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【悪理学入門 PART1】事件の第三者である私たちが子どもを叩くことで発生するリスクを解説しマッスル。(6,756文字、YouTube未公開本音エピソード付き)

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◆はじめに


今回の某回転寿司における迷惑行為に限らず、
どの迷惑行為にも当てはまることですが、
もちろん悪いのは、迷惑行為を働いた本人です。

ですが、それを叩く人も同様に悪いと私は思っています。

なぜ悪いのか?それを教えてくれているのが今回紹介する書籍です。
私たちは「悪」を恐れて、その結果、排除しようと躍起になりますが、
その行為は、後の「巨大な悪」を育てる火種になっているのかもしれません。

◆『悪さをしない子は悪人になります』廣井亮一


◇紹介書籍

こんばんは、和希です。
それでは本日もさっそく投稿の内容に入っていきましょう。
今週紹介していく書籍はコチラになります。

2023年1月20日に新潮社さんから発行されました、
廣井亮一先生の『悪さをしない子は悪人になります』になります。
「悪」は排除すれば万事解決、ではありません。

◇紹介書籍概要

また、本書の概要につきましては、
いつもと同じように、下記に載せておきますので、
もし本書について気になった方は、ぜひ下記をご覧ください。

タイトル 『悪さをしない子は悪人になります』
著者 廣井亮一(ひろい・りょういち)
価格 858円税込
発行日 2023年1月20日発行
発行者 佐藤隆信
発行所 株式会社新潮社
図版製作 クラップス
装幀 新潮社装幀室
組版 新潮社デジタル編集支援室
印刷所 株式会社光邦
製本所 株式会社大進堂

『悪さをしない子は悪人になります』奥付・裏表紙より引用

◇本書を選んだ理由

そして、今週の投稿で本書を選んだ理由がコチラです。

先月発生した某回転寿司チェーン店での迷惑行為は、
私たちが子どもたちの「悪」を排除しようとし過ぎていたことを、
認識させてくれる書籍と感じたからです。

この回転寿司店での迷惑行為は、先月1月下旬に世間を騒がせていたので、
視聴者の皆さんも記憶に新しいかと思います。湯呑みペロペロしていたアレです。
一週間以上経ち、この投稿を認めている2月上旬でも、
各社ネットニュースの話題は、この迷惑行為の話題で持ちきりでした。

正直、私自身も実際にTikTokを見ていたら、問題の動画が流れてきて、
見た時には「あ〜あ、また変なことやってるわぁ」と思っていました。
被害となった某回転寿司チェーン店さんは、本当にお気の毒だと思います。

けれど、私はその後の迷惑行為に対する、
SNSでの個人やメディアの反応を見て、
少し違和感を感じた箇所があります。それは…

なんだかみんながみんな躍起になって迷惑行為をした子どもを、
この世から排除しようとしていないか?ということです。

もちろん、事件の当事者である某回転寿司チェーン店が、
迷惑行為を起こした子どもに対して損害賠償請求をするのは当然だと思いますし、
当の迷惑行為を起こした子どもは、キチンと少年法に基づき処罰されるべきです。

けれど、第三者である私たちが迷惑行為を起こした子どもに対して、
誹謗中傷をしたり、名前や住所を特定して晒したり、
排除しようとしたりするのは、ちょっとお門違いなのかなと思います。

けれど、そのような第三者からの介入がなぜ起こってしまうのかというと、

それは、私たちの心には潜在的に「悪」を排除しようとする働きがあるからです。

そして、本書『悪さをしない子は悪人になります』の中では、
その「悪」を排除するための過剰な反応がいかに危険かということを、
教えてくれている書籍であり、その内容がとても興味深かったので、
今週の投稿に本書を選びました。

◇この投稿の内容

そして、今回このパート1の投稿で解説する内容は、
本書『悪さをしない子は悪人になります』の「Ⅰ 悪理学」の章の、
「『悪』の原理」の内容をかいつまんで紹介していきます。

先ほど紹介した回転寿司店での迷惑行為に対する個人や企業の姿勢の中には、

「徹底的に悪を排除する」

といったような姿勢が垣間見えるというような解説をしました。
そして、その姿勢を突き通す上で迷惑行為をおこなった子どもに対して、
第三者の人物が誹謗中傷をしたり、名前や住所を特定したり、とやりたい放題。

そして、このような第三者からの行為は、
「迷惑行為をした子どもが悪いんだから、ある程度の仕返しは仕方がない」と、
暗黙の了解の中で、社会的に正当化されてしまっているかと思います。

けれど、皆さんはこの「徹底的に悪を排除する」ことの裏側に、

どのようなリスクが潜んでいるのかをご存知でしょうか?

話は少し変わりますが、私を含めたすべてのこの世界に生きる人は心の中で、
「自分の身に悪いことは降りかかって欲しくない」と思っているかと思います。
その結果、その意に反する悪は「排除しなければ!」という思考に至ります。

もちろん、この考え方自体、私自身とても納得できます。

ですが、こと人間において「悪」というものは欠かせないパーツのひとつです。

私たちは、幼少から様々な体験を経て、大人へと成長していきます。
その体験の中には、「善いこと」もあれば、一方で「悪いこと」もあります。
そして、私たちはそれらの善と悪の両者が相対的に自分の中に存在することで、
善悪を区別できるひとりの人間として成長することができます。

つまり、「悪」を排除され続けた子どもは、「善」を正しく認識できません。

では、どうすればいいのか?

それは、大人である私たちが「悪」を正しく理解し、教えることだと思います。

本書『悪さをしない子は悪人になります』の、
「Ⅰ 悪理学」の「『悪』の原理」の内容では、その「悪」を理解するために、
筆者の廣井先生の様々な知見が詰め込まれています。

ぜひ、一緒に「子どもの悪は徹底的に排除すればいい」という、
大人げない短絡的な考え方から、
「どのように子どもの悪と付き合っていけば良いのか?」という、
大人びた理想的な考え方へとシフトしていきましょう。

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