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6月11日に第109回ILO総会で田村厚生労働大臣が政府代表演説(ビデオメッセージ)

田村大臣が第109回ILO総会で政府代表演説を行いました
 現在開催中の第109回国際労働機関(ILO)総会において、ガイ・ライダーILO事務局長が報告した「新型コロナウイルスの時代の仕事(Work in the time of COVID)」の内容を受け、6月11日に田村厚生労働大臣が政府代表演説(ビデオメッセージ)を行いました。

 今回の政府代表演説において、田村大臣は下記事項等について発言を行いました。
・新型コロナウイルス感染拡大に対応するため、日本政府は国民の「命」と「暮らし」を守るとの強い思いの下、雇用維持等の様々な対策を講じていること
・今後は、ポストコロナ社会を見据え、デジタル技術の進展や産業構造の変化を踏まえた成長産業への労働移動や多様で柔軟な働き方の促進など、「新たな日常」での社会経済活動に合った雇用の実現を目指していくことが重要であること
・今般のコロナ危機を受け、日本政府は、ILOが2021年に実施する開発協力に関する事業に対する拠出を前年比で倍増させており、世界の国々とともに、「より良い再建(build back better)」の実現を望むこと

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(参考)

 第109回ILO総会政府代表演説

 議長、ありがとうございます。私は、厚生労働大臣の田村憲久です。日本政府を代表して発言いたします。

 まず、このような、新型コロナウイルス感染拡大による困難な状況の下、今年は、ILO総会の開催に至ることができ、各国の政労使の皆様と再び議論を行うことができることを嬉しく思います。また、この場をお借りして、ガイ・ライダー事務局長をはじめとしたILOの新型コロナウイルス感染拡大対応へのご尽力に心から感謝の意を表します。特に、ILOモニターやILO産業別概況は、世界がこの未曾有の危機に立ち向かう上で非常に有益な情報であると考えています。今回の事務局長報告は、「コロナ時代の仕事」がテーマになっていますが、新型コロナウイルスが社会経済活動に様々な影響を及ぼす中、各国においては、この危機を乗り越えるため、様々な政策を講じているものと思います。

 日本政府は、国民の「命」と「暮らし」を守るとの強い思いの下、経験から多くを学び、最善と考えられる対策を講じてまいりました。まずは、国民の雇用を守ることを最優先し、事業主の休業手当の費用負担に対する助成額の上限の引き上げや、雇用過剰の企業の従業員が人手不足の企業で一時的に働くことができるよう双方の企業に助成を行うなど、様々な対策を講じてきたことを受け、日本の失業率は3%程度の水準を維持しています。また、女性や非正規雇用労働者の方々の雇用には、特に深刻な影響が出ていることから、新たな仕事に移るためのスキルを身につけるチャンスの拡大や生活資金に困っている方に対する緊急貸付の対象の拡大などを行っております。

 今後は、目の前の課題に対処するだけでなく、ポストコロナ社会を見据え、デジタル技術の進展や産業構造の変化を踏まえた成長産業への労働移動や多様で柔軟な働き方の促進など、「新たな日常」での社会経済活動に合った雇用の実現を目指していくことが重要です。そのため、労働者が主体的にその職業能力を高めていくことができる環境を整備するとともに、新たな形態で働く者を対象とした労災保険の任意加入制度の検討を進めています。また、良質なテレワークの導入及び実施を推進するため、ガイドラインを改定し、あらかじめ労使で十分に話し合い、ルールを定めることの重要性を明記しました。社会的に脆弱な立場にある人を誰一人として取り残さずに、人間を中心とした「より良い再建(build back better)」を実現するため、日本政府は、社会パートナーとの対話を大切にしながら、今後もあらゆる取組を行ってまいります。

 最後に、我が国は、ILOの創設に関わった原加盟国として、これまで40年以上にわたり、ILO /日本マルチバイプログラム等を通じて、世界の国々の実態やニーズに合わせ、労働安全衛生水準の向上や社会保険制度整備などの様々な開発協力を行っています。今般のコロナ危機を受け、日本政府としては、人間中心の再建の実現に貢献するため、ILOが2021年に実施する事業に対する拠出を前年比で倍増させました。世界の国々とともに、今般の危機を乗り越え、「より良い再建(build back better)」を実現したいと思っています。来年の総会では、新型コロナウイルス感染拡大が収束し、皆様に直接お会いして更に議論を深めることを強く望みます。

 議長、ありがとうございました。


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