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カジュアル面談について改めて考えてみた

最近なにかと、急拡大期であること、新入社員の入社が毎月5~10人のペースで続いていること、そこから生じている組織の変化と日々向き合っていることについてお話をさせていただく機会が多いのですが、その裏側では採用チームが日々、それに比例する量のソーシングや面接プロセスのマネジメントに相対しているということは言うまでもありません。

そんな中で以前、今回と似たようなタイトルで、人事として面接にどのようなスタンスで臨んでいるのか、ということをnoteにも書かせて頂きました。

しかし、今回は、面接ではなく、最近よく耳にするようになった「カジュアル面談」というものについて書いてみようと思います。(WealthParkでも、頻繁に行っており、実際にカジュアル面談スタートで決定に至るケースが圧倒的に多いという傾向もあります)

その前に、なぜこのタイトルでnoteを書こうと思ったのか。その背景から共有しますと

・「人」によりこの言葉の持つ意味、解釈、期待が異なる、ということ(ここで言う「人」とは「キャンディデイト」「人事」「現場面接官」「エージェント」)

・結果として至る所で「GAP」が発生し、ただモヤっとだけして何となくプロセスが終わる(ことが多い)

ということにあります。「GAP」については、後ほど詳しく記載していこうと思いますが、端的に言えば、「選考(または、ジャッジ)」という部分がKeyになってくると考えていますので、順に紐解いていってみようと思います。

面接とカジュアル面談の違いについて

これは、簡単に言ってしまえばProactiveかReactiveか、ということだと思います。

つまり、面接の場合はキャンディデイトが「この会社を受けてみよう」と思い、企業に応募をして直接の接点をもつことがスタートなのに対して、カジュアル面談の場合は企業人事やエージェントが「あなたに興味があるので会って話したい」という主旨のメッセージを送り、それがきっかけとなり直接の接点をもつことがスタートとなります。

言い換えれば、

・面接の場合はキャンディデイトが先に企業への興味を持つ

・カジュアル面談の場合は企業が先にキャンディデイトへの興味を持つ

というようにも解釈ができるのだと思います(やや極論ですが)。

面接というと、あくまで一般的なイメージとして「企業側が判断する」という暗黙知があるのではないでしょうか。あえて主従という言葉を使うのならば、企業側に主があり、経歴や人となりを見定める、という意味合いが強いように感じています。なぜそれが当たり前のようにできるのかというと「興味を持って応募してきたのはあなたであり、あなたがわが社を受けたい、と言っているのだからそれにマッチしているのかどうかを私たちは判断させていただきます」というようにあくまでも先に興味をもって応募してきたのはあなたですよね、ということが言えるからなのだと思います。(だから「圧迫面接」みたいなものも生まれてしまうのでしょう。そもそも人を欲しがっているのは企業のはずなのにおかしい話ですけどね)。

しかし、よく考えてみてください。別にキャンディデイトだって選考を辞退していいですし、同じように企業のことを判断していい立場にいます。(そもそも、前に書いたnoteでも言いましたが、「面接を受ける側もする側も立場は同じ、対等である」と僕は考えています)。また、良識のある企業や人事であれば、キャンディデイトに選考を辞退されたとしても「なんだよ、そっちから応募しておいて辞退なんかして、ふざけんなよ!」とは絶対にならないですよね。

では、カジュアル面談に置き換えてみるとどうでしょうか。

先に興味を持ち話をしたいと言ったのは企業側なので、先ほどのセオリーに則って考えると「キャンディデイトが判断する」という暗黙知があるということに関しては違和感ってそんなにないですよね。しかし、逆に企業から「話はしてみたもののなんかイメージとは違ったのでここでプロセスは終わりにしたい」と言われたらどうでしょうか。「聞いていた話と違う、そもそも選考要素があるとは知らなかった」「あくまでも会社のことを理解してもらうために直接話がしたい、と言われたから話を聞いただけなのにいきなり失礼だ」となってもおかしくはないように思うのですがいかがでしょうか。

GAPについて

この違いこそ、カジュアル面談における期待の差、つまり冒頭でも述べた「GAP」であると考えています。つまり、

・人事や現場面接官は、カジュアル面談であっても、必ずしも選考をしてはいけない、という理解ではいない。

・一方で、キャンディデイトは、面接のような選考はない、という理解でいる。

ということです。なんだか、改めて言葉にしてみると、なんでこんな簡単なことですれ違いが起きているんだって感じですよね。なので、すれ違いが起きないために注意すべきこともとても簡単です。

・企業やその人事は、カジュアル面談の目的とゴールを事前に定義する

一方的な企業からのインプットが目的で、その後の面接プロセスへ進むかどうかをキャンディデイトに判断してもらうことがゴールなのか(企業側の選考なし)。はたまた、双方にとっての理解が目的で、その後のプロセスへ進むかどうかは双方で判断することがゴールなのか(企業側の選考あり)。後者のパターンと面接って何の違いがあるのかというと「具体的な志望動機などはヒアリングしない(志望動機を持ってもらうことが目的)」「アジェンダの順番が異なる(カジュアル面談は企業からのインプットが先)」という点くらいかと思います。

まず、そもそもここを定義しきれていないケースは比較的多いように感じます。(自戒)

・定義したらそれを共有する

ソーシングチャネルがエージェントであるならば、エージェントの営業担当に。ダイレクトであれば、スカウトを送ったキャンディデイトに直接。そして、最後に忘れてはいけない社内の面談担当者に、申し送り事項として人事が趣旨を共有をする必要があります。

意外にこれも人事担当者のみの理解で、関係者に共有ができていないケースが多いように感じます。(自戒)

正直細かいことをいえばキリがないかもしれませんが、これだけ意識するだけでも冒頭に挙げたようなGAPやすれ違いはだいぶ解消されると思います。

また、これはどちらかというとキャンディデイトに向けたメッセージにはなりますが、企業が面接する人のレジュメを読み込むのと同じで、カジュアル面談する人も企業情報を読み込むのはある程度、必要なことのように思います(仮に、明確に選考要素のないカジュアル面談だったとしても)。

例えば、面接に行った時に、面接官から「えー、ではまずあなたの名前を教えてください。次に年齢と、最終学歴、これまでの在籍企業と期間、持っている資格などもあれば教えてください」と言われたらどうでしょうか。

「いや、レジュメ読んでねぇんかい!!」

ってなりますよね。

仮に企業からの超熱烈なスカウトメールをもらったから、エージェントにゴリ押しされたから、だとしても「話を聞いてみよう」と決めるのは、最後は自分自身の意志であるはずですし、やはりそうである以上はある程度は企業の情報は自分なりにインプットはしたうえで臨んだ方が良いように思います。

さいごに

今後もより盛り上がりを見せていくであろう転職市場だからこそ、こうしたカジュアル面談を打診されたり、打診する機会は増えていくものと思います。

一方で、カジュアル面談という言葉だけが先行して、双方が期待するゴールにたどり着けないケースもよく耳にするので、少しでもこのnoteがお役に立てばと思います。

また、ビジネスでも何かとコラボをさせて頂いているもなきさんが運営しているYouTube内でも、キャンディデイト側の視点に立って、かなり詳しく説明していただけているので、是非ご覧いただけると良いと思います。めちゃくちゃ的確に、分かりやすく解説してくれています。

カジュアル面談をうまく活用することで、面接だけでは実現できなかったような様々なご縁を作れることも確かなので、ちゃんとした自社のポリシーを持って運用をしていくことが大切なのだと、改めて思います。

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