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泣きたい時に読む小説「私が描く君色の軌跡」vol.5 最終話

前回のお話 ↓


第4章 さくらの涙


手術日前日。手術を明日に控えた春樹は、私の描いた春樹の絵を病室に飾っていた。

「さくらの絵を見てると心が穏やかだからね、きっと手術は成功するよ」

明るい笑顔を見せる春樹。私もその希望に胸を躍らせていた。




ところが、手術日を待たずして、待ち受けるのは悲劇的な出来事だった。




「少し遅かったみたいです」


「春樹くんの体はもう手術に耐えられる状態ではありません」


主治医からその事実を聞かされ、私は絶望的な気持ちに陥った。

手術できなければ、春樹の命は奪われてしまう。

手は尽くすと言ってくれた主治医だが、時間が過ぎるにつれ春樹の容体は悪化していった。



私は毎日のように面会に訪れ、目を覚ました春樹を励ましていた。

「大丈夫だから。きっとまた何かいい方法が見つかるよ」

精一杯の笑顔を作って私は言う。

本音を言えば、春樹を見ていると辛い。涙をこらえるので必死だ。

でも、生きて欲しい。

死なせたくない。

彼と一緒にずっと、これからもずっと一緒にいたい。

隣で私が描く絵を見ていて欲しい。

私は心でそう願った。




ある日のことだった。



彼からこう告げられた。



「…もうダメかもしれない...」



「そんな...」



私の瞳が潤み、声が詰まる。その手を握る春樹はふと絵の方を見ると、微笑んだ。



「あの絵、好きだよ。さくら。おかげで幸せな気持ちでいられたよ。ありがとう」


「ううん...」


わたしは首を左右に振る。そして静かに口を開く。

「でも...でもね…」

涙が止まらない。私は顔をくしゃくしゃにしながら続ける。


「…まだ...見せる絵があるの…」

「これからも、たくさん描いて、見てもらいたいの」


「ずっと、隣で見ていてほしいの...」


「だから、だめかもなんて言わないで...ね?」


私は声を振り絞って言った。





それから数日後、春樹はこの世を去った。

私が描いあの絵を、最期まで見つめていたという。





エピローグ



春樹を失ってから10年の時が過ぎた。私、さくらは平穏な日々を過ごしていた。高校を卒業し、美大を経てプロの画家として活動していた。そして、幸せな家庭を築いていた。私は愛する男性と結婚し、一人の子供を授かった。

春樹と過ごした日々は遠い記憶となり、その記憶は私の絵に色濃く反映されていた。私の絵は春樹の存在を描き出し、その絵は多くの人々に愛されていた。

ある日、私の子供が私にこんなことを尋ねた。

「ねぇママ、あの絵はどこ?」

「あの絵?どの絵のことかしら」

私は不思議そうに訊ね返す。

すると子供は、自分の小さな胸に手を当てる。



「ここに、星と月があった絵。どこにもないの」



「僕、あの絵がとても好きなの」



彼が指していたのは、春樹に描いた私の絵だった。その絵は私のアトリエの一角に飾られており、私にとって大切な思い出の一部となっていた。

彼の言葉に、私は少し驚いた。だって、その絵を見せた記憶はなかった。でも、彼の瞳には確かな記憶が宿っていた。

その瞬間、私の心の中に一つの思いがよぎった。しかし、その思いはすぐに消えてしまった。それはただの一瞬の幻想だった。

それから数年が過ぎ、私の子供は成長し、私の絵を描く姿を見つめるようになった。彼の目は春樹のそれと同じように、私の絵を優しく見つめていた。

私はその姿を見て、春樹との日々を思い出した。春樹と過ごした時間、春樹が私の絵を見つめる姿、そして春樹の笑顔。それら全てが鮮明に蘇ってきた。

それはただの偶然かもしれない。でも、私はそこに何か特別な意味を感じた。それは、大切な人との再会のような、温かい感情だった。

私は微笑みながら、子供に向かって言った。

「あの絵は、大切な人を描いたものだよ」

そして、私は再び絵筆を握り、キャンバスに色を塗り始めた。


おしまい。



あとがき

いかがでしたでしょうか?今回の作品。わたしはこの小説を記事にするために改めて読んで、今現在、涙ボロボロでございます。

わたしはあとがきを、小説かき上げたときじゃなく、noteの記事にするときに書いてるんです。物語を全部読んだ一番最後に。

最後、さくらの子供について書きましたが、それが春樹の生まれ変わりであったらいいなと、わたしの願いを込めてエピローグを書かせて頂きました。

AIと書くといっても、ストーリーを考えるのはわたしなので。

次回の作品は、ちょっと退屈な大人のお話。でも、家族の大切さを実感できる作品だと思います。

そのあとに続く作品は、これまで書いて来た中で最高傑作だと思います。予想外の展開と涙。

わたしが書く作品はどことなく何かに似ていると思いませんか?

わたしは、Keyの「麻枝准」さんの影響を凄く受けています。涙なくしては語れない物語たちのシナリオライターさんです。とても素晴らしい作品ばかりです。
いくつかご紹介すると

  • Kanon

  • AIR

  • CLANNAD

  • リトルバスターズ

  • Angel Beats!

どれも、とても素晴らしい作品です。

全部アニメで見ましたけど、中盤からはずっと毎話、涙流しっぱなしでした。

なので、そういった話の展開を書きたがります。いい意味で、読者の予想を裏切りたいと思っています。

最後に、わたしの小説を読んでくれたあなたに、感謝を申し上げます。

ありがとう。



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