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香月優希の小説、どれから読んだらいいのか案内所

 2023年9月現在、公開中のファンタジー作品は、基本的に本編『風は遠き地に』を柱に、エディラドハルドという同じ架空の大陸で展開しています。短編は全く独立した物語として単独で楽しんで頂けますが、登場人物は本編に準じています。
 なので、どこからお読み頂いても問題ありません。しかし、だんだん作品が増えてきたので、「どれから読んだらいいですか?」と聞かれることもしばしば。そう言われると、この数をSNSで紹介するにも限界があるなぁ……
 というわけで、この辺でまとめてみよう自創作小説のご案内! というのが今回の趣旨です。よろしければ、作品選びのご参考に、ご覧になってみて下さい。

<まずは簡単、ざっくりご案内>
 
全部目を通して頂くのもいいんですが、お時間ない方のための、目次で選べるざっくりチャートを。目次の下に、番号でご案内いたしますので、その番号のお話へ飛んで頂くと便利です。


📚本編を読みたい→1
📚内容で選びたい
 元気が欲しい、背中を押してほしい→1、2、7
 ちょっと一息つきたい、ほっこりしたい→3、6、8
 恋のトキメキが欲しい→2、4、5
 強い男の葛藤や男泣きが見たい→2、7
📚推しキャラで選びたい
 
ナギ→1(主役)、8(赤ん坊なんで喋らないけど)
 イルギネス→1(第二章から登場)、2(主役)、3、5
 驃(しらかげ)→1(第三章から登場)、3、7(主役)
 靂(レキ)→1、4、6、8(主役)
 ディア→5(主役)、2
 姫沙夜(キサヤ)→4、6(主役)
📚読了時間目安で選びたい
 たっぷり浸りたい→1(約7時間)
 30分くらい→7
 15分くらい→2
 10分以内→3、4、5、6、8

 では、1話ずつご案内していきます。

1.長編ファンタジー『風は遠き地に』(本編)

 現在発表している作品は、一作品を除いて、全て、長編ファンタジー小説『風は遠き地に』の世界線に乗っています。
 この、土台となる『風は遠き地に』は、最近多い、超長いタイトルとは比べ物にならないくらい短いタイトルな上に、異世界転生なし、悪役令嬢なし、ざまぁ展開なしという、全くもってイマドキの流行からは外れた僻地的、良く言えば"古き良きクラシックファンタジー"です。
 これは長編なので長いです。2023年8月現在の文字数は10万3000時超え、今書いている第五章で完結の見込みです。(追記:2023年12月に完結しました)
 作品紹介は、以下の通り。

<竜の伝説が息づく大地で、十七歳の青年は己を翻弄する逆境を打破できるのか>

啼義(ナギ)は赤ん坊の頃、"竜の背"と呼ばれるドラガーナ山脈の火山噴火の際に、靂(レキ)に拾われ、彼が治める羅沙(ラージャ)の社(やしろ)で育つ。
だが17歳になった啼義に突き付けられたのは、彼の持つ力が、羅沙の社の信仰と相反するものであるという現実だった。そこから絡(もつ)れて行く運命に翻弄され、彼は遂に故郷を追われてしまう。
体ひとつで未知なる地へ放り出された啼義は、新たな仲間との絆を深めながら、自らの道を探し、切り開こうと奮闘する。

テーマは"逆境の打破"。試練を力に変えて、希望を紡ぐ冒険ファンタジー。

 この紹介文でわかる通り、全体的にシリアスです。特に第一章は、真面目な性格のキャラしか出てこない上に、物語を始めるために、主人公を試練に叩き落とすので展開が重い。第二章からキャラクターが増えてくると、だんだんと彩り豊かになる流れです。主人公の成長、キャラの心理描写に重きを置いています。
 長編ですが、1話ごとを大体5分以内で読めるように区切って掲載しているので、隙間時間でゆっくりじっくり、読み進めていけます。
 作者の性格上、バッドエンドは好まないので、ちゃんと最後には光をお届けする予定ですので、ご安心下さい。

<掲載URL>
✏️小説家になろう https://ncode.syosetu.com/n5601hf/ 
✏️カクヨム https://kakuyomu.jp/works/16816700428155671702 
✏️pixiv https://www.pixiv.net/novel/series/7877578

2.短編『Dear sword』

 サクッと15分ほどで読めるけど、喜怒哀楽がギュッと詰まっているのが、このお話。
 本編『風は遠き地に』では、主人公ナギの頼もしい兄貴分である銀髪の魔術剣士イルギネスが主役のお話です。
 舞台は本編より約2年前。イルギネスは24歳で、今よりかなり自堕落な状況に陥っています。紹介文はこう。

