見出し画像

(108) 幸せホルモン -セロトニン-

「ホォー ホケキョ!」
つい先日まで「ホッ ホッ ケキョ」としか鳴けなかったのに、親鳥から教わったのだろう、上手に鳴けるようになりウグイスらしくなった。つい、こちらも「上手いぞ!上手い!」と、声を掛けることになる。

不思議だが、声は聴けども姿を見たことは未だかつて一度もない。ウグイスは用心深いのだろうか、決して人前に姿を現さない。

小鳥たちの役に立てばと、去年あたりに巣箱を数個置いた。そのおかげもあってか、今年の春は一段と小鳥の声がよく聴こえてくるようだ。その小鳥の声を聴くと、脳内ホルモンの”セロトニン”の分泌が促されると聞く。”セロトニン”とはよくご存じの”幸せホルモン”と呼ばれていて、分泌されると「心が穏やかになり前向き」になれると言われている。そういうことだから、うつ病(気分障がいが正しい)で受診すると、この”セロトニン”が多く脳内に
留まることを促す抗うつ剤が処方されることになる。”幸せホルモン”と呼ばれるのはそんな理由からだ。

「小鳥の声」も「抗うつ剤」も、脳内に”セロトニン”の分泌を促したり、吸収されてしまうのを遮断し、溢れさせておくということだ。そうだからと言っても、カラスやハトが鳴いたからといって”セロトニン”の分泌は促されるとは思えない。

要は、「可愛らしい」とこちらが思っているものが鳴くから分泌されるのだ。それらはせいぜい可愛いペットの子犬、子猫ぐらいのものだ。決して隣家のペットには反応することはないと思われる。我が家の赤ちゃんの泣き声なぞは、大いに反応する。「癒される」存在の声・姿などに反応するのだと思う。決して、小鳥の声だからというわけではない。ちょっと待てよ、そうだとすると・・・遡ると私たちが「好感を持ち心地良く思っているもの」への「心の反応」が”セロトニン”分泌という”脳内反応”を生むということになる。それであるなら、別に小鳥の泣き声を聴かなくても、岩合光昭さんの『世界ネコ歩き』を観なかったとしても、大好きなコーヒーを淹れて好きな音楽を聴けばそれでO.Kなのだ。散歩が大好きなら、カメラでも持って歩き始めたら大いに分泌を促すというわけだ。

もっと遡ってみよう。
だとすると、「心地良い」「大好き」「可愛い」などという感情を充てられるものを持っている人ほど、”セロトニン”分泌を促す機会がより多くあるということになる。

もっと奥まで遡ってみよう。
それらの感情を充てる前に、人は必ず”思考”を瞬間・無意識にするものであることを忘れてはいけない。

と、なると・・・
”セロトニン”が脳内で分泌されるかどうかは、それの”位置づけ”ということであり、”思考”次第ということになる。小鳥も赤ちゃんもコーヒー、音楽、子犬、子猫を一応通過はしたのだが、究極は”思考”がそれを決める子猫や赤ちゃんが可愛いと「思う」そのこと、その”思考”を通してなのだ。(「可愛いな、癒されるな」と考えているということ)だとすると、関心が広い方が、好奇心が強い方が、視野がずっと広い方がずっとその”思考”に出合える
機会が多くなるはずである。人間関係がうんと狭かったとしても、感心・好奇心・視野などはさほど影響は受けない。その上、”寛容”度が高く何に対してもこだわらないで受け入れることも、たったひとりでも出来ることだ。誰かから受けた親切を他の誰かに送るのも、ひとりで決めてひとりで出来る。それらは「貢献」であり、人の和を育て送り広げることで”利他の心”が生まれ、そのことが結局あなた自身を大いに育てることになるというわけだ。

人間関係が苦手でも構わない。
友達が少なくて淋しかったとしても構わない。
趣味がなくて、活動量が少なくても構わない。
自分を良く思えなくても構わない。
ひきこもり状態だって構わない。

ひとりで”思考”はコントロール出来るから大丈夫ということだ。”セロトニン”の分泌により「心が穏やかになり前向きになれる」・・・これだけで十分大きな可能性を含んでいる。

私の口癖は「人生は楽しんでなんぼ」だ。
何でもいい、「楽しんでいること」が先に書いた”セロトニン”分泌でもある。だから、例えばトイレ掃除でさえもどうしたら楽しめるか?を考えつくまで始めない。その為、色々な”業(わざ)”を考える、と、以前noteに書いた。今では研究所のトイレで食事が出来るほど綺麗になった。「嬉しいなぁ」「気持ちいいなぁ」「美味しいなぁ」「極楽・極楽」・・・こんなの全部が”セロトニン”の生みの親ということである。「心が穏やかになり前向きになれる」なんて、凄いことだ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?