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長編小説 ラブ・ダイヤグラム③ 昭和な男

「違う違う、こっちも両方ナット締めるんだよ。
同じくらいにすんの」

「もー…ムズイってぇ…
乙女のやる事じゃあ無いよこんなの…
ヤマさんにやってもらう」

「愛ちゃーん、出てるよー。
その乙女の悪い所。男の人に頼らない!
自分でやるんだよー、自分のバイクなんだから」


週末、ハナちゃんの家のガレージで、
私達はバイクを直していた。

走行中にカラカラ音がするので見て貰ったところ、
チェーンが緩んでいたらしく
その場で修理することとなった。

てっきり詳しいハナちゃんが
やってくれると思いきや、
いい機会だから…教えてやるから
自分でやってみろと言い出したのだ。

こんな機械いじりみたいなマネ、
今までやった事無い…
…が、ハナちゃんは自分で直すんだと言って
一歩たりとも譲ってくれなかった。


OLの時の貯金もジリジリ減ってはいたものの、
お金で済む話なら正直バイク屋に
持ってった方が全然マシだと内心思いながら、
這いつくばってスパナの径が幾つだ何だと
嫌々格闘していた。


そもそも、都内から引っ越して
初めてバイクに乗り始めた。

学生の時もOLの時も一切
バイクに乗ったことは無いのだけど、
何故か私は中型免許だけは持っていたのだ。

高校を卒業してすぐ親に普通自動車の
免許を取らせてもらったのだけど、
そん時に、ついでみたいに中型免許も取ったんだ。

いつか…風を切って走る
女性バイカーになれたらカッコイイな…
なんてことを安易に思いついて
ダメ元で頼んでいたら、志望大学に合格した
直後の事だったこともあってか親の機嫌も良く、
本当に取らせてもらえたのだ。


まあ結局…自分で何か乗り物を運転…

なんて機会も皆無な仕事にその後
就いてしまった事もあって、一度もバイクにまたがる機会も無いまま来てしまっていたのだけど、

今の職場が自分のアパートからまあまあ遠く、
かつ出勤時間も電車がまだ動かない
早朝だった事もあって、
安い中古のバイクを買うことにしたのだ。

ハナちゃんに相談すると、知り合いから
激安価格で譲ってもらえる事になった。
いつ何が役に立つなんて
その時にならないと分からないものだ。

私は、近所のおばちゃんが乗ってるような
スクーターが良かった。丈夫そうだし、
スピードも出なくて安全だし、
荷物まで入れられる。

初心者の私にだって、実に扱いやすそうだ。

ところが…いざ手配してくれたバイクは、
GN125H…とか何とか言う名前の
まるっきり単車感丸出しのシロモノだった。

乗れる訳が無い。
流石に現物を見てゴネるが、
ハナちゃんの回答はこうだ。

「だーいじょうぶ!愛ちゃんの初の愛車…
アタシが素敵なカフェレーサー仕様に
カスタムしてあげるから。えっへっへ…」


何を言っているのかイマイチ要領を
得なかったけど、頭の「カフェ」の語感から、
お洒落で優雅な初心者向けカスタムを
施すから安心して!…位の意味に捉えていた。

そのカフェレーサーなるものが、まさか…
冗談みたいに前傾姿勢をさせられて
跨らなきゃならない街乗りレーシング仕様
みたいな意味だと知るのは、
ハナちゃんに預けたバイクが返ってきた時だった…


