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ものづくり白書が閣議決定(5月28日)

 令和3年5月28日に「令和2年度ものづくり基盤技術の振興施策」(「ものづくり白書」)を閣議決定し、国会に報告しました。

 その概要はつぎのとおり厚生労働省のホームページに公表されています。

■「ものづくり白書」の構成
【第1部】ものづくり基盤技術の現状と課題
第1章 我が国ものづくり産業が直面する課題と展望(経済産業省)
第2章 ものづくり人材の確保と育成(厚生労働省)
 第1節 デジタル化等が進展する中でのものづくり人材の確保・育成について
 第2節 ものづくり産業における人材育成の取組について
第3章 ものづくりの基盤を支える教育・研究開発(文部科学省)
【第2部】令和2年度においてものづくり基盤技術の振興に関して講じた施策

■第1部第2章「ものづくり人材の確保と育成」のポイント

第1節 デジタル化等が進展する中でのものづくり人材の確保・育成について
 1 ものづくり産業における雇用・労働の現状
〇 国内の製造業就業者数については、2002年から2020年にかけて、約20年間で157万人減少し、全産業に占める製造業就業者の割合も減少傾向。また、若年就業者数も、2002年から2020年にかけて、約20年間で3割以上(125万人)減少した。

 2 新型コロナウイルス感染症によるものづくり産業と人材を取り巻く環境変化
〇  ものづくり企業が新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて実施した雇用調整施策をみると、企業規模にかかわらず、「一時休業」や「残業の抑制・停止」の順で多くなっており、「パートなど非正社員の雇止め」や「正社員の解雇や希望退職」などの解雇・雇止めによる雇用調整は、割合としては少ない。

 3 ものづくり産業におけるデジタル技術の活用状況と働き方の変化
〇 ものづくり企業におけるデジタル技術の活用状況は、「活用している」とした企業が半数以上の54.0%に上る。
〇 主力製品の製造に当たり重要となる作業の5年後の見通しについて、「今までどおり熟練技能が必要」と回答した企業割合が、多くの作業内容で50%を超えている。一方、「機械やデジタル技術に代替される」とした企業も一定数存在している。

 4 デジタル技術の活用がもたらす効果と企業における人材育成等の取組
〇 3年前と比較した労働生産性の変化については、デジタル技術活用企業の方が、「向上した」との割合が高く、加えて、デジタル技術を活用したことで、「そのままの人員配置で、業務効率や成果が上がった」、「全体的な労働時間が減少した」とあり、労働生産性の向上や業務効率化の実現につながっているという示唆が得られた。
〇 ものづくり人材の育成・能力開発のために実施している取組について問うと、デジタル技術活用企業の方が、労働者の主体的な学びを後押しする取組を積極的に行っていることがうかがえる。

 5 デジタル技術の進展に対応するものづくり企業の取組
〇 ものづくり現場で導入・活用されているデジタル技術や人材育成の取組等について、先進的な13社の事例を紹介。

 6 これからのものづくり産業におけるデジタル人材の確保と育成
〇 デジタル技術活用企業において、デジタル技術の導入・活用の先導的役割を果たしたのは、「経営トップ」が最多。デジタル技術の導入のノウハウに精通すべき社員層は、現場の業務を熟知した「デジタル技術を利用・活用した部門のリーダー社員」が最多。デジタル技術の活用を進めるに当たり重要な取組は、「社員のデジタル技術活用促進に向けた意識改革」が最多となった。
〇 デジタル技術の活用に関するものづくり人材の確保に向けた取組について確認すると、デジタル技術活用企業では、中途採用によるデジタル技術に精通した外部人材の確保も行いつつ、主には、自社の社員へのデジタル技術に関する研修や教育訓練に注力して、人材の確保・育成を図っていることが分かる。

 7 まとめ
〇 デジタル化等の急速かつ広範な変化に対応するためには、企業と労働者双方が共同し、労働者の主体的な学びを後押ししつつ、社内全体で教育訓練を推進していくことが重要との示唆を得た。

第2節 ものづくり産業における人材育成の取組について
第2節では、ものづくり人材の育成に関する厚生労働省の施策等を紹介。


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