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泣きたい時に読む小説「知恵の実をかじる私」vo.3

前回のお話 ↓


第2章 日常の狭間で


その後しばらく凛との連絡が途絶えていた。

毎日忙しく過ごしていると、いつの間にか凛のことを思い出す。

そんなある日、スマホが鳴る。LINEの送信者を確認すると、凛からだった。

「こんにちは。都合の良い日にお茶でも飲みませんか」

ぎゅっと胸が締め付けられるようだった。でもその誘いを断ることができず、約束を取りつけた。

その日を密かに心待ちにしながら過ごしていたが、約束の日になって、胸の高鳴りがおさまらない。

道端のベンチに座り、凛の姿を待っていると、遠くからなじみの顔が見えてきた。

「ごめん、待たせたかな...」

凛が謝る。でも待っていた私の胸はどきどきしている。

「いいのよ、たった今来たところなんだから」

そう言って微笑むと、凛も笑顔を返してくれた。

二人は近くのカフェでお茶を飲みながら、以前の街での話に花を咲かせる。

「楽しかったな、この間は」

「本当、久しぶりにあの頃を思い出した」

話が弾み、時が経つのを忘れそうになる。それでもふと、現実がよぎる。

「ねえ......こんなことしてていいのかしら」

ぽつりとつぶやいた私の言葉に、しばらく凛は無言で窓の外を眺めていた。

その沈黙が長く続き、私も外の景色に思いをはせる。行き交う人々。皆それぞれの人生を歩んでいる。

「ねえ......こうして会うことが本当に正しいことなのかしら」

そう言葉を紡ぐと、凛が静かに頷いた。

「そうだな。君は家庭があり、俺には仕事がある」

「うん......」

現実を突きつけられ、胸が痛む思いがした。でもそれでも、凛に会いたい一心で約束をしてしまったのが自分であることも事実だ。

「でも......会いたかった。凛に会いたかったんだよ」

そう伝えると、凛は少し驚いたような目でこちらを見る。

「夏希......俺もだ。会いたかった」

凛の言葉を経て、二人はしばらく黙り込んでいた。

大切な人と過ごす時間を楽しみつつも、そこには罪悪感がよぎる。胸の奥底では、このままの関係が望ましいとは到底思えない。

「これからどうしたらいいか分からないよね」

ぽつりとつぶやく私に、凛は小さく頷く。

「そうだな......でも......会いたい」

「私も.....」

正解はどこにもない。ただ、会いたいという一心で約束を繰り返していることだけが事実なのだ。

「こうして会っていることが本当に正しいことかどうか...」

「...分からないね。でも、会いたかった」

同じ会話を繰り返したあと、二人はカフェを後にした。立ち止まり、じっとお互いの瞳を見つめる。

「また、会おうね」

「うん。定期的に連絡するから」

約束の言葉を交わし、その後は立ち去った。

歩みを向ける先々では、日常の営みが待っている。そんな現実に向き合う日々の中で、ふと思い出す凛の顔。

胸の内では、こうして会うことへの罪悪感と、会いたいという気持ちが渦巻いている。

その葛藤を抱えながら、私は日常へと舞い戻っていった。この先、凛とどう関係を保っていくべきか。答えの出ない問いを投げかけられたまま、日々を過ごしていくのだった。



泣きたい時に読む小説「知恵の実をかじる私」vol.4
第3章 試練の時 へ続く…

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