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枕草子みたいに生きていく。

春はあけぼの。
やうやう白くなりゆく山ぎは、すこしあかりて、
紫だちたる雲のほそくたなびきたる。

これは枕草子の最初の文章だ。

これを詠んだ瞬間、私は思った。

「ああ。いいな。」って。

なんというか…
この文章に、私の足りなかった部分が入っているような気がした。

幸せ、というか。

季節を楽しむ心、というか。

日常の中の感動、というか。

余裕、というか。

いつの間にか、道端に捨てていたのかもしれない。

いつの間にか「不必要なものBOX」に入れていたのかもしれない。

生きていく上で、働いている上で、勉強で勝ち上がる上で。

日常に感動を覚えまくっていたら「非効率」になってしまう。

周りに追い抜かれてしまう。

自分が落ちていってしまう。

だから、いつの間にか消していたのかもしれない。

とにかく、今の私の中には無かった。





枕草子が気になって、「いとエモし」という現代語訳した本を読んでみた。

そこにはこう書いてあった。
「をかし」=「エモい」だと。

エモい、つまりエモーショナル。

心の奥から湧き出る、静かで激しい感動。

その瞬間、清少納言さんの気持ちが少しわかった気がした。


春の明け方に、その紫がかったグラデーションを見て。

夏の夜の、満月に、飛び交う蛍に、ほのかにうち光る蛍に溢れ出るカメラに残せない幻想的な光を見て。

秋の夕暮れに、鳥たちが我が家へと飛び急ぎ、人も我が家へと飛び急ぐ様子を見て。

冬の早朝に、霜が真っ白に降りてしまうような寒さに、寒くて急いで火を起こして廊下を渡る様子を見て。


何にも例え難い、感動を覚えたのだろう。

心から溢れ出して、止まらない感動を。

もう、書かなければどうしようもないその感動を「枕草子」にして詰め込んだ。

それが今に伝わり、私に伝わり、心に伝わり。

今、noteでみんなに伝えている。

「なぜ伝えるのか?」って?

書かなければどうしようもない感動を覚えたから。

これに限るね。





この景色を見るのが生きていく意味のようにも思える。

そんな感動を、清少納言さんは季節ごとに感じていた。

ハッとした。

最後に花を見たのはいつだろうか。

雲の形を眺めたのは?
空の青さに打ちひしがれたことは?
道端の草から生命力を分けてもらったのは?

答えられない。

思い出せない。

なんならまだ一度もないかもしれない。


子供の時は、たんぽぽの花の無邪気さに負けないくらい無邪気な心を持っていた。

綿毛の飛ぶ姿に感動し。

蝉の鳴く声に感動し。

花の美しさに感動した。

どんなものにでも感動し、考え、疑問を持てる。

そんな柔らかいアタマと、豊かな心を持っていた。


それがどうだ。

今となっては「指示待ち」の固いアタマに揃えられ。

「道徳的」と言われるような、
与えられた感情の中でしか感動できないような人間になってしまった。

これはある意味、現代の教育の弱点なのかもしれない。

だって「暗記」が全てを決めるような教育をされてきたんだから。

それで点が取れたんだから。

そりゃあ、指示待ちになるわな。

だって考え方を学んでいないんだもん。

どう考えて、どう答えを出して、どう使うか。

それができるようになっていない。

もっと、プログラムとか、アートとか、文学とか。
そんなものを取り入れた方がいいと思う。

もっとクリエイティブなアタマを教えた方がいいと思う。


それが「嗜み」として、教えていた平安時代は現代よりも幸せかもしれない。

だって、感動を言葉にする方法を教えてくれるから。

そうすれば、感動を感じやすい心になり。
言葉に表現できる大人になる。

雲の形にも。空の青さにも。道端の草にも。

いろんなものに感情を覚えられるようになってくる。

それに比べて、現代はどうしたもんか。

ねぇ?





まあでも、ここで枕草子に出会えてよかった。

だって、もう間違えなく済む。

「指示待ち」のアタマを無理やりひねって柔らかくする。

「ストッパー付き」の感情を動かしまくって、豊かにする。

私の考え方は私が決めるし、

私の感情の幅は私が決める。

というかもう感情ストッパー外すわ。

フルボッコにしてから、ぶっ飛ばすわ。
そんなストッパー。

アンパンチよりもぶっ飛ばす。

だって無意味、無価値、悪影響なんだもの。

文字にしてみるとインパクトがすごいな。

まあでもそんな感じで。

これからは自由で、気楽で、私の正義に沿って生きる。

これを読んでるあなたも、ぜひ感受性豊かな子供の心に戻ってくださいな。


今日も、散歩に行った。

この記事を

「これを読んでるあなたも、ぜひ感受性豊かな子供の心に戻ってくださいな。」

まで書いてから。

するとね。

もう変化を実感した。

鳥のさえずり。

風の吹く音。

子供の笑い声。

道端のたんぽぽ。

いろんなものにちょっとだけ関心が持てた。

ちょっとだけ「ああ。いいな」って思えた

これからも豊かに暮らしていこう。

もっと、感動できる人になっていこう。

人間として豊かになろう。

幸せは、与えられるものでもなければ、落ちているものでもない。

作るしかないんだ。

お金で幸せは買えないし。

与えてもらったものも自分の幸せじゃない。

だから、小さなことに感動したり、ゆったり暮らしたりして、自分の幸せを見つけていきましょうか。

といわけで、今日の私の幸せ。

可愛いシロツメグサ。

 


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