voice-14 人に好かれたいという呪い
「気持ちわるいなぁ」
そんな声が聞こえると
つい自分の事ではないかと勘繰ってしまうし
笑い声が聞こえると
また笑われているのではないかと
緊張の糸は張り詰めてしまうし
もうそんな人達は何処にも存在しないのに
名も知らぬ人の会話を拾ってしまっては
いちいち傷ついている
誰がわたしをこんな風にと
記憶の底を辿ったとして
その顔は黒く塗り潰されて、とても見れたものでは無く、おそらく誰でもいいんだろう
私が私たらしめるものは
そんな記憶では無いはずなのに
未だかつて苦しめられてしまう
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