この世は不公平。有利も不利も自分の力の一部。
長男、得をする。
今年12年生になる長男、11年生のときには「微分積分」の授業で、優・良・可・不可のうち「優」の成績をもらってきました。クラスで唯一の「優」でした。
もともと数学が得意なわけではありません。高校数学教師でもある私が、夜な夜な指導をしたたまものです。もちろん、考え方を教えましましたが、テストの答えを教えるというズルはしていません。笑
母親が高校数学教師だから、マンツーマン家庭教師をしてもらえる。特別指導してもらうなんて、特別待遇です。
夫が横で「不公平だ」と呟きます。
「この世は不公平なものよ」と私が言い返します。
公平なものなんて何もない。不公平なのが世の常です。
世の中、不公平なことだらけ
私は数学教師だから数学は教えてあげられるけど、日本人の私と、ドイツ人の父を持つ我が息子たちは、「国語(英語)」の指導は家ではまず受けられません。他の子達は、もうちょっと見てもらうことができるはず。不公平ですよね。
お金もちの家の子どもは、お金を出して、いい先生をつけてもらう。私は、お金がないと言われ、高校のとき予備校も塾も行かせてもらえなかった。不公平だー。
でも、それ以前に、子どもの教育なんて全く気にしない親もいる。学校の勉強のことも、健康のことも。それに比べたら、うちの子たちは断然有利だ。
食べるものはいつも体にいいオーガニック食品、無添加食品を食べて育っている子がいる。反対に、ジャンクフードばかりたべて育つ子もいる。子どもたちみんなが、すくすくと健康的に育つ社会であってほしいけど、ほんと、悲しい世の不公平。
才能豊かで有望な音楽家だったとしても、お金がなかったらいい楽器は買えない。それほど才能はなくてもお金はある音楽家が、いい楽器を買えるがゆえにもっといい音を出すことができたりもする。悔しいですよね。不公平だ。
お金がないから、働かなきゃ生きていけない。だから進学より就職を選ぶ。自分がそんな立場だったらと思うだけで悔しいです。不公平極まりない。
世の中は、そんな不公平だらけです。不公平があるのが当たり前。
学習障害というハンデ
この、微分積分で優をとった長男。実は、小学校の時に「重度の学習障害」と診断されています。特に読み書き障害(ディスレキシア)がひどく、読めない、書けない、その影響で算数もできない。小学校4、5年生でも、一桁の足し算でさえ苦労し、九九は覚えられない。そんな状況でした。
思考力が弱いのではないのです。読み書きのところでつまづいてしまうため、インプット・アウトプットが困難。すごい才能があったって、読み書きでつまづくと学校の勉強で成果を出すのは難しい。
生まれ持った能力からして、不公平なのです。平等なんてありえないのです。
有利をどんどん使え!
学習障害を持った長男が、学習障害を持ちながらも数学教師の母に教えてもらって微積で優をとった。長男にとって、数学教師の母がいるということは、彼にとって有利です。その有利をどんどん活用すればいい。
頑固なシュタイナー教師の両親のもとに生まれたために、シュタイナー教育を全うすることができた。本人はどう思ってるかはさておき、私は、そんな息子たちが心底うらやましい。私もシュタイナー学校行きたかった。
そんな「有利」なところをどんどん活用して、「不利」な学習障害なんて吹き飛ばしちゃえばいい。
不利は不利ばかりではない。不利だからこそ力が出ることだってある。不利だからこそ、それを有利にすることもできる。
「不公平だー」って嘆いてないで、自分の得意、有利なところをどんどん生かして成長していけ。
自分らしく、自分の強みを生かして、この人生を楽しく生きていってほしい。
健やかに力を伸ばして、その力を人のために使えるくらいたくましくなれ。
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