比較優位理論で心が軽くなった

私は現在、スポーツジムで勤務をしている。

そこではジムインストラクターとして所属している。

だが、大学で学んできたことは行政や経営のことであり、トレーニング指導やレッスンより経営戦略や事務作業を専門とする。

そして本当は、経営面で現場をサポートする仕事をしたいと考えている。

しかし、私の所属する店舗には設立から働くフロントスタッフがいる。

その人がいる時間、フロントでの事務作業はさせてもらえない。

手を出すと文句を言われる。

理想と現実のギャップに不満が募っていた。

しかし、比較優位という考え方を知ってからは、心が軽くなっただけでなく、よりクリエイティブに働くことができるようになったのである。

それは、ある書籍でこんな話を目にしたことがきっかけだった。

「社長とその秘書がいる。社長は、他にも多くの仕事をこなし、秘書よりもタイピングが早いとする。
タイピングをするだけなら、社長が行った方が早く効率がいい。
しかし、社長はタイピングをしている間、社長ができるはずだった他の仕事ができず、生産活動の機会を逃していることになる。
秘書は社長よりもタイピング速度が遅いが、秘書がタイピングをしないことによって失われる機会というものは存在しないため、秘書がタイピングをし、社長がそれ以外の仕事をした方が、結果的には効率がよい」

このような趣旨であった。

雷に打たれたことはないが、雷が落ちたような衝撃を受けた。

仮に私がフロントスタッフより多くの事務作業をこなすことができたとしても、私が事務作業をしている間はインストラクターとしての作業機会を逃しているのだ。

一方、フロントスタッフはジムインストラクターの仕事はできないため、事務作業に専念させるべきである。

そう考えると、私が事務作業をできないことは必然であり、仕方のないことだと割り切ることができた。

現在は事務作業をフロントスタッフにほとんど任せることによって、より自由に動くことができるようになって、逆に良かったと思えている。

みなさまも比較優位理論を駆使し、自分の強みは何か、従業員全員が力を発揮できる配置はどこか、考えてみてはいかがだろうか。

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