見出し画像

NY留学90’Sストーリーその11

大学の寮での新しいルームメート、ロブとの暮らしが始まりました。彼はカールのかかった長髪でなかなかハンサムでした。少しシルベスター・スタローンに似た感じだけどあそこまで濃くない感じ。彼の情熱はテニスでした。ある日かれは僕達の部屋にガールフレンドを連れ込んで、イチャイチャしていました。僕は僕で洗濯をしようと準備していました。彼はたまに人を小ばかにしてからかう癖がありました。彼ば僕に言いました。「おい、カズ、オレの洗濯も一緒にしてくれよ!」これはなめられてるな、と思いました。でも限られたボキャブラリーでなかなか返せない。僕はこう言いました。WERE YOU BORN YESTERDAY? 「君は昨日生まれたのかい?」彼は一瞬考えました。「僕が昨日生まれたか、だって?」彼はとても頭の回転が速いので僕の言わんとする事をすぐ理解してゲラゲラ笑い始めました。ガールフレンドも笑いました。僕も笑いだしました。その時、ああ僕達うまくやっていけるかな、と思った瞬間でした。

彼は小さなギターを持っていました。僕は日本からギターを持ってきていなかった。彼のギターでビートルズを歌いました。彼は目を丸くして驚きました。「お前、この大学でスターになれるぞ!」

ある放課後、ロブが部屋に帰ってきて僕に言いました。「カズ、今度お前をバーに連れて行く。そこでみんなの前で歌うんだ。わかったな!」「ええ!?」(続く)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?