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『Deep Skill』に学ぶ ”人と組織” を巧みに動かす21の技術

【ご報告】
このnoteや図解がきっかけで、著者の石川明さんをゲストにオープンサロンイベントを開催できることになりました!



「なんであの人は分かってくれないんだろう」
「なんで組織って、ムダなことばかりしているんだろう」

人や組織って、正論や知識だけではうまく動かない場面が多いですよね。

僕もかつてよく悩み、いまも試行錯誤をし続けています。


そこで読んだのが、2022年10月に発売された石川明さんの新刊『Deep Skill

…これだ!と思い一心不乱に読み込み、気づきや要点をTwitterやFacebook、コミュニティで発信しました。

その結果をまとめたのが本noteです。

読み込みすぎて、ボロボロになった表紙




『Deep Skill』とはどんな本?何が凄いの?

【どんな本?】

ダイヤモンド社から2022年10月に発行された、300ページ弱のビジネス書です。

著者の石川明さんはリクルートやAll Aboutを経て、独立後も一貫して企業の新規事業開発に伴走されてきた方。

章立ては以下の通り。

第1章「したたか」に働く
第2章「人間関係」を武器とする
第3章「権力」と「組織」を動かす
第4章「人間力」を磨く

おススメは、移動しながら耳で聞けるAudible版

Kindle

単行本


【何が凄いの?】

本書の何が凄いか?それは暗黙知だったことを形式知化したこと。

石川さんは新規事業担当者4000人超に伴走してきた経験をもとに、これまで一部の人の"暗黙知"とされてきた「人と組織の動かし方」を"人間心理"と"組織力学"の観点から深く洞察。

本書では、その洞察を基に、形式知として実行のための21のヒューマン・スキル(=ディープ・スキル)に言語化しています。


新規事業担当者はもちろんのこと、企画、営業、コーポレートなどの職種、あるいはマネジメント層、準マネジメント層など、組織に関わり仕事をする方にとって、大いに気づきがある内容となっています。

具体事例などの詳細エピソードにこそ価値がありますので、本noteでご興味を持っていただいた方は、ぜひ書籍を手に取ってお読みください!!


【新規事業担当者の方向け】
石川さんの前著『はじめての社内起業』『新規事業ワークブック』は、新規事業開発の実践ノウハウ書。国算理社フレームワークなど、わかりやすく再現性の高い考え方がまとまっています。

企業内外の新規事業開発や産学地域の共創によるオープンイノベーションに携わるひとりとして、僕も大いに知恵と勇気を頂きました。

『はじめての社内起業』(Kindle)

『新規事業ワークブック』(Kindle)


ここからは『Deep Skill』各章のエッセンスを抽出していきます!



第1章「したたか」に働く

キーワード
01「信頼資産」
02「裏切り」
03「意思決定」
04「覚悟」
05「達観」

第1章では、目的達成のために知るべき"人間心理"が提示されます。なぜなら仕事を進めていると、信頼がものをいう意思決定や、身も蓋もない裏切りなどの現実を目の当たりにするから。

そうした現実を前提に覚悟を決め達観すれば、仕事の筋書き作りもRPG攻略も楽しめるようになります。


【01 信頼資産】

人と組織を動かすためには、「この人に任せたい」「力を貸したい」と周囲の人から信頼される人間であることが前提。
そのためには誠実に仕事し、“信頼資産”をコツコツ貯めること。単なる“いい人”ではなく、したたかさ≒“目的合理性”を加えよう。


【02 裏切り】

組織の中で何かを成し遂げるには「後ろ盾」となってくれる上役が重要。上司が「はしご」を外す背景には「勝ち馬に乗りたい」人間心理がある。道徳観に期待せず、身も蓋もない現実を認めたうえで、人を立てる“脚本”を自ら描こう。


【03 意思決定】

そもそも上司は意思決定したくない。正論で責めず、"現実"を認め動こう。
❶上司の「」を見極め、軽減する材料を揃える
❷いま意思決定しないことのリスクを伝える
共感できる将来像を示し、背中を強く押す


