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【まとめ】飲食店での新型コロナ感染防止対策について3つの施策

◉まずはじめに

5月に入り自粛のおかげか各地で感染者数も減ってきており、15日前後で緊急事態宣言解除になる自治体も出てきそうですね。また営業時間を短縮して再開してるお店も増えてきました。
経済正常化に向けて世の中が少し動き出し始めましたが、飲食店ではお客様も店舗スタッフさんも感染しないように感染防止対策をしっかりとやっていく必要があります。感染者数がまた増えれば逆戻りです。それを避ける意味での対策と、お客様が安心して来店できる、そしてスタッフさんも安心して働くことができる「安心・信頼」の意味での対策です。
そこでどういう対策・取り組みがあるのか色々と調べてみたのですが、記事がバラバラとしてたので、自分の経験も踏まえて記事にまとめてみました。

まず、新型コロナ感染防止対策を考える上で前提となるのが、厚生労働省が策定した「新しい生活様式」です。
そもそものところからですが、

◉厚生労働省が策定した「新しい生活様式」ってなに?

厚生労働省のホームページには以下のような記載があり、その実践例があります。

5月4日、新型コロナウイルス感染症専門家会議からの提言を踏まえ、新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」を具体的にイメージいただけるよう、今後、日常生活の中で取り入れていただきたい実践例をお示しいたします。

新型コロナ対策「新しい生活様式」について

参考リンク
新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」を公表しました

◉日常生活で行う感染防止対策について

上記が前提となり、飲食店ではどういう対策で必要なのか考えていきたいと思います。その前にもう一つ、日常生活で行う感染防止対策にも目を通して、日頃からどういう行動をすべきかをインプットしておくと現場での対策に抵抗もなくなります。(すでにマスク着用、手洗い、消毒等はやってると思いますが)
こちらの手引きでは診療にかかるまでのフローチャート、乳幼児の場合、日常の感染防止策などがまとめて記載してありますのでぜひ参考までにご確認ください。

参考リンク
新型コロナウイルス感染症 COVID-19 初期診療の手引き

◉飲食店で必要な3つの「新型コロナ感染防止対策」について

厚生労働省のガイドライン「新しい生活様式」について先程記載しましたが、実は他にも義務化される取り組みがあることをご存知でしょうか。
2020年6月に施行され、2021年6月までに完全義務化されるHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)通称ハサップです。
HACCPの詳細については以下の参考リンクをご確認ください。この取り組みは、飲食店では今ある設備の中で、衛生環境をどう構築するか、なにか起こったときにどういう対処方法が可能かを具体的にまとめておくことになります。

参考リンク
厚生労働省 HACCP(ハサップ)について
厚生労働省が作成した食品衛生法の改正についてのチラシ
わかりやすいHACCP導入について(マンガ)

上記の件や新型コロナウイルス対策を踏まえた衛生管理について見直すべき時期に来ています。
飲食店経営で大切な「QSC」と言われる3つの取り組みがありますが、その中の「C」(Cleanliness:クレンリネス)がこの衛生管理にあたります。クレンリネスとは「きれいな状態を保つ」という意味で継続的な取り組みが必要という意味です。
このwithコロナ、afterコロナの中で、今後お客様に選ばれるお店の1つになるためには、beforeコロナ以上に徹底した感染防止対策が必要になります。
その対策について以下3つのポイントになります。

① 遠征管理の徹底
② 衛生管理の徹底におけるスタッフ教育
③ 空調設備・ソーシャルディスタンスを踏まえた設備投資

①衛生管理の徹底
まず大切なのは、衛生管理の徹底です。
現状、新型コロナウイルスに対抗できる方法がなく完全に排除できないので、「うつらない」「うつさない」ようにする他ありません。そのために衛生管理の徹底が必要です。具体的には以下のような取り組みになります。

・スタッフの体調管理
・スタッフのこまめな手洗い・うがい、マスク着用
・お客様の入店時での検温、手指の消毒
・お客様に提供するお皿やカトラリーの洗浄・消毒
・テーブルやトイレ、ドアノブなどの消毒
・使用済み布巾の洗浄・消毒
・大皿提供から小皿提供、もしくはトングの提供
・トイレ等のハンドドライヤーの使用を中止しペーパータオルなどを用意
・会計時のカードや現金を乗せるトレー
・換気のための窓や扉の開放
・従業員の休憩室の定期的な消毒

これらの作業を徹底することは重労働ですが、非常に重要な感染防止対策です。
またこの取り組みを発信することも大切です!
これからはお客様がお店を選択する上で衛生管理の取り組みは「1つの指標」になりますので、店頭や店内だけでなく、ホームページ、利用しているSNSやグルメサイトで告知し、お客様に安心して来店いただけるようにしましょう。

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これから暑い夏を迎えますが、徹底した衛生管理は、食中毒防止につながるメリットもあるので、お店の財産を築くつもりで衛生管理の質を向上させていきましょう。

参考リンク
厚生労働省「新型コロナウイルス感染拡大防止にかかる注意事項について」
TOTO「お客様は、トイレのどんなところが気になっている?」
【 著作権フリー 】飲食店の方向けに休業に対応した「営業案内ポスター」をデータで無償配布します!

