ここ10年間の日本の食品輸出の変化
こんにちは、 Kazです!
今、日本の食品輸出は絶好調のようです。
2021年も過去最高でしたが、2022年の輸出も過去最高を更新して伸び続けています。
▼過去最高だったが、外部環境は荒れていた…
過去最高の結果ですが、輸出の外部環境はとても荒れていました(他の産業もほとんど同じですが)…
例えば、
原発の放射性物質の問題(海外各国が日本食品の輸入を規制)
新型コロナウイルスの蔓延(世界各国の経済が停滞)
ロシア・ウクライナの関係を通じたエネルギー問題(輸出時の物流費がめちゃくちゃ上がったり)
など、多くの困難がありながらも、それでも輸出を伸ばしてきました。
一方で、「こういう外部環境の変化もあって、この10年で食品輸出がどう変化してきたのか、きちんと理解できていなかったなぁ」と気づいたので、今回簡単に整理してみました。
整理してみて、この数年で食品輸出に大事そうな変化が起きていましたので、それも一緒に書いていこうと思います!
▼『食品輸出』はコロナの影響を受けても大きなダメージなし
実は、『食品輸出』はコロナの悪影響をそこまで大きく受けずに推移してきました。
それを確認するために、まずは『日本の輸出全体(食品に限らない)の推移』を見てみましょう。
2020年は新型コロナによって世界中で大きな影響を受けたこともあり、輸出全体では前年比89%に減少しています。
しかし、その後は順調に輸出額を伸ばしてますね、
では、食品の輸出推移はどうでしょうか…?
2020年のコロナの影響があった年も、ほとんど前年と変わらない推移を維持してますね、
この図を見比べると、食品輸出は他の輸出品目と比べて、コロナのダメージは大きくなかったんだろうということが分かります。
また、その後の輸出額も順調に伸ばして、近年過去最高の結果を残しているという状態です、
ちなみに、参考までにコロナの影響があった年(2020年)に『輸出額が伸びた国』『減った国』はこんな感じ…
これを見ると、「近隣国への輸出がきちんとできた」というのが大きなダメージを受けなかった理由かもしれないですね…
▼輸出先国ランキングの興味深い変化
輸出先国ランキングは、この10年で変わってきています。
個人的には、輸出事業をする上では、なんとなくでもこの変化は意識しておくべきかなと思いました、
2012年から2022年で日本の輸出先国ランキングは上図のように変わりました。(気になる国だけハイライトしています)
『中国』はかなり伸びていますし、個人的に驚いたのは『ベトナム』が5位にランクインしてきたことです。
『EU』は約30カ国で構成されていますが、『ベトナム』は『EU』よりも多いんですね…
もう一つ驚いたことは、『タイ』は9位までランクを下げてきていることです。
食品輸出業界でも、以前は『タイ』はかなり盛り上がっている印象がありましたが、食品輸出では9位となってしまったんですね…
▼でも、全体的には伸びている
今の流れでいくと、「タイへの食品輸出額は減っている」という印象を受けてしまうかもしれません。
実際は、ちゃんと『タイ』への食品輸出額も増えているんです。
輸出額の伸び率を調べてみると…
他の国の伸びが大きいからこそ、『タイ』や『韓国』のランクが下がってしまっているのですね。(伸び率が高いものほど、濃いピンク)
ランク上位にはきていませんが、『フィリピン』の伸びも著しいので、数年後には『タイ』を追い抜いているかもしれません…!
ということで、
今回は食品輸出額のトレンドとランキングの変化を見てきました。
ざっくりこの10年の食輸出の推移が把握できたと思います、
輸出事業を行う方は、ここまでの推移を見て、次の10年がどうなっていくか、ざっくり想像し、手を打っていくことでしょう。
「自分の会社はどこ向けの輸出が多いのか?」「今後どの国への輸出を目指しているのか?」など、このタイミングに整理してみるのもいいかもしれませんね、
個人的には、東南アジア向けの輸出額がかなり伸びてきているので、これからも注目していきたいと思います!
今後も、食品輸出について情報発信していきます。
私は、食品関連の海外新規事業推進、日本・東南アジア・ヨーロッパ・アメリカでの営業戦略立案〜実行、各国への輸出規制調査等、経験し実践してきました。(海外駐在経験あり)
もしあなたの食品輸出事業で「こういう所で困っている」「この課題はどう解決すればいいんだろう…?」「この件についてどう思いますか?」など、質問したいな、ということがあれば、ぜひお気軽にお尋ねください!
では、みなさま素敵な1日をお過ごしください!^^
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