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中国・香港 日本の水産物輸入規制か

こんにちは、Kazです!


放射性物質の件で、あっちの国ではOK、こっちの国ではNGなど、世界格好で対応が様々分かれてきていますね…



さて、本題に入る前に一つ前置きで…


先日下記の記事で紹介しましたが、EUが日本食の輸入規制を撤廃しました。


撤廃の1つの理由は、2011年の大地震の際に発生した原発事故を受けて放射性物質が放出されましたが、12年という時を経て、科学的根拠に基づいて「そろそろ大丈夫ではないか」という事で放射性物質の検査証明書が不要になるなどの動きがありました。


このように、緩和の動きがある一方で、今回、中国や香港は規制の強化に出てきています。



そもそもどんな規制をするの?


中国では、「日本から輸入する水産物などについて放射性物質の検査を厳しくする」方針を検討しているようで、

香港では、「宮城、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、新潟、長野の10の都県からの水産物の輸入を禁止する」ことを表明しているようです。



香港はかなり厳しくなる印象がありますよね…



なぜ規制が強くなるの??


このような規制強化が行われる背景には何があるのでしょう?

下の記事でもあるように、もともと、東京電力福島第一原子力発電所にたまる放射性物質を含む処理水を放出する計画が練られていました。


放出のスケジュールは今年の『春〜夏』に予定されており、処理水の放出に賛否が分かれていました。


そんな中、下記記事で書かれているように、2023年7月4日にIAEA(国際原子力機関)が処理水を海洋に放出する日本の計画の安全性を認めたという発表があり、それに賛成できない国々が立場を表明する形となっているようです。



日本への影響は?


さて、具体的に輸入禁止を表明している香港に対して、日本が香港に輸出できない商品が出てきた場合、どの程度影響があるのでしょうか?


まず、下の記事で紹介した通り、2022年には香港は日本にとって『第2位』の食品輸出国でした。
(ちなみに、1位は中国)


単純に、この事実だけ聞くと、日本に与える影響は大きそうですよね…


では、食品の中でも香港に輸出しているものは何が多いのでしょうか?

農林水産省のデータを見てみると…


*出典:農林水産省データより筆者作成



1位の真珠は輸入禁止に該当するのかはチェックが必要ですが、
3位(ホタテ貝)・4位(なまこ)・9位(ホタテ貝)は直接関係してくるでしょう。

TOP10の中に3つも水産物が入っており、その3つの2022年の香港への輸出合計金額は約227億円。



少なくともこの額の一部は輸入禁止になる可能性があることが分かります。


これを見れば、日本には一定の影響があることが分かりますし、選ばれた10都県で、香港向けビジネスが多かった水産業者様は大きな影響があるかもしれない、と踏んでいた方がいいでしょう…



いつから規制はスタートする?


輸入規制対象になりそうな水産関係の方々にとって、大きな影響がありそうなこの規制ですが、一体いつからスタートするのでしょうか?


香港政府としては、「『実際に放出が行われた場合』輸入禁止にする」と表明しているようですので、放出された段階で規制が開始すると解釈できます。


では、いつ放出するのか?

これは、調べてみても明確な日程は出てきませんでしたので、決まっていない前提ではあると思いますが、8月頃に開始されるのではというニュースも見ました。(あくまで決まっていないようです)


少なくとも、「当初掲げていた『春〜夏』という予定を変えるつもりはない」と7月12日にも岸田首相が表明されていたようですので、現時点では近いうちに放出される可能性があると考えられるでしょう。




という事で、今回はここまで…


選ばれた10都県で、香港向けビジネスが多い水産業者様は、本当に要注目の一件になっていますので、随時情報チェックをして、迅速な対応をされることを祈っております…




もしあなたの食品輸出事業で「こういう所で困っている」「この課題はどう解決すればいいんだろう…?」「この件についてどう思いますか?」など、質問したいな、ということがあれば、ぜひお気軽にお尋ねください!

食品関連の海外新規事業立ち上げ・実行、日本・東南アジア・ヨーロッパ・アメリカでの営業戦略立案〜実行、各国への輸出規制調査等、経験し実践してきました(海外駐在経験あり)ので、貢献できることもあるかなと思っています!



では、みなさま素敵な1日をお過ごしください〜!^^


Kaz

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