッカーに対応してるかをお話しようと思います。

【 トップスピードから考えるブンデスリーガ 】

まず最初に、今シーズン2019-2020のブンデスリーガ(ドイツ)とリーガ・エスパニョーラ(スペイン)の1部のトップスピードのデータを元に話します。

【ブンデスリーガ(ドイツ)】

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【リーガ・エスパニョーラ(スペイン)】

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皆さんも1部リーグなら試合やハイライトをご覧になったこともあると思うので、よりイメージしやすいと思います。

ただ単純に足の速さだけを見ても、スペインリーグよりもブンデスリーガ(ドイツ)の方が圧倒的に足が速いことがわかります。

各々の国によってサッカースタイルが異なることを考えれば、比較するのは難しいですが、ポゼッションサッカーを基本とするスペインよりも『縦に速い』ドイツでは、足の速い選手が集まっている傾向があるのと、縦に速い分、トップスピードに入りやすい2つの傾向が考えられます。


【サッカーでいう『縦に速い』とは。】

『縦に速い』と言われても具体的にイメージ出来ない方もいると思うので、僕なりの解釈で簡単に説明すると、試合中にできる限りボールが前に動くことです。
ボールが前に進むイコール選手もそれと同時に前に進まなければいけません。
なぜならば、ボールを前に運ぶ目的は『素早くゴールへ向かう為』だからです。

サッカーには、ゴールという目的があります。
それを踏まえた上で、常に戦術があり、サッカースタイルがあります。

全てはゴールを決め、勝利する為です。

サッカーには、世界の国々によって色々なスタイルがあります。
例えば、スペインの場合は、お馴染みの『ボールポゼッション』を1つのサッカースタイルとして多くのチームが試みます。
しかし、どのサッカースタイルも必ず『ゴール』という目的があるから成立します。
逆に『ゴール』を目的とせず、サッカースタイルが目的になってしまっている場合は、スタイルとして成立していないと思います。

【車の運転も「縦に速いドイツ」】

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驚く方もいるかと思いますが、車の運転もドイツ人は縦に速いです。(笑)

ふざけているわけではなく、本気です。

僕はこれまでスペインとアルゼンチンでの生活も体験し、日本を含めると4ヵ国ですが、圧倒的に『縦に速い』のはドイツです。

先程、サッカーの目的は『ゴール』と言いましたが、車の運転に例えた場合の目的は『目的地』と考えます。

ドイツは、僕がこれまで住んだ国に比べ、圧倒的に目的地への到着が速いです。

世界的に有名なドイツのアウトバーン(高速道路)ですが、速度制限がない区間がたくさんあります。

1度あるチームメイトに家の近くまで送ってもらった際に、直線のアウトバーンだったこともあり、速度220km/hを体験しました。

流石に日本人である僕にとっては、物凄いスピードであると同時に恐怖心にすら晒されたので、その後、そのチームメイトの車に乗るのを控えました。(笑)

全てのドイツに住む人たちがそこまでスピードを出しているかというとそういう訳ではありませんが、一般的に考えても運転スピードは速いと思います。

街中の様子を見ていても感じます。

例えば、信号が赤でどっちみち止まらなけばいけない状況でも、行けるところまでスピードを出す印象です。

サッカーで例えると、スペースが前にあれば、縦へ運ぶのと同じだと思います。

そういった光景をサッカー以外のところでも見掛けます。

少しサッカーとは逸れた話でしたが、ドイツの場合は、『縦に速くゴールへ向かう』というのが僕の言いたい『縦への速さ』ということです。


【 車からサッカーを考える
『日本車とドイツ車 』】

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以前、日本が世界に誇る大手自動車メーカー、トヨタ自動車の豊田章男社長のある対談を見ていた時に、サッカーに繋がるヒントを見つけました。

トヨタ自動車といえば、トヨタグループ全体の2018年の世界販売台数は約1,059万台で3位、トヨタブランド単独では約886万台で世界第1位であることでも有名です。

実際に海外でもトヨタ自動車をよく見かけます。

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トヨタ自動車の豊田章男社長の対談
【サッカーに繋がるヒント】

まず最初に、日本の高速道路は、110キロの速度制限を設けられています。(2019年3月1日から日本の道路としては史上最高速度となる120km/hに引き上げられた。)

それを踏まえた上で、トヨタ自動車の豊田章男社長の対談中にエンジンの話をされていました。

その際、インタビュアーの方の

「コストの問題もあるだろうから、120キロ以上出る車を作る必要はあるのか?」

という問いに対し、

「ドイツといった国では、速度制限が設けられていない道路がある為、スピードの出る車を作らなければ、ドイツでは求められない。」

このように答えていました。

自動車業界で世界に名を轟かしているトヨタ自動車の常に世界を見据えた姿勢に感銘したと同時に、サッカーに例えても似た考え方ができると思いました。

先程からも言っていますが、僕の考える「サッカーの速さ」や「縦への速さ」はただ単に足が速いというわけではなく、サッカーではゴールという目的がある中で如何に速く目的であるゴールに辿り着けるかです。

もちろん、サッカーでは足が速いに越したことはありません。

そのスピードを試合中にグラウンド内で発揮できたら、間違えなく評価されるでしょう。

しかしながら、だからと言って、足が速くないから「縦への速さ」を出せないというのは、サッカーにおいては間違っていると僕は思います。

例えば、カウンターの曲面やチームが前進している曲面でのパス1つにしても、味方のスピード・動きを止めないような位置へパス出す。

特にスピードに乗っているシーンということは、サッカーの目的である“ゴール”に直接的に繋がるシチュエーションがより多い為、より細かな技術や状況判断の質を求められます。

ボールの受ける位置(ポジショニング)、受けた時の身体の向きもそうです。そして、選んだプレーがゴール決める為に前進しようとしているチームに繋がるプレーをしているか、していないか。

繰り返しになりますが、サッカーにおいて、足が速いに越したことはありませんし、速い方が有利な曲面は圧倒的に多いです。

しかし、これらの1つ1つの精度が高ければ高い程、縦への速さは生まれます。

そうすることで1つ1つの考え方が変わります。

【サッカーの『目的=ゴール』を考えた時にドイツで評価されやすい選手】

ドイツで評価を得るためには、ドイツ語を理解できることもドイツ人の国民性を理解し、しっかりと監督、コーチ、チームメイト、首脳陣とコミュニケーションをとれるかどうかということが間違いなくドイツで活躍するには、必要な要素だと思います。

しかし、今回は「速いサッカー」に対応する方法をサッカー戦術という目線から考えてお話します。

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