ニュージーランド、世界で最も厳しい禁煙法を制定
ニュージーランドでは、2009年1月1日以降に生まれた世代がタバコを購入することを一切禁止する、世界で最も厳しい禁煙法が制定される。
この禁煙法には、タバコを販売できる店舗数を90%削減することも盛り込まれているが、反対派は、この「ナニー・ステイト(福祉国家の蔑称、過保護な国家の意味)」の法律は大規模な闇市場の創出につながると主張している。
タバコを購入できなくなるのは、2009年1月1日生まれより若い世代、すなわち現在14歳以下の世代だ。理論的には、今から50年後の2072年にタバコを吸いたい人は、63歳以上であることを証明しなければならない。
この法律では、タバコを販売できる店の数も現在の約6,000店から600店に減らし、製品に含まれるニコチンの量も減らしていく。
ニュージーランドの規制当局は、もっと早い段階での喫煙の根絶を望んでおり、2025年までにニュージーランド国内を禁煙にしたいと考えている。実際に近年は、喫煙習慣をなくす目的でタバコに大幅な増税を課してきた。
2022年12月13日、同国のアイーシャ・ヴェラル(Ayesha Verrall)保健副大臣は、国会で「喫煙者の半数が死亡するような製品の販売を許可する正当な理由はない」と述べ、「禁煙法によって、心臓発作、癌、脳卒中などの治療費の節約にもつながるだろう」と語った。
リバタリアン党などの反対派は、この法律が大規模な闇市場創出につながる 「ナニー・ステイト(福祉国家の蔑称)による禁止」と呼び、タバコを販売できなくなる小規模店舗の多くが廃業すると主張している。
なお、近年急成長し、タバコよりも若干人気のある電子タバコVAPEは対象外だ。2022年11月の統計では、ニュージーランドにおいて毎日タバコを吸う人は約8%なのに対し、VAPEは8.3%だった。10年前には約16%の人がタバコを吸っていたことから考えると、喫煙者は確実に減少しており、OECD諸国の中でも低い方だ。例えば英国の喫煙率は13.3%だ。
ニュージーランドでは、先住民族のマオリ族の喫煙率が高く、約20%のマオリ族が喫煙していると答えている。
現在、ニュージーランドより厳しい喫煙法を適用しているのは、ヒマラヤの小さな王国、ブータンだけだ。ブータンでは2010年にタバコの販売を禁止している。
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