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<読書>始まりの木

自身が医療関係の仕事をしているので、医療の現場が舞台となっている小説やTVドラマ、映画には興味があります。

松本市の病院が舞台となっていて、地方医療の現状が描かれている「神様のカルテ」も好きな本です。

「始まりの木」は「神様のカルテ」の著者・夏川草介さんの作品とのこと。期待して手に取りました。

・始まりの木 著者:夏川草介

この小説の主人公は、民俗学の研究者で大学の准教授の古屋神寺郎と大学院生の藤崎千佳。

古屋と千佳は、フィールドワークのために青森、京都、長野、高知へ旅をします。
旅先、そして東京で巨木に向き合います。
巨木はその土地の神として信仰されてきた歴史があるからです。

この小説は、医療関係の話ではありませんが、興味深く読みました。

民俗学には詳しくないのですが、自然を神として信仰する、日本古来の文化には興味があります。

金額で示すことができるもの、利益につながるものは評価されやすい傾向にあります。
利益に直結するとは思えない民俗学は、評価されにくい分野なのかもしれません。
しかし民俗学を研究する古屋の知識、人脈は豊富です。

 自然を敬い、神とすることは、目には見えないことを信じることです。
しかし、その目には見えない、数値化が困難なことを信じることで、人の心は癒され、安定するのでしょう。

この本を読んで、現代の生活の中で忘れられそうになっている、自然を敬い、自然とともに生きるという日本古来からの考え方に改めて触れました。

また、物語を追いながら、古屋、千佳と一緒に旅をしている気分になりました。
古屋の解説を聴きながら、各地の文化に思いを巡らせました。

現代は情報があふれていて、日本や世界の各地のことを知ることは容易です。
でも、その土地に行って、実際に見て、感じてみないと分からないことは多くあるはずです。

この本を読んで、行ってみたい場所が増えました。

 

🍀ちょっとネタバレ🍀
古屋が松本で救急搬送された病院は、神様のカルテの舞台「本庄病院」でしょうか?
進藤先生が古屋を診察しています。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

 医療従事者としてお勧めしたい本は、こちらです↓↓↓

 コロナ感染症の治療をしている現場の様子が描かれています。

 

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