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管理職に昇進!・・・で、何するの?? 〜その5:2つの目標設定を使い分ける!〜

【この記事は以下の読者様を想定して書いています】
・新しく管理職になられた方
・新しい部署に異動した管理職

【この記事を読むことで得られること】
全6回シリーズ。新しい部署、新しい部下に対して管理職としてまず何をすべきかが、まるっとわかります!

【登場人物】
▼ホッソン(細野 和彦):
研修作家、人事コンサルタント。㈱ハブプロダクト代表取締役。年間250日以上の研修プログラムを設計から実施まで行う。 自ら講師としても登壇する一方、近年はHOMEROOM、ROGCHECK、RE:CAREERなどの育成プロダクトを世に送り出す開発者でもある。㈱ログシー 育成支援事業部 統括。

▼オガリン(仮名):
航空業界で総合職として勤務。航空機の運航を陰から支えている。後輩たちのキャリアに迷う姿を見て、一念発起してキャリコンの資格を取得し管理職に。新しい部署になり改めてマネジメントに悩む日々。



◆”余白”のある指示に挑戦しました!

ホッソン:そろそろ、新しい部署で2カ月ぐらいになりますねー。前回お話した”余白”のある指示に挑戦していますか?

オガリン:実は…早速、始めています!!

ホッソン:おおー!早速に!いいですね、具体的にどんな場面で“余白”をつくりましたか?

オガリン:実は会社でMBO(目標設定)があり、普通なら部下に目標とプロセスを考えてもらいそれを面談時に話し合うのですが、今回はMBOの面談の前に面談を行い、部下の口から何が必要なのかという事を引き出せる事ができたと思います。以前の私ならHOWの部分まで伝えてしまっていたのですが、今回は部下自身でどういうことができるのかという…HOWの部分を考えてもらいました。MBOの文章もその辺を意識した文章で書いてきてくれたと思います!(´▽`)

ホッソン:まさに、“余白”を残してHOWの部分を考えさせて主体性を促す…いいですね。目標設定自体も考えてもらえたという事ですよね?

オガリン:そうですね。多分以前の自分だったら、すべて押し付けていましたね。もちろん部下のベクトルを揃えたいのと、部全体の目標もあるのでそこは押えて、あとは部下自身の担当の業務でやらなくてはいけないイベントはあるのでそこは踏まえた上で、となるのですが。

ホッソン:ほう、ほう…(( ˘ω ˘ *))

オガリン:具体的な話で言うと今、3人で業務を行っているのですが、以前お伝えした通り全員が新しいメンバーで3人ともその業務においては右も左もわからない素人が集まってしまっているんです。( ;∀;)
手探り状態でそれぞれの担当業務をやってもらっているのですが、部下が自分にもわからない事を色々相談してくるのですよ。相談してくれるのはいいのですが、実はこっちもわからない事だらけで…。ただ、管理職は判断するのが大事だと思っています。情報もらって、さぁどうする?と判断することが管理職の仕事なので、まずはその情報をどういうふうに収拾してもらえればいいのかを考えてもらうようにしました。

ホッソン:「どこの誰に聞けばわかるかをまずは考えて欲しい」と交通整理をしたという事ですかね?

オガリン:その部分もそうですし、まずは我々にも限界があるということを事実として理解してもらいました。その上でどういう人たちや、どういうリソースを使えそうか…ということを自分で考えて欲しい、と指示したのと、あとは…。

ホッソン:あとは?

オガリン:それを聞くタイミングや方法ですね!メールで聞くのがいいのか、リアルに会って話すのがいいのか。
実は、私は人脈づくりが部下のテーマだと考えているんですね。
そこに向けて、今抱えている課題はどこにあるのか?それをどういうふうに乗り越えていけるのか?をひとつずつ整理していくと、課題は“コミュニケーションラインの構築”と部下の口から言ってくれたのです!
ちょっと、押し付けている部分も正直ありましたが、部下の中でそれに気づいてもらって、それを目標にしてもらったところが大きかったかなと思っていて。とても嬉しい気持ちです。\(^o^)/

ホッソン:なるほど!かなりいい感じですねー(´∀`)b ”余白”をつくる指示で部下が育つ瞬間を感じられたって事ですね。勇気ある第一歩を踏み出せたと思いますよ。

オガリン:ありがとうございます!

◆2つの目標設定「機能面」「動機付け面」とは?

ホッソン:今、目標設定の話が出たのですが、この図を見てもらっていいですか?

