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「課題解決におけるICT活用」とは

 今日は、「課題解決におけるICT活用」について語ろうと思う。

 課題解決には、課題を紐解いていく情報の収集・整理と、紐解いた上で自分なりの考えを導く分析(考察)の過程があると考えている。
 情報の収集・整理は、課題解決に向けて、一旦、自分の考えを洗い出す(発散)過程であり、課題解決へのアイデア出しとも言える。情報の収集は、インターネットや書籍、資料等で情報を集めるだけでなく、アンケートやインタビュー調査の結果、観察実験の結果、仮説や予想、実体験で気付いたことや、これまでの経験値を振り返ること等も含まれる。

 これらにICTがどう生きるのだろうか。インターネットで調べる際は、ICTを活用することが前提となるが、デジタル情報は、簡単に情報を集められる分、視点をもたずに集めると、その質は低くなってしまう恐れがある。情報の質を保証するためには、何が必要であるだろうか。

 大前提として、まるごと情報を持ってくるのではなく、課題を意識させ、必要な情報が何であるのかの判断基準をもって収集させる必要がある。集め方も、収集し終えてから整理するのではなく、収集しながら整理も行う、同時進行が大切である。
 具体的には、部分的に切り取った情報と情報を関連付けながら集めるとよい。子どものレベルによっては、文字情報よりも、画像や動画など、すでに様々な要素が簡潔にまとめられている複合的な情報を収集した方が、後の分析の場面で役立つことがある。

 調査活動におけるICT活用は、カメラが大きな役目を果たす。実際の建造物や地域の様子を写真に収め、地図に貼ってもよい。他者への聞き取りでは、動画収録や音声録音も、後で何度も見直す、聞き直すことができるようになり、重要なポイントをつかみやすい。アンケートでは、Google Formやロイロノート・スクールのアンケート機能などを使い、簡単に集計、グラフ化することができる。余計な作業を減らし、情報が何を表すのか、本質的な部分に専念させることができる。

 分析の場面では、収集・整理した情報を俯瞰し、どのようなことが言えるのか、考えへ押し上げることが大事になる。そのために、情報同士を比べたり、グルーピング(分類・関連付け)したりして、全体像が見えた上で、自分なりに何が言えるのかを言語することが大切である。
 「比べる」「グルーピング(分類・関連付け)する」ことは、何度も繰り返し行う、試行錯誤の場面を設定することが大切である。何度も書き込んだり、キーワードや写真が貼られたカード(付箋)を動かしたりできるデジタル上で行うことがよいと考える。また、デジタル上で考えを見える化することは、情報共有や意見交換の場面で、共通理解が図りやすいのもメリットと言えよう。ICTを使って課題解決をしていくことは、多角的に考える力を育てていくことに大いに役立つと考えている。

 さて、明日は、「成果報告におけるICT活用」について語ろうと思う。

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