見出し画像

【完結編?】定時ダッシュへの第一歩!PADを使って契約書のデータベースを作る


こんにちは、小売業の本部で働く定時帰宅マンになりたいサラリーマンです。
前回の記事では、課題抽出、課題解決方法、解決に向けた具体的な計画について書きました。前回の記事の続きにとなりますので、まだ読まれていない方はぜひこちらからご覧ください。
※今回の記事公開に伴い、前回の記事は加筆修正を行いました。以前ご覧になった方も、ぜひ再度ご覧いただけたら嬉しいです。

今回は実際にプロトタイプ作成に至るまでを書いていきたいと思います!!


課題確認

最初に課題を整理していきましょう。
今回の課題は、今まで手入力でリスト化していた契約書リストをPADを使って自動でリスト化し、部署内のデータベースとして機能させることです。
この課題には2つのフェーズがあります。

  1. 契約書を自動でリスト化させること

  2. 部署内全体で使用できるようにデータベースとして機能させること

各フェーズでの具体的なアクションは下記のとおりです。

フェーズ1 契約書を自動でリスト化させる

今まで契約担当者とバイヤーでそれぞれ契約リストを作成していたのですが、自動化させる上で基準となる契約リストを決定させることが必要になりました。検討の結果、今後は契約担当者がデータベースを作成し、バイヤーは契約担当者が作成したデータベースをもとに分析などを行うことが決定しました。そのため、実務担当者となる契約担当者が使用していた契約リストを基準に、新しいリストを作成することとなりました。
このフェーズ1では主に契約担当者と密にヒアリングを行い、契約担当者が使いやすい契約リストを作成することを重点に置きながら、上長に適宜相談をしていきました。

フェーズ2 データベースとして機能させる

フェーズ1である程度リストが作成できたら、データベースとして機能させるフェーズに移ります。
バイヤーに作成したプロトタイプを見せながら、他に必要な情報があるかヒアリングを行い、分析ツールとして使用できるようなデータベースを作成していきました。またこちらでも適宜上長に相談し進めていきました。

スケジュール確認

9月17日を期限として3周以上のサイクルが回せるようなスケジュールを作成しました。

プロトタイプ作成

1周目

社内調整・上長及び契約担当者へヒアリング

上長と契約担当者に課題解決の概要を説明し、ヒアリングを行いました。また、上長にはPADを社内パソコンで使用できるかどうかの確認を行い、社内パソコンにインストールしました。
こちらの詳しい内容は前回の記事をご覧ください。

プロトアウト作成1回目

契約担当者へのヒアリングをもとに、契約書から抽出する項目を決定しました。そしてExcel形式の契約書からリスト化したい項目全てを抽出するPADの叩き台を作成しました。
まずは、見た目などは気にせず、実際に抽出できるかに重点を置いて、早めにフィードバックをもらえるように作成時間の短縮を図りました。

フィードバック1回目

いただいたフィードバックは下記のとおりです。

上長からもフィードバックをいただく予定でしたが、都合がつかず実施できませんでした。

2周目

プロトアウト修正1回目

いただいたフィードバックをもとに修正を行いました。

  • 契約期間開始日と契約終了日を分けてテキストを抽出する

現状1セルに「(西暦)2022年01月01日~(西暦)2022年01月01日」と記載されていたため、分けることができませんでした。
確かにこのままだとフィルターがかけられず、分析もしづらい。なんとかならないものか。
ググり力が問われた課題でした。
PADについて詳しく書いてくださっているブログなどもあり、「変数を設定してテキストを分割させる」という答えに辿り着く事ができました。
なんとしても解決させたかったので、修正できてホッとしました。

  • スペースを削除した状態でテキストを抽出する

Excel上でスペースがあると分析がしづらくなる原因にもつながるので、すぐに半角スペースと全角スペースを文字なしに置き換えて対応しました。

バイヤーにヒアリング

プロトタイプを見せながら、課題解決の概要を説明し、ヒアリングを行いました。

また、今後のフィードバックへの協力をこの時点でお願いしました。
バイヤーの皆さんは常に忙しくしている方が多いので、協力をお願いするのは心苦しかったのですが、皆さん快く協力してくださりました!

フィードバック2回目

修正したプロトアウトを見せ、フィードバックをいただきました。

すぐに回答できるものについてはその場で回答し、残りは持ち帰りの課題としました。

3周目

プロトアウト修正2回目

いただいたフィードバックをもとに修正を行いました。

  • 日付部分のフィルター適用

PADで抽出後、Excel上の表示形式で日付の設定をしていても文字列表示となってしまいました。PAD上でExcelの書式設定を変えることを検討しましたが、表示形式は変えられませんでした。
抽出後Excelで「データ」⇒「区切り位置」により解消することが判明しました。
全てを自動化できればそれに越したことはありませんが、今自分ができる範囲で解決できる落としどころを探しました。

  • 手入力セルの挿入

挿入したい列を確認後、挿入し、抽出したテキストの書き込み位置をずらすことで対応しました。

表面的な修正であるため、1度目のフィードバックから得られなかったのが驚きでした。のちに担当者の方から理由を聞いたところ、「最初に見せてもらった時は、自動でできることに驚いていたので、手入力欄は頭から飛んでいた」とのことでした。
フィードバックの回数を重ねることで、フィードバックする視点が変わる事を実感しました。

