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読書感想文「ビジネス・ゲーム 誰も教えてくれなかった女性の働き方」ベティ・L. ハラガン (著), & 3 その他

 ビジネスとはゲームであり、会社はチームである。案外、わかっていそうで、実はわかっている人は限られている。例えば、なぜ、体育会系出身者は難なく就職が決まるのかと言えば、体力があったり、上下関係の理不尽さに耐えるからじゃない。勝敗の受け止め方やチーム内でのプレイヤーとしての振る舞いを知っている人材が求められているのが暗黙知だからだ。
 なので、この本は女性向けばかりじゃない。チーム・プレイ非経験者やマイノリティ向けのものだ。ゲームにおけるルールのとらえ方、勝つための秘訣、処遇改善、転職方法すら載っている。
 いま、どんな振る舞いをしているかだけでなく、どう育っていくかのプロセスそのものや、どう育ったかの結果である未来も「期待」されるのがジェンダーという決定力である。「チーム」で「競う」ことを理解し経験していなければ、仮にビジネス・ゲーム社会のプレイヤーになれたとしても期待外れで終わってしまう。貧富の差による経験ギャップが言われるようになったが、男の子と女の子のが育つ中での経験ギャップも随分と大きい。「(女の子だから)そんなことはしなくていいよ」と言われてしまう。中には諦めの悪い子もいるが、たいていは薦めに従ってしまう。
 あなたが現在、待遇や地位に不満を持ち、納得がいかず拘泥している状況なら、そんなあなたを客観視させてくれるし、前向きになるきっかけの一冊のはずだ。置かれた場所で咲くばかりが能じゃない。


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