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アフリカへの道〜その1〜

僕がアフリカ行きを決めてから3日後の長崎大学教育学部ゼミ室内、

「親分、お勤めご苦労さんです。」(僕は大学の教授を親分と呼んでいた)

僕は約束のゼミに顔を出し、管原親分にアフリカに行くことを伝えた。就活をしても間に合わないこと、やりたいことが定まってないこと、アフリカに行けば2年間の猶予があること(青年海外協力隊の任期は基本的に2年)、正直に全てを話した。怒られると思ったが親分は意外にも応援してくれた。アフリカについて色々と親分の知っている事を教えてくれた。やっぱりなんだかんだ”世話のかかる生徒ほど可愛いもんなんだな”と思いながら親分の話を聞いていた。なぜか親分が奥さんと新婚旅行で行ったヨーロッパの話を聞かせてくれて写真も見せてくれた。


親分は愛妻家だった。



そして最後に青年海外協力隊の派遣地が


アフリカだけじゃないことも教えてくれた。


おいじじい。。。


はよ言え。(←自分で調べろ)


青年海外協力隊は世界92カ国に派遣実績を誇りアフリカのみならずアジアや北中米、南米、欧州、大洋州など世界様々な土地にボランティアを派遣しているのだ。僕はそんなことも知らずボランティア=アフリカと勝手に決めつけてウキウキワクワクしていたので当時かなりがっくりきた。

アフリカ行ってた方がかっこいいやん!

どーせいくなら日本から遠い方がいい!

とんだハッピーサマーウエディング野郎である。

協力隊は行きたい国を第3希望まで書く。

それを元にJICAがその人に合った派遣地を選ぶのである。

もちろん応募者は応募した国に想いを馳せる。

食べ物は口に合うか?どんな世界遺産があるのか?政治は?経済は?治安は?人口は?インフラは?



そして、


どんな出会いが待っているのか、、、?


調べるのだ。

血眼に。

ありとあらゆる情報ツールを使ってそれはもうすごい時間調べるのだ。

日本とは何もかもが違う言葉も通じない土地で2年間を過ごそうというのだ。当然である。もちろん治安が悪い国だってある。というより日本と比べると漏れなくどの国も治安が悪い。

それでもなお自分が希望する国での過酷で素敵な生活を思い描き準備をする。

しかし、そんな夢見る協力隊の卵たちにとって何より恐ろしいのは、、


第3希望までに書いた国以外にも

派遣される可能性がある。


ということ。


どうだ?


恐ろしいだろう。


すんごい調べたのに。


あの時間なんだったの?


はふはふぅ


ってなるよねきっと。


例えば僕はアフリカ圏に行きたかったから

①エチオピア

②ウガンダ

③ケニア

の順で希望を出していたとしよう。

そしてTOEICやらなんやらかんやらの試験を受け、合格して派遣地の欄を見ると


エルサルバドルでーーす。


なんてことも少なくないのだ。


こっちからすると


いや、どこだよ。



中米だよ!



いや、知らねーよ!


状態である。


そういった中で要請と自らの希望が合わず試験に合格してもやめていく人が多いのもまた現実なのだ。


そんなことも知らずに、

もとい、調べずに僕はアフリカに行くんだという能天気な考えでゼミに来てしまっていた。


これにはさすがの親分も頭を抱えたに違いない。


そしておそらく親分の頭の中のちっちゃい親分がきっとこう囁いたんだと思う。


「親分親分!こいつもっと大切なこと絶対忘れとーばい!というか考えてすらなさそうやんね。だって古家ばい。こいつ絶対なんも調べとらんって!」

ちちゃい親分の脳内アドバイスでおっきい親分は口を開いた。

「古家、お前TOEICのスコアもっとーとや?」








「え?」


僕のアフリカ行きの飛行機にはガソリンが入ってないどころか

どうやらまだ翼も付いていなかったようだ。


続く、、


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*点線以下は協力隊の応募制度について覚えている範囲で詳しく書きました。なので本編には全く関係がありません。協力隊に行こうと思っている方に見ていただければと思います。

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本文にも書いたがもう一度詳しく書きたいと思う。協力隊として派遣される地域は自ら選べるものではなく、現地にいる調整員というスタッフがその国の必要な支援を現地機関と話し合った上で「要請」としてあげる事で仕事が発生する。つまり世界各国にいる調整員さんが作った仕事に対して僕らは応募するのである。例えば体育教師としての要請(タイイクノキョウシニキテホシイヨー)がある国が10ヵ国あるとする。まず僕らはその中から第1希望から第3希望までの3ヵ国を以下のように選ぶ。

①エチオピア 

②ケニア

③タンザニア

*第3希望まで書く欄があるが全てを埋める必要はない。どうしても第1希望のエチオピア に行きたいのであればそれだけを書いてもいいのだ。しかしそれはつまり海外に行ける可能性を減らすことに繋がるので皆ある程度行きたい地域で固めて書くのだ。
こうして3つの希望を出すと協力隊本部がその人の経歴や職歴を考慮し派遣地を振り分けてくれる。なので自分がアフリカに行きたいと思っていたとしてもアフリカからの要請が少なく第3希望にアジア諸国を書いてしまえばアジアに行くことになるかもしれないし、暖かい国がいいなぁなんて思っていても要請自体が少なく、とにかく埋めようと自らの職種すべての要請を書くと極寒のモンゴルに行かされることだってある。

だったら行きたい国に行けないじゃん

そうでもない。協力隊は年間3〜4回募集をかける。僕が行った頃は春夏秋冬募集があった。年間4隊次派遣される。なので自分の行きたい国と地域から要請が上がるのを待つもよし。ただその場合全く要請が上がらず待ちぼうけを食らう可能性が非常に高いの。なので多くの人は行きたい地域を決めてその周辺諸国で第3希望まで埋めるのだ。

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