- 運営しているクリエイター
#小説
ザ・ゴールデン・エイジ
「今日のニュースはこちら!名実共にアメリカ一のヒーロー、ブライトシェルの独占インタビューです」
軽薄そうな、トパーズのスーツを纏ったアナウンサーに促され、目の痛くなるような過剰装飾のスタジオにブライトシェルは通された。騎士を連想させるフルヘルメットに、黒のディレクタースーツという間抜けな格好に、仮面の内で失笑しながら、スタジオを埋め尽くすファンらに手をあげて応える。割れんばかりの歓声に、拍手。4
パーティー・イズ・オーバー
クラブから響く8ビートが、鼓動とシンクロする。口の中はカラカラに乾いており、サングラスの奥の目玉は、不審者を見逃さないよう過剰にギョロついている。
マーカスは用心棒(バウンサー)だ。それを示すように、左手にくくりつけたホログラフィー・リストには、『security』の文字が浮かび上がり、我此処に在りと言わんばかりに点滅している。
学もない、伝(つて)もない自分が成り上がるには、ナイトク
ブレイブ・ニューワールド・オーダー
フレデリック・バーンズは悩んでいた。今日は『男』にするべきか『女』にするべきか。
悩んだ末に、いつもどおり『男』を選択した。『男』ならば、パーツはいつものものを選択する。
ロマンスグレーの髪を後ろに撫で付け、角張った輪郭に高い鼻、青い瞳。アングロ・サクソンの典型的な『男』のアバターを作り上げる。
性別も年齢も、自在に選べるような時代にあっても、フレデリック・バーンズはこのスタイル