  • 長期契約の単月ごとの契約達成状況の把握

契約書からは抽出できない範囲であり、また、計算で算出できるものでもないため、こちらは新たな課題として取り扱うこととしました。
フィードバックを繰り返すことで新たな課題抽出に繋がることが分かりました。

フィードバック3回目

いただいたフィードバックは下記のとおりです。

4周目

プロトアウト修正3回目

  • 行の高さを一定にする

PAD更新後、行列のサイズの変更が可能になったため、適用しました。
更新前は書式設定を変数で変更できるとまでは分かったのですが、どうしても行列のサイズ変更ができずに、ずっとググってました。ググっている中でアップデート情報を偶然見つけ、更新するきっかけとなりました。
ググり力はプロトアウト作成時において重要であることが再認識できた出来事でした。

  • 部門番号の抽出

該当箇所のテキスト抽出で対応しました。これにより部門ごとで分析することが可能になりました。

  • 契約期間(単月・半期・一年)でフィルターをかける

PAD上ではできないため、Excel上で設定を行いました。DATEDIF(契約開始日,終了日,"M")+1 により契約期間を算出することで、対応しました。

これらを修正完了させた時点で期限となってしまったので、とりあえず一区切りとしました。
期限までに部署内で使いやすいデータベースなんて本当にできるのだろうかと不安になっていましたが、なんとか形にはなってよかったです…

今後の課題、展望

まだまだ課題は山積みです。
タイトルには「完結編」と書きましたが、嘘です。完結なんてできません。
「一区切り編」が正しいですね(笑)
少しずつブラッシュアップをしていき、より使いやすいツールとして普及させていきたいです!


プロトタイプ作成を通して

根回しは重要

周りを巻き込みながらチャレンジすることは、とても大変なことだと改めて感じました。
ヒアリング・フィードバックなどに協力してもらうということは、少なからず相手の時間を奪ってしまうものです。計画時、部署内は全体的に忙しく、協力をお願いしづらい状況の中でのスタートでした。
そのような状況だったので、協力してもらいやすい環境づくりがキモになりました。
課題を「じぶんごと」として捉えてもらえるように、協力をお願いする相手にとってどんなメリットがあるのか、削減できる時間や作業工程をできるだけ具体的に考え、課題が解決された先の未来についても考えました。
ヒアリング時にメリットや課題解決で達成されうる未来について伝えることで、課題が「じぶんごと」となり、協力してもらいやすい環境を作れたと感じています。

フィードバックは最高の気づき

頭の中でのビジョンを形にしていくとき、案外ざっくりとしているものです。ヒアリングをして必要な要素を取り入れてプロトタイプを作成したつもりだったのですが、自分では考えが及ばなかったフィードバックをいただくことがたくさんありました。自分で考えるのには限界がありました。
1人で考えて多くの作成時間を費やすよりも、なるべく作成に時間をかけず、フィードバックのサイクルをたくさん回す方がより良いものになると実感しました。
また、なるべく多くの人からフィードバックをもらうことも大切ですが、同じ人から何回かフィードバックをもらうことで、より深い視点でのフィードバックを得られることができました。


作成期間中は定時ダッシュには程遠い世界線

前々回の記事でも書きましたが、私の所属する部署は、仕事量が多いことに加え、家に帰っても仕事の事を考えなくてはいけないことも多く、オンオフの切り替えがしづらい部署です。
今回のプロトタイプ作成の背景には「業務効率化で定時ダッシュをキメる、仕事以外の時間を充実させる」が根底にあります。
しかし、プロトタイプ作成は当然仕事が終わった後に家でコツコツとやらねばなりません。ちょうど作成期間中に新しい業務も始まり、慣れない業務の中でプロトタイプ作成もしなければなりませんでした。
睡眠時間を削りながらの両立。
正直辛い時間も多くありましたが、プロトタイプが運用した先の定時ダッシュをモチベーションにしたり、なにより深夜もくもく会などの同志との交流でなんとか乗り切ることができました。
オンラインで行われている深夜のもくもく会に参加するメンバーは、昼は仕事をしながら深夜にも作業するという志が高い方ばかりでした。刺激をもらうのと同時に大変なのは自分だけではないと奮い立たすことができました。

身についたものは知識だけではない

プロトタイプを作成するまではPADを触ったことすらないデジタル初心者でした。そこから何とかプロトタイプを作成することができたので、PADの知識がついたことは言うまでもありません。
ただ、プロトタイプを作成を通して身についたものはPADの知識だけではありません。
前述したとおり、タイトな時間の中でのプロトタイプ作成だったこともあり、限られた時間の中でいかに生産性を上げるかを常に考えながら作成しました。崖っぷちな状況の時ほど最大出力を出すというマインドが身につきました。
また、このプロトタイプ作成が始まってからこのnoteを始めました。もともと言語化・誰かに向けて発信することに苦手意識を持っておりましたが、以前に比べ抵抗感は少なくなってきたように思います。
まだまだ苦手意識払拭とまではいきませんが、少しでも抵抗感が少なくなったことには自分でも驚きました。

まとめ

数か月前にはDXって何?くらいの自分が、仕事上での課題をDXを使って解決するまでに至りました。
何事もやってみないと始まりません。できるできないは置いといて、とりあえずやってみる。やってみた先には見たことがない景色が広がっていました。
とても大変でしたが、それと同時に学ぶことや自分が変化することが楽しくワクワクする数か月でした。
ここで立ち止まらず、この温度感を忘れず進み続けていきたいと思います!最後までご覧いただきありがとうございました!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?