病気と眠りと起きること

私は2021年の春に自覚症状として自分が何かの病気になっていると思い、病院を梯子した。
最初は、花粉症が悪化しているのかと思った。
咳が止まらない、かゆい、寝不足、息苦しいなどが続いていたからだ。いつも行っている耳鼻科に行って、いつもの薬を処方してもらった。
なのに、やはりしんどい。「結果は同じだと思うけど、大きな病院で調べてもらう?」と先生が仰って、紹介状を書いてくださった。
いろいろ調べてもらったけど特に悪くない。という結果を先生に伝えに行った。「別の科はどうだろう?」とだけ仰って、その日から少し自宅のそばの心療内科を調べた。その頃には日常生活も不自由になっていた。忘れ物をする。物を失くす。文字が読めない。寝られない。
これでは仕事は無理だと思い、退職の意向を職場に伝えたところ、ちょっと待ってとカウンセリングを紹介された。カウンセラーに自分の話をしたら、心療内科へ行って薬を出してもらいとにかく眠りなさい、お仕事はこのまま続けてはあなたがもっと苦しくなると。
心療内科で初めて会う先生に自分の話をした。診断がすぐに出て私はその夜薬を飲んで眠った。診断書を持って職場に行き、すぐに帰りなさいと言われたけれど、まだ仕事が…とその日は残業をして帰った。今思うと、これがそれまでの私である。帰宅して眠った。ゆっくり眠った。

休職中、眠れる日もあれば眠れない日もあった。仕事があってもなくても、眠りには波があった。私は、日々変化する体調というのを、人生で初めて意識した。人間の体調ってこんなに変化するんだね。なんと不安定なものなんだろう。形を保っているけれど、それは奇跡的に保っている。こんなに変化しているのにほぼ形が変わらないで起きて1日を送り、また眠りにつくなんて、嘘のようだ。眠れる、起きられた私、すごい。祝福したい。

このように思うようになった私は、日々の行動も少し変わってきているようにも思う。目に映るものも違ってきているように思う。一度きりの人生で、病気をきっかけに何かが変わったことを私は良かったと思っている。その何かをまた言葉にできるようになったら、ここに書きたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?