【04 覚悟】

本当に仕事ができる人は、不要な波風が立たぬよう予め関係者と丁寧な合意形成を図る。
勝負所ではあえて相手の感情を刺激し、“波風”を立てる覚悟を持とう。


【05 達観】

仕事はRPG」だと思えば、困難もラスボス攻略も面白い。いざとなれば辞めるカードだってある。
達観することで、組織で働くメリットを最大限得られる。
ピンチを深刻に思い詰めすぎず、状況を冷静に見つめ直そう。



第2章「人間関係」を武器とする

キーワード
06「抜擢」
07「専門性」
08「思考法」
09「話し方」
10「協力関係」
11「他者貢献」
12「求心力」

第2章では、円滑な人間関係を築き、それを武器に組織を動かしていくためのポイントが提示されています。量が質になり結果になる。専門性だけでなく感情を大切にし、相手の話をじっくり聴く。機嫌よく他者に貢献していくことなど、ハッとさせられる内容が満載。


【06 抜擢】

自分の存在を認めてもらうには「実績」が必要。圧倒的な“”が“”になり“結果”へと繋がる。さらには唯一無二の「経験知」が手に入る。
組織にとって重要なのにまだ誰もいない領域”へのポジショニングを意識。いち早く飛び込んで、トップランナーを目指そう。


【07 専門性】

ビジネスとは世の中の“”の解消。誰がどんな場面でどんな不を感じているかの“リアル”に想いを馳せる。
専門性の罠」に陥らないためには、普通の生活で起こる感情を味わい、多様な人と接する。片手に専門性、片手に感情を兼ね備えよう。


【08 思考法】

自分ひとりで黙々と考えるには限界がある。そんなときに「壁打ち」。相手から継続的に貴重な情報がもらえて、根回しと同じ効果。
人は頼られると嬉しいし、一緒に考えたことには当事者意識をもつ。プライドを捨てて、人に頼ろう


【09 話し方】

仕事ができる人は、必ずしも話が上手い人ではない。
人間は相手の話をずっと聞くことに苦痛を感じる。なので、誰かが聞いてくれると「感謝」の気持ちが出てくる。すると関係性が生まれる。
相手の話を引き出し、観察し、思いやる」ことを徹底しよう。


【10 協力関係】

人間関係ができてくると、相手は本音を徐々に打ち明けてくれる。
そこで“”を把握し、解消する手助けをする。ただし売り込みはせず、見返りも求めない。他者貢献を積み重ねる姿は周りの人が見ている。
やがて組織内に協力的なネットワークが築ける。焦らず貢献しよう。


【11 他者貢献】

アドバイス好きな人が疎まれるのは「親切の押し売り」になるから。
多くの人は、自力で解決策を見つけ困難を解消したいと考える。
そこで前述の壁打ち相手になる。5W2H論理的に聞き「事実+仮定=意見」の3要素を整理。あくまで相手のサポートに徹しよう。


【12 求心力】

自然と人が寄ってくる「求心力」は、実績・実力、傾聴力、優しさ、胆力、強さ…などから醸成される。前提に「機嫌のよさ」が重要。
機嫌よくいるコツは❶自分を知る❷できるだけ“現場の仕事”を手放す❸トラブルに腹を括る。まず自分の機嫌を整えよう。




第3章「権力」と「組織」を動かす

キーワード
13「企画力」
14「言語化力」
15「権力」
16「合理性」
17「効率性」
18「対立」

第3章では、権力組織は忌避すべきもの…ではなく、大きな目的や為すべきことのために志を合わせ進む船だと語られます。個人的には、ここが本書のハイライト。第4章にも繋がる、自身の「あり方」も問いかけられます。


【13 企画力】

企画とは“企て”を“画く”こと。優れた企画者はアイデア発想だけでなく実現・成功させる。
組織には“”があり、風上では「権力」たる経営層が風向きを決めている。所信表明・IR・経営会議などの公式情報や、社内キーパーソンの非公式情報から風を読もう。


