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「ザ・クリエイター/創造者」を見た(ネタバレあり)


まえおき

人類と人工知能による戦争が勃発している世界が舞台です。人類側の特殊部隊隊員であったジョシュアは、潜入作戦の行動中に妻を失踪で亡くし、途方に暮れていました。
彼は、究極の特殊兵器を開発した、クリエイターと呼ばれる謎の存在の殺害を命じられ、再び作戦行動に参加することになります。
その作戦行動中に、子供の姿をしたAIアルフィーを発見し、行動をともにすることになります。


工夫された世界設定

人類とAI間の戦争というと、この手の映画を見ている人はすぐにターミネーターを思い出して、AIが圧倒的戦闘力で人類を蹂躙しているという構図が思い浮かぶと思うのですが、この映画の世界では、人類の方がどちらかというと戦力的には圧倒していて、空を飛んている要塞のようなもので、AI陣営の拠点を爆撃したりしています。
また、AI陣営は(アジア圏という設定です)、100︎︎%︎AIだけというわけでなく、アンドロイドっぽいAIと人類が共存しているような状態です。
この対比は、現在の社会のようにAI導入に対して消極的な考え方(排除派)と、積極的に利用していこう(共存派)という考え方の対比を置き換えているように思えます。

自分と違うものに対する接し方

この映画でジョシュアは、失踪した妻の行方を探しながら、AIアルフィーと行動をともにしていていきます。ジョシュアとアルフィーは、最初はお互いに全く言葉も交わさなかった関係から、徐々にアルフィーと会話が成り立つようになり、様々な苦難をともに乗り越えていくことで、最終的にはお互いに親子のような愛情を持つようになります。
人類とAI(というもかこれまでは、アンドロイドと呼ばれていたもの)との間に深い理解、信頼、そして最終的には愛情や、愛などが存在しうるのかという、王道とも言えるけれど永遠のテーマがこれでもかという感じで描かれています。
そしてそれは、かなりベタだと思いますが、今だに世界中で起こっている、相互の理解不足を端緒とした、争いの連鎖への問題提起なのではないかと思いました。

ジョン・デヴィッド・ワシントンさんの演技が良い!

この映画の主役でジョシュア役のジョン・デヴィッド・ワシントンさんが、奥さんやアルフィーのことを思った時の柔らかい演技をするシーン、そして戦うシーン時の堅い部分演技のところが非常にバランスがよかったと思いました。
この映画では、ジョシュアは最初のシーンから最後のシーンまで、一本道で駆け抜けていく役割になっていて、ほぼずっと画面からいなくなることがないため、他の映画の主役以上に出来不出来が映画の成功に直結することになります。
その重要な役を、ジョン・デヴィット・ワシントンさんが、見事に演じ切っています。
ちなみに、知らなかったのですが、彼はあのデンゼル・ワシントンさんの息子さんなんですね!

それでは、また次回!

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