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わたし的、「世界観」の道しるべ


「世界観」。
見るからに大仰で、考えるのに苦労しそうな設定である。
私がこれを考えようと思うとき、しかしどこから手をつけていいのかわからない、ということが往々にしてある。
かと言って、これを考えないでストーリーを作り始めてしまうのも、やはり不安が残る。

そんなふうに右往左往していてもはじまらない。
よし、こうしよう。
「最小単位」もしくは「それ以外」を基準に世界観を構築してみるのだ。

このやり方は至ってシンプルで、最小単位とは以下の基準だ。
つまり、まずは自分が作ろうとしている物語の主人公を想像する。
その後、主人公の「起きてから眠るまで」をていねいに考えてみる。
そこで主人公が目にする人々やコミュニティや制度や技術や食べ物、仕組み、敵味方……などなど、カメラマン兼記者となってメモしていくのである。
一日で足りなければ次の日もだ。
それで手に入れた情報を種類ごとにまとめれば、世界観ができあがる。

ひとつ目はそんな方法。

しかし、主人公の動きなどまだ想像できない、というときもある。
そのような場合には、あなたが作ろうとしている物語にある、なにか固有の技術や仕組みについて想像するといい。
その固有のなにかーー魔法とか未来的技術とか恐ろしい敵とか、超常的パワー、世界の組成そのもの……などなど。
これらをまずはっきりと決定し、それを中心として、歴史・世界はどう動いているのか、関係性を持つのか、勢力争い、パワーバランス等を考えていく。
ある程度形になったら、そこに主人公はどう絡んでいくのかを含め、整理していく。
矛盾がないことが確認できたら、世界観ができあがる。

以上がふたつ目の方法だ。

世界観を作ろうとするときに大事なのは、最初から大きな物を相手にしないことだ。
世界観は設定ではあるが、物語の受け手に感じ取ってもらうものでもある。その際に、主人公やキャラクターや日常から遠いところにあってはいけない。きちんと繋がっているべきだ。

だから、具体的に想像しやすいところから考える。大きくしたければ、どんどん付け足せばいい。
むしろそうすることで、複雑で深みを持ちつつ、物語ときちんと繋がった世界観ができあがる。

私が世界観を考えるのに迷ったとき、主人公という「最小単位」か、もしくは「それ以外」の物語に固有で具体的ななにかを、とっかかりにしてみる。

そうすると、世界観という大仰でつかみどころのないイメージが、一気に身近で、想像しやすいものに変貌するのだ。

※関連note︰
世界観 「感じる」ではなく「観る」意味
https://note.com/kawausowright/n/na09d9f715208

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