【小説】ラブ・ダイヤグラム⑥ 川遊び
小野原は私の故郷の街だ。
正確には「だった」の方が正しいかもしれない。
中学時代の3年間家族で
暮らしていた事があるだけの街だった。
その前も、中学卒業後のその後も、
転勤の多い家の事情があって
別の所で暮らしてる。
引越しの多い事は今でも変わらないらしい。
親も、弟も、現在はまるで別の土地に
居を構えているので、小野原には
もう私の「実家」は存在しない。
そんな風に、小さい頃から
引っ越しを何度も経験しているので、
人から「田舎はどこ?」と聞かれると
少々困ってしま