要するに、私のクレームなんて
まるで耳に入って無かったってことだ。

仁義を重んじ温厚な
人格者のハナちゃんではあるけど、
ことバイク絡みの話に関してはやたらと厳しいに、どこかネジが外れた所があって時折怖かった。

ちなみに彼女自身は、
私目には違法改造が散々施された
化け物バイクにしか見えない
V-Maxとか言うのに乗っていた。


「今日で、終わりだったよね、教習は」

「うん、あと…2限。
これ終わったら…そのまま行くよ。
再教習とか…言われるかもだし…あー終わった。
もう二度とこんなんやりたくない」

「まだバイクいじりの入り口だよそんなの。
まー頑張ってね、教習」


異音のしなくなったバイクを走らせ、
教習所に向かう。

最近になってようやく
ビビらずに乗れるようになったものの、
暑い夏の盛りで、スピードを緩めるたびに
私の腕や顔をジリジリ陽の光が焼いた。

今日で、多分終わり。
…いや、本試験がまだあったっけか。
それが終わればひとまず、
嫌な冷汗はもうかかずに済む。


随分時間が掛かってしまっていた。
普通の車だって運転出来るか怪しかったのに、
あんなでっかい大型車なんて初めから
スイスイ乗れるはずも無いのだから
苦労して当たり前ではあるんだけど…

それでもまあ、それなりに少しづつ
乗れるようにはなってくれた。

もうすぐ、一人前の仕事が今の仕事で出来る。

それで変わってくれたらいいなと思った。
良い仕事しようって、いい人生だと思えるようになってくれれば良いなって。


私は未だに…
彼の言葉に憑りつかれたまんまだった。

「仕事を選ぶのは人生を選ぶこと」

だから最高のものにしたい、
悔いの無いモノにしたい。


別に…まだ彼に未練があるとかそんな話じゃあない。
ただ彼の考える、人生=仕事っていう、
お金貰うためだけじゃない、
仕事に自分の人生を納得させるような
モノを求めて、信念持って働けるって言うのが、
素直に素敵な「有り方」だなって
感じてしまっているんだ。

そんな彼に、私の人生を
否定するようなことを言われた。

もしかすると彼にそんな思いは無くて、
私が自意識過剰に
悪くそう捉えてしまっているだけかもしれない。

本当の所なんて今となっては分からないけど、
ただ確かな事は…


私の心は彼の信念を立派なものだと
認めてしまっていて、私自身も多分…
心のどこかでは自分のやってきたことが
小さいものだと認めてしまっているんだ。

…だから彼とはもう無理だ…
潔過ぎるって思ったし、あの「小さな所で」
…なんて文言が、私の価値観を変えてしまうほどに
私を傷つけ、何もかも捨てさせたんだ。

今までとは、別の何かを
見つけなければならなかった。

自分の人生を素敵だと思えるような何かをだ。

それが幸せな結婚生活とか、趣味とか…
何ならバイクいじりでもいい筈なのに、
かたくなに仕事に対して
求めようとしてしまうのは、


…気持ちのどこかで私は彼に…
いつか会ってもその時は
胸張ってやりたいって思っているのかも知れない。

少なくとももう、あんな風に逃げたくなんか無い。
自分が一体何なのかも分からなくなって、
無様に走って逃げた。反論も出来ずに。


あんなに誇りに思っていた、
巻き髪も、キマッた化粧もブランドのコートも…
身に着けてるのが恥ずかしくなって
居られなくなった。

みじめで、遣る瀬無い。

二度とあんな気持ちになりたくない、生涯。

そう強く思いながらもまだ、自分のしている事に
これだって確信が持てないって言うのが
なんとも歯がゆかった。



夏は嫌いだ。化粧が落ちるから
…なんてOLの時はよく言っていたけど、
目元しかロク様メイクしなくなった今でも、
夏の嫌さは変わらない。

昼の教習所は週末な事もあってか、
駐車場には溢れるほどの
自転車やバイクが停められていた。

やっぱそうだったか…
早い時間に来ておくべきだったと後悔した。
自分のバイクを停める場所がまるでない。

困ったな、いやマジかと狼狽えていると、
入口の方から突然声が掛かった。


「こんにちわ!!!」


めちゃくちゃ驚いた。

いきなり声が掛かったこともそうだけど、
何よりその「声量」に驚いた。

思わずビクッとしながら振り向くと、
半袖Yシャツ姿のおじさんが、
後ろ手に手を組んだままゆっくりとした足取りで、少しだけ不敵に笑いながら
私の方に歩み寄ってきた。

