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『ザ・メニュー』の考察

先日見てきた『ザ・メニュー』、本当のお客さんは「この映画の鑑賞者」だった説について述べていきます。

ここからはネタバレになりますのでまだ見ていない方はお気をつけください!



理由1


丁寧な全料理のインサートと、材料の説明、最後の一品に関しては材料に「客」が入ってたから、招待されたお客さんたちはみんな「ゲスト」じゃなくてあのコースを完成させるための「食材」だったことになる。
そうなった場合そのコースを一通り頭から最後まで外側から見て楽しんだのは「この映画を見てた鑑賞者」になる。(アニャちゃんもシェフの仕込み)

理由2


途中アニャちゃんが樽を取りに行かされた時に発見した不自然にセットされた包丁

メインの案内人さん(アジア人女性)がシェフの部屋の鍵を持った状態でアニャちゃんのとこに来て乱闘

結果包丁を使ってアニャちゃん勝利&鍵ゲット

シェフの過去を知って、船に連絡

保安官ぽい人きたけど結局シェフ側の人だった


この流れを見ると、そもそもアニャちゃんがシェフの部屋に行って無線で連絡すること自体元から予定されていたと推測できる。

そうなった場合、アニャちゃんが途中タイマーセットされてシェフ側で行くか仲間側で行くか選べって言われてたくだりも全部仕込まれてたことになって、アニャちゃんの動きは全部シェフの仕込み通りだった可能性が出てくる。

そしてもしアニャちゃんが純粋にあのレストランに紛れ込んだお客さんだったとしたら最後はもっと死ぬ気で遠くまで逃げるだろうし、途中で止まって爆発する前のレストランを眺めながらチーズバーガーをゆっくり食べるより、レストランが爆発してから振り返って眺めるシナリオの方が自然だと思う。

だからアニャちゃんの役割は「何とか逃げ出せた主人公」ってよりも、観客という真のゲストにこのコース料理は外側から見てやっと成り立つ作品なんだと気づかせるためのヒント的な役割だったのでは。

他に考察したこと


シェフが初めてクックとして作っていたのはチーズバーガー。
そして死ぬ前に最後に作ったのもチーズバーガー。

このドラマチックな流れを作るためにアニャちゃんはシェフの部屋に誘われたんじゃないかなと思った。


あとSNSとかではサイコパスのシェフが暴れる映画って言われてるけど、実際は資本主義社会が産んだゲスい成り上がりたちに対する鬱憤をもとに、自分のアートを自由に爆発させて、シェフが自分なりのやり方で清算&"この残念な世界からの立ち去り"をしたような映画だと思う。

あとシェフの中には「建前と地位ばかり立派に見せかけて中身はくずなやつは消えろ」正義感的な考えと、「人は地位に見合った苦労しなきゃ行けない」っていうエゴがあったと思う。

浮気してた老人や、不正送金してるVIP、金のことばかり考えて料理に口出しするスポンサー、
これらは全部シェフ的にはクズな人すぎて消したかった存在。

一方アニャちゃんのパートナーの男(料理の知識だけ立派で技術面は努力もしてないから皆無)と、ブラウン大出たけど親に金を払ってもらった女性、
これらはシェフの「地位に見合った"苦労"をすべきだ」っていうエゴによる犠牲者だと思う。




そんなこんなでいろいろ書きましたが、最近見た映画の中で一番面白かったです!

ここまで見てくださりありがとうごさいました。

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