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NY留学90’Sストーリーその4

無事にNYのJFK空港に到着して、学校までの車の手配をする為にインフォメーション・カウンターを探しました。そしてようやく見つけ出す。が、そこはもぬけの殻。係員など誰もいない。埃をかぶってもう半年ぐらい機能してなかった雰囲気。「係員が留守の場合は、備え付けの電話で連絡を取って下さい。」みたいな事が書いてある。備え付けの電話の受話器を取る。「なんじゃこりゃあ!」電話の線がちぎれてる。これじゃあ通話も出来ないじゃないか!話が違うぞ。急に妙な不安に襲われる。どうしよう。これは自力で車を拾うしかない。タクシー乗り場に行ってみました。そこはもう白タクの群れ。どうしろというんかい!黒人の運転手の一人が話しかけてきました。「車が必要かい?」僕は自分の学校の住所を見せました。僕の滞在する予定の学校はマンハッタンから約1時間北上したウェストチェスターという郊外の地域にありました。その住所を見て彼は首をかしげましたが、「どうにかトライしてみよう。」という事でその車に乗り込みました。時刻はお昼の1時ぐらい。

空港を離れてしばらくしてハイウェイに入りました。「おお、これがアメリカのハイウェイか。映画で見た事あるな!」と少し感動しました。すると運転手が話かけてきました。「オレの名前はジョーっていうんだ、ヨロシクな。ところでお前腹減ってねえか?」「いや大丈夫です。」「おお、そうか。オレは腹減ってるから、ちょっとそこ寄るは。」と言って道の脇のホットドッグ屋に車を止める。おお、マジか?これがNYのノリなのか?車を降りて、ホットドッグ二つ買ってくる。「お前本当にいらないのか?」「いりません。」まだ着いたばかりで怯えている自分はそんな所でホットドッグを食べる心の余裕はありませんでした。

「しかしこれうめえなあ!」ホットドッグをかじりながらジョーは運転を続けます。果たしてちゃんと学校にたどり着けるのだろうか? (続く)

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