小柄な背丈で、
私とそう変わらないくらいの身長…なのだけど、
妙にオーラとでも言うか、貫禄のある人だった。


「停め場所探してるんだ!」

「え…あーこんにちは…
そうですね。何か一杯みたいで」

「こっち来なさい!」


そう言うとツカツカと歩みをスピードアップして、
建物の裏手の方に向かって行った。

…格好もフォーマルだし教習所の人かな、
位に考えて警戒はしなかったものの、
とにかくその声量が…

腹から声出す、なんてよく言うが、正にそれだ。
野太い、やたらと通りの良い力強い声なのだ。

言われるがままおじさんに付いていくと、
教習所の建物の真裏、でかでかと地面に
「職員専用」と書かれた
駐車スペースに連れてこられた。


「ココ、停めちゃいなさい。ここ!ね!」

「いやあの…思いっきり
職員専用って書いてますけど…」

「私が言っておくから大丈夫!」


有無を言わさぬおじさんの勢いに押され、
結局バイクを持ってきて停車してしまった。
本当に大丈夫なんだろうか。
なんにせよお礼を言っておいた。


「ありがとう、ございます」

「お姉さん、大型教習ですよね。
前場内で乗ってるの見ました」

「え、はい、大型一種です」

「お仕事で使うの?何乗るの?」

「ダンプに…」

「いいねぇ!!!」


若干食い気味にそう言われて、
何か危険なものを私は察知しだした。

とは言っても、ナンパとかそういった
手合いの危険では無くて、
それ以外の…何やら妙な危機感を覚えた。


「じゃああの…準備ありますし、
ありがとうございま…」

「はい!教習頑張って!」


せっかちな人なんだろうか。
またも食い気味にそう挨拶されながら、
何とか無事に教習所の中に逃げ込んだ。


一体何だったんだ?
教習所のお偉いさんとかだろうか…。
悪い人ではないのだろうけど、
謎の勢いとオーラが半端じゃないし…

今の職場の中にも豪快な人は少なからず居るけど、また別の独特な雰囲気で、どうにも引っかかった。

そういえばハナちゃん話してたな、あれだろうか。
男社会の現場に女が進出してくれて
嬉しいみたいな。
私が大型ダンプって話をしたから親切にしようと
してくれただけなのか。

まあ、よく分からないけど、
また会ったときは上手い事適当にいなせばいいか…
そんな風に結論付けて、
普段通りにそのあとは教習に当たった。


大型の運転は未だおっかなびっくりで、
正直まだ全然不安の残る仕上がりではあったものの
何とか無事ハンコを頂く事が出来、あとは本試験をパスするだけになった。

本来なら感慨深かったり、
気合の乗ったりするところなんだろうけど、
私はまだはっきりしない気分のままだった。

これが、本格的にダンプに乗る事が
私の望む生き方に繋がってくれるのか。
まだ半信半疑なままで、自信が湧いてこない。
合ってるのかこの道で、と言う思いが
どうしても離れてくれなかった。