銀髪の魔術剣士イルギネスは二十四歳。
弟を病で亡くしてから一年が経とうとし、両親や周りに心配をかけまいと明るく振る舞う一方、自らの内に抱える苦しみをどうすることも出来ずに、気づけば夜の街に繰り出しては酒を煽り、時には行きずりの出会いに身を投げ出して、職務にも支障が出るほど自堕落になりかけていた。そんなある日、手入れを怠っていた愛剣を親友に諌(いさ)められ、気乗りしないまま武器屋に持ち込む。そこで店番をしていた店主の娘ディアにまで、剣の状態をひどく責められ──そんな踏んだり蹴ったりの彼が、"腑抜け野郎"から脱却するまでの、立ち直りの物語。

 SNSの投稿ではお馴染み、イルギネスの恋人ディアとの馴れ初めを軸に、彼自身の立ち直りまでのメンタル部分に焦点を当てています。
 ちょっと元気が欲しい、ちょっとトキメキも欲しい、そんな時にもおすすめ。

<掲載URL>
✏️小説家になろう https://ncode.syosetu.com/n2418hm/ 
✏️カクヨム https://kakuyomu.jp/works/16816927860794972660 
✏️pixiv https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17013662

3.短編『心腹の友』

 約8分で読める、ただの酒飲み小話。ちょっと飲みに行きたいけど、本当に行くのはハードルが高いな、少し息抜きに何か読みたいなという時にオススメです。
 って、一体どういう内容かというと、25歳の黒髪×赤眼の剣士・驃(しらかげ)と、親友の白銀髪×青眼の魔術剣士イルギネスという、若きメンズ2人が、ただ酒場で飲んだくれているだけの、ユルい酒飲みエピソードです。『風は遠き地に』本編の、約1年前のお話ですね。
 本編では兄貴肌でしっかりしているように見える二人の、案外しょうもない部分と、男同士ならではのサクサクした、でも内心では互いがとても信頼して気を許している胸熱ブロマンスな空気を、隣で一緒に飲んでるような気分で(笑)ご堪能頂けます。

<掲載URL>
✏️小説家になろう https://ncode.syosetu.com/n1566hs/ 
✏️カクヨム https://kakuyomu.jp/works/16817139556155756403
✏️pixiv https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17864252

4.短編『星夜の語り』

 2022年の七夕で書いた、現時点で拙作では一番キワドイ作品。なんと、2分で読める短さです。ロマンチックというか、ちょっと大人のドキドキを味わいたい時にオススメ。
 この物語は、本編『風は遠き地に』の主人公ナギの育ての親・靂(レキ)と、彼の許嫁で、若くして命を落とした姫沙夜(キサヤ)の、久方ぶりの恋人同士の逢瀬を描いていて、端的に言ってしまえば、まぁその、そういう行為に及ぶまでの流れです。
 基本的に、短編は本編未読で構わず読めるようになっていますが、このお話に限っては、本編を読んだ方からすると、時間軸が謎なんですね。
 若かりし頃の話なのか、はたまた…? あえてどちらとも取れるように書いているので、"その後の行為"と一緒に、そんなところもお好みで想像していただければと思います。

<掲載URL>
✏️小説家になろう https://ncode.syosetu.com/n5138hs/ 
✏️カクヨム https://kakuyomu.jp/works/16817139556452914509
✏️pixiv https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17914929

5.短編『恋の手前で』

 バレンタインデーに向けて書いた、拙作では唯一の女子視点の一人称な、胸キュン系短編がこれ。付き合う直前の、あのトキメキを味わいたい! という方に特にオススメです。読了時間目安は約8分。
『Dear sword』の続編的な内容ですが、もちろんこれも単発で楽しんで頂けます。
 主人公は、武器屋の娘ディア。物語は、彼女の語り口で進みます。『Dear sword』で距離が縮んだ銀髪の魔術剣士イルギネスと、いい感じにデートを重ねつつ、まだ付き合ってはいないという関係の二人。そこへ、ディアの親友タラシャが、イルギネスのよからぬ噂を知って釘を刺します。噂は噂よね、と思いながら尋ねたディアに、イルギネスは──?
 ディア視点から見たイルギネスの、ワンコ的な情けなさとか、そんなところも楽しめる、ライトな恋愛ファンタジーです。

<掲載URL>
✏️小説家になろう https://ncode.syosetu.com/n8039ib/ 
✏️カクヨム https://kakuyomu.jp/works/16817330653233055676
✏️pixiv https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19304301