【14 言語化力】

組織の上役は指示が曖昧なことも多い。言語化をサポートすることで企画の「フェアウェイ」と「OBゾーン」が明確になる。
横軸に市場、縦軸に製品・サービス×既存/新規の4象限マトリクスを描き対話すると、相互の理解が深まる。言語化力を磨こう。


【15 権力】

優れたアイデア・精神・行動力だけではイノベーションは起きない。「権力」を動かす必要がある。最高権力者≒社長の周りは“真空状態“のことが多く、飛び込むと喜ばれることも。
権力の庇護下にいるときほど周囲の気持ちを察し、丁寧に合意形成を図ろう。


【16 合理性】

合理性はビジネスでは重要だが「」に陥る危険も。合理性とは「最も効率的に目的を達成すること」であり、その目的を決めるのは「意志」。
対立や問題が起きたとき、原点である意志≒理念・ビジョンに立ち戻り、問題解決の糸口を見つけよう。


【17 効率性】

効率性もビジネスで重要な視点。一方で、仕事の本来の「目的」を達成し、他社に勝る事業をつくるためには、肝となる部分で「他よりも多く汗をかく」ポイントが必要。
闇雲にムリムダムラを省くあまり、汗をかくべきポイントを失わないように気をつけよう。


【18 対立】

部署間の「対立」は不可避的に起きる。各主張はその立場においては正義。「調整」の本来の意味は“ある基準に合わせて正しく整える”こと。
対立が生じた際は、譲歩ではなく「基準=共通の利害」に目を向ける。互いの果たすべき役割・原点を確認しよう。



第4章 「人間力」を磨く

キーワード
19「嫌悪感」
20「失敗」
21「使命感」

結局のところ、人と組織を動かすのは「人間力」ということが最終第4章で語られます。
人の喜怒哀楽に想いを馳せ、失敗を乗り越え、自分と向き合いなすべき使命に昇華させること…「何かを成し遂げる人」は、どんな特性を持っているのか?ずっと不思議に思ってましたが、本書を読んで腹落ちできました。


【19 嫌悪感】

優秀な新規事業プロジェクトリーダーは「好き嫌い」の感情は横において、目的達成のため合理性のある言動に徹することができる。
嫌悪感に駆られたときは、相手や自身の「哀しさ」や「弱さ」に思い至れば、許容することもできる。人の哀しさに想いを馳せよう。


【20 失敗】

新規事業の大半は「失敗」に終わる。あらかじめ厳格な「撤退基準」を明示することで、起案が承認されやすくなり、成功確率も高まる。
泥にまみれて「やり切る」と、たとえ失敗に終わっても、その人は以前よりも強く、信じられる人になる。最後までやり切ろう。


【21 使命感】

幾多の過酷な場面で、最後まで戦い抜くのは確固たる「使命感」を持つ人たち。何かに踏み出す第一歩は「喜」「楽」でも、持続する活力は「怒り」「哀しみ」が背景のことが多い。
困難な仕事を成し遂げるためには、強い気持ちを「使命感」へと昇華させよう。



まとめ:『Deep Skill』図解

「組織の壁」に悩む方へ。『Deep Skill』図解しました。人と組織を巧みに動かす21の技術。誰も教えてくれなかった"人間心理"と"組織力学"が満載。あなたの仕事が変わります。

この図解をTwitterで投稿したところ、多くの方からいいね、リプ(コメント)、リツイート(シェア)頂きました!感謝です。



ここまでお読み頂き、ありがとうございました!

最後に、この場をお借りして、本記事執筆にあたりTwitter・Facebook・コミュニティなどでフィードバックをくださった方、そして本書を通して貴重な気づきを沢山くださった石川明さんに御礼申し上げます。


新規事業を通した社会課題の解決や夢の実現に興味のある方、資格の活かし先を考えている方、次世代のために何かしたい方へ。

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