本試験の日取りを受付で予約しながらも
思っていた。


道しるべが欲しい。
誰かが教えてくれれば楽でいいのに。
合ってるから大丈夫、
そのまま行けばいいんだよって。


「終わりましたか?」

「うわぁっ!!!」


いきなり真後ろから声を掛けられた。
やたら近い…いや、近すぎる!!
うなじの真後ろから声が
したんじゃないかって位の至近距離で、
驚くなって方が無理な話だった。

恐れ戦きながら振り向くと、
さっきのおじさんだった。


「教習、終わりましたね?本試験でしょ?
教習所の方から聞きました」

「あの…何なんですか…?」

「ちょっとお話しませんか?
なに、時間は長くとらせません。
ホラ、そこの休憩所で…お茶でも飲みつつね」

「…いやです…」

「ああ、言い忘れてました。
私こういうモノです。
怪しいもんじゃございません。
…お仕事の話がしたい」

「…お仕事の…?」

「そう、いたって真面目に、あなた。
小原愛さんに是非とも聞いて頂きたい。
イヤだなんてつれない事言わないで。
コーヒー、190円の奴出しますから」


先ほどよりトーンの低い声…なハズなのに、
妙に有無を言わさぬ力のこもった調子。

声も顔つきも、さっき豪快な感じとは
打って変わって真剣そのものだった。

めちゃくちゃ重大な事でもこれから
話そうかって雰囲気なのだ。
差し出された名刺を見た。


「緑根バス株式会社…?」

「そう、バス会社。運輸部、山上一郎と申します。
まま、立ち話もなんですから。
ホラ、受付詰まっちゃってますから、ね?」


状況がよく呑み込めないまま、
急かされる様にすぐそこのガラス張りの
休憩所に連れてこられてしまった。


少しレトロなカップの自販機なんかも並ぶ、
それなりに広めな休憩スペースだ。
山上さんは、そんな自販機の一台、
一番割高な190円の、
高いコーヒーのボタンを力強く押した。

私達の他に人は居らず、コーヒーのペットボトルが落ちる「ドカン!」という凄まじい音が
静かな休憩所に響き渡った。


「あの、お仕事の話っておっしゃいました?」

「ええ、仕事の話です」

「私、他社に在籍しているんですが…」

「ええ、ダンプのお仕事でしょ?
伺いましたよ。まーま、座りましょう」

「え、だって…バス会社…?」

「あなた、生粋のダンプ乗りじゃないでしょ。
以前もっとお堅い仕事してませんでした?」

「へ?」


変な声が出てしまった。
なんで私の職歴バレてんの…?
この山上さんが教習所とツーカーなのは
先刻承知だけど、
教習所の人にそんな話してないし、
まして履歴書出した覚えも無い。
一体何なんだこの人…?


「アタシゃあね、何十人と今の会社で
下の人間指導してきました。そいつの運転の
エンジン音聞きゃあそれだけでイッパシかどうか
分かっちまうんですよ。

ド素人同然だ、アナタの運転は。
それに物腰、見た目と言い…言葉の選び方もだ。
元々事務仕事かなんかで、最近ダンプ始めたのかなってアタリが付きました。どうです?」

「…前はOLやってました。
友達の勧めで今の会社に…」

「一個だけ分かんないです。
…なんでまた全然毛色の違う仕事に?」


見透かされている。
大して話したわけじゃないのに私の事を。
正直あまり気分が良くなかった。

そんなこの人に身の上話をするのに抵抗があった。


「何か志が…あっての事じゃあありませんか?
私はそうお見受け致しました。
是非にそれを伺いたい。

アタシの話が、愛さんのその志の…
一助になれずとも、
参考位にはなれるかもしれない」


志…
志って言ったのか。
まだ何も見つけられなくて
右往左往してるだけの私の事捕まえて。

ググッと急に怒りの感情が湧き出してきた。


努力したんだよ。
青春棒に振って、地道に日陰で頑張ってさ。
有るに決まってるでしょ?

やっと掴んだ大手の仕事も、
キラキラした生活も捨ててさ、
全然違う業界で四苦八苦してんだからさ。

…ただ、そうまでさせたその志が何か…
っていうのを自分でも説明できずにいる事が
何ともやりきれなかった。


「…よく、わかんないだけです」

「わからない?」

「…何で負けた気になってるのか、
逃げたのか。自分でも」

「…続けてください」

「…なりたい仕事だったんです。
自信持ってやってた。…なのに、
急にそれが何の価値の無いモノになったんです。
尊敬している人、おっきな仕事しようとしてる人に、小さい仕事だって言われて」