6.短編『星夜の願い』

 2023年の七夕に合わせてお届けした、10歳の姫君の、夏の夜の小さな冒険譚。瞬く星空を眺めながら展開するささやかな物語です。読了時間目安は約8分。
『星夜の語り』で主役の二人、靂(レキ)と姫沙夜(キサヤ)の出会いのお話ですが、今作では姫沙夜が10歳、靂が18歳なので、内容はいたって健全。
 お祭りの夜にこっそり屋敷を抜け出した姫沙夜の冒険心と、まだ初恋とも言えぬほどの、ちょっとしたドキドキを共有して頂けたら嬉しいです。
 あなたのお願いごとは、何ですか?

<掲載URL>
✏️小説家になろう https://ncode.syosetu.com/n7074ih/ 
✏️カクヨム https://kakuyomu.jp/works/16817330659998053410
✏️pixiv https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=20220170

7.短編『軌跡一路』

 本編『風は遠き地に』では、頼れる剣士として活躍の驃(しらかげ)。彼の顔と右肩には一本の傷痕があります。今作は、その傷が出来た時のエピソード。読了時間目安は約30分。
 故郷を出て約7年。剣士としての階段を順調に駆け上がり、勢いのある22歳の驃は、後輩を庇って大怪我を負った結果、顔には大きな裂傷、利き腕の回復も危ぶまれ、窮地に立たされます。恋人や母親からは、応援どころか剣士の道を考え直すように言われ、彼はますます追い込まれて行く。現実を考えれば、彼女たちの気持ちも分かる。でも、譲れない気持ちだってあるわけです。苦しい状況の中、彼が導き出した答えとは──?
 怪我のエピソードゆえ、冒頭から魔物との戦闘で暴力的なシーンから始まり、途中も驃の押しつぶされそうな感情が、読む側を重く揺さぶる部分はあると思いますが、清々しい読了感をお届けできることをお約束します。
 ちょっと鬱屈とした気分を吹き飛ばしたい時のサプリメントとしても、ぜひ。

<掲載URL>
✏️小説家になろう https://ncode.syosetu.com/n3047ij/ 
✏️カクヨム https://kakuyomu.jp/works/16817330662047610232
✏️pixiv https://www.pixiv.net/novel/series/10845970

8.短編『授かりし者』

 短編8作目にして、やっと『風は遠き地に』主人公・啼義(ナギ)が登場するお話。読了時間目安は約7分。
 時系列は、『風は遠き地に』のプロローグから第一章の間。
 羅沙(ラージャ)の社(やしろ)の頭領・靂(レキ)は、許嫁を亡くして約三年。
 火山の噴火が起こり、周囲の被害を調査しているある日、生後半年ほどの赤ん坊=のちの啼義が一人で泣いているのを見つけた靂(レキ)は、さすがに無視できずに自分が治める社へ連れ帰りますが、無論、赤ん坊を育てる気などありません。なんとか他へ引き渡そうと身元を探るものの、それらしい情報は全く得られず、このままだと自分の手元で育てることに──しかし、なんのてらいもなく自分の手を掴んでくる赤ん坊の指先の温かさと無邪気な生命に、靂の心も次第に緩んでいきます。
 伴侶を亡くした彼が赤ん坊を手元で育てることを決め、その名を与えるまでの物語です。
 赤ん坊のほっこり感に、靂が人知れず癒されながらも、頭の片隅によぎる亡き許嫁へのちょっとした切なさを織り交ぜた、全体的に温かで和やかな3300文字。

<掲載URL>
✏️小説家になろう https://ncode.syosetu.com/n7048il/ 
✏️カクヨム https://kakuyomu.jp/works/16817330665431892847
✏️pixiv https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=20865286

 以上、本編1作、短編7作が、2023年現在の私のファンタジー作品です。
 短編に関しては、今のところなんと、本編の主人公ナギが全く出ていません。これは今のところ、本編以前のサブキャラたちに焦点を当てているためです。
(追記:2023年10月に『授かりし者』が公開されたことで、ナギも遂に登場しました。本編の第一章への架け橋的ストーリーとなっています)
 本編未読でOKどころか、短編から読む前に読んで頂く方が、本編で各キャラが出た時に理解度が深まると言ってもいいくらいなので、本当にどこから読んで頂いても大丈夫です。
 ぜひ、気になる作品から、覗いてみて下さい。ご感想やコメントなども、各サイトでお待ちしております。
 私の作品に割いてくださったあなたの読書時間が、有意義な経験となれたら幸いです。


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