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今回のおすすめ本 黒柳徹子『窓ぎわのトットちゃん 新組版』

みなさんこんばんは📚
今回おすすめするのは、黒柳徹子『窓ぎわのトットちゃん』という本です!

 本作品の主人公は、小学生のトットちゃん。トットちゃんは公立の小学校に入学しますが、素行が原因(授業を妨げるなど)で一年生にも関わらず退学になってしまいます。その後お母さんに連れられて行ったのは自由が丘にある学校「トモエ学園」(現在は特別支援学校が相当するでしょうか)。トモエ学園では使われなくなった電車が六台設置してあり、それが教室の代わりになっています。入学するためにトットちゃんは校長先生と面接をすることになりますか、校長先生はトットちゃんに話したいことがなくなるまで、四時間ずっと話を聞いています。トットちゃんはこれほど自分の話を一生懸命聞いてくれる人に出会った事がなかったので、好印象を抱くのでした。そしてこの校長先生こそが、トットちゃんにとってその後恩師となる小林宗作校長先生なのでした。
 この後トットちゃんはトモエ学園に入学し、児童数は少ないながらも個性豊かな仲間と共に様々な経験をして学校生活を送っていきます。その中には楽しいことばかりではなく、辛いことや悲しいことも綴られています。しかし、その中でも大切なことを学び成長していくのでした。
 トモエ学園は児童の感情に寄り添う教育方針が立てられていることが随所に現れていることが読み取れます。これは小林宗作校長先生の教育・子どもへの思いが反映されているからだと思います。

 読後感想としては、理想の学校像の一つだと思いました。作品冒頭で公立学校の教師がトットちゃんに対して邪険に扱っていることに否定的な方が多いと思いますが、個人的には仕方ない部分だと思うところもあります。全体指導をする必要がある中で授業を阻害する子が疎まれてしまうのは現在でも起こっていることです。トットちゃんは今でいうADHDの兆候が見受けられるとされています。現在ではそうした子でも特別支援学級があるため、退学になることは少なく、より適切な教育を受けられる特別支援学校もあります。今では多様な教育的ニーズに応える事が学校に求められてはいます。しかし、児童生徒の個性を育てることを求めているにもかかわらず、全体指導が主流となっている現状では明らかに矛盾していると感じます。教育は多くの国が重要なものとし積極的に改革・改善をしていますが、日本では軽視されているのではないでしょうか。ぜひ本作品を読んで教育について関心を持ってもらえたらいいなと思います。

ぜひお手に取って読んでみてください☕️

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