「……違う仕事で、その方を見返したいと…?
それが動機?」

「…もういいですか。
勘弁してください。失礼します。」


しゃべりすぎた。勝手に…
こんな事まで話す気なんか無かったのに、
苛立ち紛れについ喋ってしまった。

ロクにまだ口も付けていない
コーヒーを置いたまま、席を立った。

無遠慮な人だ。人の内面にまでズカズカ
土足で入ってきて。冗談じゃない。
流されてつい席に着いちゃったのが
失敗だったんだ。

そう思いながら、休憩所のドアの手すりに
手を掛けると、後ろでまた声がした。


「…なんだかなぁ。イマイチわかんねぇんだよな。」

「…はい?」

「いや、その仕事…
あなたの誇りだったんじゃあ無いの?
誇りが仕事に対してあるなら、
…人の言葉なんかに揺らがないでしょ」


さっきまでの、妙に大人しい口調がまた変わり、
急にべらんめぇ口調で、
また私の心を逆立てるようなことを言ってきた。


「凄いですね。誇りとか…
そんな大層な仕事なんだ、バスの仕事って」

「ええ、そりゃあもう。
紛れもなく地域に貢献してますから、我々は。
お客様にプロだって認められながらね。
誇りを持たない理由が無い。

あなたが言われるような、
小さな仕事じゃあないですね。真剣勝負。
毎日毎日が。自分の腕と経験則頼りに。
プロの誇りを賭けてね」

「OLがそうじゃないって言いたいんですか」

「大変な仕事だと思います。
苦労も多い仕事だろうに…
あなたが一番そう感じているんじゃないですか?

なのに…どういう訳だか、あなたから
そんな仕事に対する自負心を感じないんだ。」

ここまで言うと、私も、山上さんも急に黙った。
…なんでこんな喧嘩みたいになってんの?
意味が分かんない。

もしかすると山上さんも、似たような事を感じて
一旦冷静になろうという間だったのかも知れない。


「…ああ、まあコレ。
会社説明会の日程書いてあるから。
自信持ちたいんだったら来なさい。
人に胸張れるプロになれるよ」


最後は急に熱の冷めたように、どこか投げやりに
プリント一枚手渡して言ってきた。
言うだけ言って気でも済んだのか、
それとも私に対して匙でも投げたのか。

一言腐してやらないと、
私の方も気が済まなかった。

ふとプリントを見ると、
「必ずプロを育成し…」
みたいな文言が目に入ったので
思いつくまま感想を述べてやった。


「女の私がプロのバスドライバーか。あはは」


笑ってやった。
何も私みたいのに声なんて掛けなくても、
幾らでも居るだろ他に。
やる訳ない、そんな地味そうな仕事、若い子が。

…ハイハイ邪魔したね位の態度で
山上さんは帰るかと思っていたのだけど、
突然物凄い目つきに変わって席を立ち、
ゆっくりと腕を上げ、私の手にある
プリントをビッ、と指さして言った。


「…コイツは会社の上の連中が書いたもんで、
別にアタシの信念じゃあない。
綺麗事も書いてあるだろうしね。ただ!!

「プロにする」そこだけは…
確実に本当だ。百%、嘘偽りなくね。
教えんのはアタシですから。

自慢じゃないが、三桁に届こうかって人間、
アタシは今までプロに仕立て上げてきた。
前職リーマンだろうがコンビニ店員だろうが
一切関係なくね。

…小原さんがどんな信念持ってるのか
結局よく分からなかったけど、
もし来るなら間違いなく、確実に!
…完璧なプロのドライバーにしてやろう。

……まあ、時間取らせましたね。失礼しますよ。」


それだけ言うと、ツカツカと私の横を通って、
結局私より先に休憩所を出て行ってしまった。

…ジェットコースターみたいな人だ。

自販機が低く唸りを上げる音しかしない
休憩所に一人ポツンと取り残され
呆気に取られながら抱いた、
山上さんと言う人への感想だった。

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