ホッソン:目標設定というのは、この図にあるように「機能面」と「動機づけ面」というのをバランスよく合わせて設定することが大切です。「機能面」というのは部や課の到達するべき目標で、これは会社を存続させ給与を発生させるために重要な目標です。もうひとつ「動機づけ面」というのは数値化ができない、本人のモチベーションを保つための大切な、自発的に必要性を見出した目標になります!
オガリンが部下から引き出したのはまさにこの「動機づけ面」の部分ですね!あとは「機能面」の部分もいかにうまく目標として引き出せるか…これができればさらにステップアップできますよ。

オガリン:なるほど…。目標設定をしてもらう時に、管理職としてどんなところに気を付けた方がいいですか?

◆目標設定してもらう時に気を付けるポイント5か条

ホッソン:そうですね。この図を見てもらっていいですか?

ホッソン:上記がポイントとなりますね。ひとつひとつ簡単に説明しますね。

オガリン:お願いします!!

ホッソン:①上司と部下で適切なレベル感の目標を設定する
ここで大切なのは「目標は具体的な言葉で表現する」という事です。NGワードとして部下が目標に、“努める”、“調整する”…などのような言葉が入っていたら、要注意ですね。
あとは、標語やスローガンのようなものも目標設定の場合はNGです。

②部下の仕事に対する意欲と満足度が向上する
目標というのは、上司と部下の合意があって達成するものです。目標へのブレークダウンをするべく十分なコミュニケーションを取りましょう。

③一人ひとりが創意工夫する習慣が身につく
これこそ”余白”ですね。目標と聞くとどうしても定量的な目標ばかりに目が向きがちですが、目標達成のプロセスにおいては創意工夫が大切です。この創意工夫、つまりHOWに関してはすべてを伝えず日々のコミュニケーションの中で確認する程度で十分です。

④面談を通じて、部署内のコミュニケーションを活性化する
あくまで面談においては、目標の進捗管理を中心に行ってください。個人の創意工夫は認めつつも、その活動が目標に向かっていないのであればそこは課題です。

⑤部下のことをよく知り、リスクの芽を把握する
部下に関心を持つことは、心理的に安全な組織を作るために重要なファクターであるのですが、実はこれは目標達成においても大切です。部下の日々の行動や変化に常に気を配っていきましょう。
でも、オガリンは問題なさそうですね。部下の事をよくわかっているからこそ、目標設定の面談前に面談を行っているぐらいなのですから。

オガリン:前に「1on1」を行い部下の心を緩ましてから…とアドバイスしていただいたので、”余白”のある指示を出す前に部下の話を傾聴できたと思います!

ホッソン:うん、いいですねー(^-^)状態把握はとても重要ですからね。2つの目標設定のポイントはどうです?何か気になるところはありましたか?

オガリン:そうですね、部下から目標を最初だしてもらった時は“努める”とかそういった言葉が書いてあったので、もっと具体的に、と書き直しを求めたのですが、それは良かったという事が分かりました(^-^;

ホッソン:そうですね。①の「目標は具体的な言葉で表現する」部分になりますね。きちんとその部分を指摘して指導して目標設定をしてもらったんですね。そこまで引き出せたのはかなりいいと思いますよ。あとは…先ほども言いましたが、「機能面」(組織運営に必要な目標)を部下自身から引き出せると、いいと思います。その上でその目標を立てた意味を十分に理解させて、”自分で考えさせる事”ここが重要ですね!

オガリン:わかりました。やってみます。あとは実は…部下には、メンタル的に少し問題を抱えており…。

ホッソン:というと?

オガリン:…少し話が長くなりそうですがよろしいですか?

ホッソン:そうしたら、次回にしましょう!メンタルヘルスは本人が日々取り入れる「セルフケア」と、管理者が仕組みとして持つ「ラインケア」の2つを軸に詳しくお話しますね。

オガリン:ありがとうございます_(._.)_ ぜひ、よろしくお願いいたします。

(次回は、いよいよ最終回!)

▼管理職に昇進!・・・で、何するの??シリーズ▼
その1 自分がどんなリーダーなのかメンバーに伝えよう! 
その2 4つのビジネスコミュニケーションを意識しよう!
その3 相手のシチュエーションに合わせてリーダーシップを変化させる!
その4 メンバーの主体性を育む、指示の余白とは?
その5 2つの目標設定を使い分ける!←イマココ
その6 上司時々メンターで部下のラインケアをしよう!

◆やっぱり発信が大事だよね!ということで、企業研修や人材育成などニッチで奥深い世界のTwitterで鋭意発信中。人材育成してみたい方も人材育成に悩んでいる方も、チラッとのぞいてみて下さい!気軽にフォローしてもらえると嬉しいです\(^o^)/




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