②衛生管理の徹底におけるスタッフ教育
3つの中でここが一番大切なポイントになります。
上記の「衛生管理の徹底をしよう!」と決定したとしても、それを日々実行していくのはお店のスタッフさんです。その行動に自覚を持ってもらうために、あらためて教育・研修を行っていく必要があります。また研修の簡略化や継続できる状態にするために、店内の取り組みをマニュアル化しチェックリストを作成し、日々の仕事としてルーティーン化できるよう取り組んでいきましょう。
スタッフ研修に時間と取り、衛生管理の徹底をおこなうことは、お客様の健康だけでなくスタッフの健康を守ることにも繋がります。もし健康被害が出ればお店の評判を落とし取り返しのつかない状態なる可能性もあります。そうならないためにもスタッフ一人一人が責任を持って行動できるよう衛生管理の大切さを勉強し理解することが必要です。
マニュアル化する方法やリストのテンプレートについては以下の記事を参考にしていただくとスムーズにできると思います。

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参考リンク
いまだから「業務のマニュアル化」を進めてみませんか #V字回復に備えよ
【フリーテンプレート】飲食店 衛生管理チェックリスト

③空調設備・隣席遮蔽板・高温食器洗浄器への投資
最後に必要なのは設備投資になります。
この状況下での設備投資にお金を使うことはかなり厳しいものがありますが、これはお店の財産、お客様やスタッフの安心感や信頼感を買うつもりで投資いただければと思います。
この設備投資については3点です。

・店内換気のための高度な空調設備
バーやライブハウスは地下階にあったり防音のために窓がないことも多いですが、この場合は高機能換気設備を設置することをオススメします。夏や冬になると窓や扉を開けておくことも困難になるので、締め切っても空気が停滞せず循環するような空調設備を整える必要があります。空気清浄機を置くという手段もありますが、新型コロナウイルスの感染防止対策になるかは疑問です。下記記事をご参照ください。
また環境庁では、高機能換気設備導入についての助成金を検討しています。これは導入費用の1/2~2/3を助成し、費用は1台当たり約50万円程度を見込んでいるようです。ぜひ助成金を利用してお客様やスタッフさんが快適に過ごせる店内作りをしましょう。

参考リンク
【新型コロナウイルス】予防を表示した商品に消費者庁が改善要請 健康食品や空気清浄機など効果は不明
飲食店に高機能換気設備 コロナ対策、温暖化も抑制―環境省

・隣席との遮蔽板
これからは3密にならないようソーシャルディスタンス(社会的距離)はとても大切になります。最低1m以上(2m以上推奨)の間隔が必要です。
ただ店舗の構造上で難しい場合、例えば焼肉屋さんなどロースターや排煙機器の関係でテーブルを動かせない店舗や小規模店舗の場合は、隣の席同士を仕切る遮蔽板(テーブル上にアクリル板などを設置)を立てることをオススメします。
また他にも、ついたてをテーブルとテーブルの間に置いたり、天井から布製の仕切りを垂らすなど、お店の雰囲気にあった仕切り方を考えてみてください。実際にすし店などで遮蔽板を置いたことでお客様に安心感を与えてるようです。また隣同士のテーブルを仕切ることで半個室感や隣の声が気にならないなどの効果も期待できます。
参考リンクにある導入事例を参考にご覧いただければと思います。

参考リンク
朝日新聞「すし店カウンター、仕切り板で安心? 飲食店向けに発売」
【アフターコロナ】これからの飲食店のあるべき姿、大切なのは「見える化」による安心・安全。5月20日発売のソーシャルウォールがそれを実現!

・高温食器洗浄機
お客様が使った食器類から間接的な感染があるかもしれません。それを防ぐために効果的なのが食器洗浄機です。業務用食器洗浄機は85度程度で洗浄できるものですが、これには感染を防ぐだけでなく、様々なメリットもあります。
洗う手間が簡略化できるのでスタッフの業務効率化が可能です。また洗う時間が短縮できるため余計な食器類を購入する必要がありません。それと一番大きいのは水道代金を減らせることです。通常、スタッフさんが食器を洗う場合1回20リットル〜30リットルの水の量が必要ですが、食器洗浄機だと1回2リットルなので1/10になります。毎日の事となると資源やコストの削減に大きな効果が期待できます。
場所の問題などもありますが、業務環境改善に役立つので導入メリットはとても大きいです。

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3つの感染防止対策を紹介させていただきましたが、お客様が安心して来ていただけるよう、そしてスタッフさんが気持ちよく働けるように、今できることから1つずつ取り組んでいただければと思います。
そして繰り返しになりますが、ぜひ取り組んでいることを積極的に店頭やSNSなどで発信してください。
国から正式なガイドラインがいずれ発表されると思います。その際にはガイドラインに従って取り組んでいきましょう。

参考リンク
【参考】米国テネシー州のレストラン向けガイドライン(翻訳)

緊急事態宣言が終わり、これからまた外食産業が活性化していくことを期待しております。
早くみんなで外食を楽しみたいです!

参考情報
厚生労働省「新型コロナウイルス感染症について」
一般社団法人フードサービス協会
PR TIMES グルメのプレスリリース一覧



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