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醤油から抗ウイルス薬が!?

初めまして。翡翠です。
記事に興味を持っていただき、ありがとうございます。

今回は、シリーズ化していこうと考えている。理系院卒が『新型コロナウイルスに関するデマをぶった斬る』シリーズの第1回です(すみません。前回のマスクに関する記事の続きは推敲中です。頑張ります)。

今回のターゲットはこちら。

asagaojiijiさんのプロフィールに「損害保険会社を定年退職いたしました。」とあります。
人生の大先輩に対して無礼な部分はありますが、デマはデマ。ぶった切ります。

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ブログには、以下のような文章が書かれています。

非常に強い 抗ウイルス作用が醬油にはあるということなのです。

醬油 の 国 日本 そしてコロナウイルス
https://ameblo.jp/asagaojiiji/entry-12590078766.html

この醬油の効果に気づいたのは 米 ミズーリ大のヤマサ醬油・研究員のセレンディピティでした。
2001年に彼は醬油の中の香り増強成分が 抗ウイルス薬(テノホビル)とその構造が似ていることに気づきました。

醬油 の 国 日本 そしてコロナウイルス
https://ameblo.jp/asagaojiiji/entry-12590078766.html

全く違います!
ツッコミどころが多すぎてどこから攻めようか迷います。

確かにヤマサ醬油と共同研究者らは、イスラトラビル(EFdA)”という画期的な抗ウイルス薬を開発しました。しかしながら、それは醤油の中から偶然見つけた訳ではありません

まずは、ヤマサ醤油という会社について説明します。
一般にはあまり知られていないことだと思いますが、ヤマサ醤油(医薬・化成品事業部)は、1950年代から核酸を製造し、1970年代からはそれを医薬品原薬として販売している『製薬会社』でもあります。

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ヤマサと医薬・化成品事業部の歴史

60年以上に渡る核酸関連製品のトップ企業です。

ウイルスは、核酸(DNAまたはRNA)で作られた遺伝子を持っています。
自身を増やすときに、核酸の材料(ヌクレオチド)が必要になりますが、そこに化学合成したヌクレオチドに似た物質(核酸アナログ)を加えると、似ていますから遺伝子に取り込まれますが、「あれ?よく見ると違うじゃん」と、そこでウイルスの複製が止まってしまいます

この核酸アナログが、専門的にはチェインターミネーター(鎖を断ち切るもの)と呼ばれる種類の抗ウイルス薬です。これをヤマサ醤油は研究・開発しています。

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したがって、ヤマサ醤油は、セレンディピティで、たまたま醤油の中から抗ウイルス薬を見つけた訳ではなく、「核酸アナログは抗ウイルス薬になる」という確信を持って、共同研究者らと研究・開発を進めています。
そのうちの一つが イスラトラビル(EFdA)です。

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イスラトラビル(Islatravir)の構造

ブログを書いたasagaojiijiさんは、ヤマサ醤油は醤油しか作っていないと思い、醤油からEFdAが生まれたと勘違いした?かもしれませんが、違います!!

薬として研究されたものは 醬油中のものとは同じではないにせよ 
醬油にも 同じような効果が期待できるのではないでしょうか?

醬油 の 国 日本 そしてコロナウイルス
https://ameblo.jp/asagaojiiji/entry-12590078766.html

できません!!!!!

このことを知ってから 私は 日々の食事で
なんにでも お醬油(減塩)を じゃぶじゃぶかけるようになりました

醬油 の 国 日本 そしてコロナウイルス
https://ameblo.jp/asagaojiiji/entry-12590078766.html

あなたの健康が心配です。今すぐ止めてください!!

このブログの間違った情報が、asagaojiijiさんの勘違いによるものなのか、何か別の意図があったのかは私にはわかりません。しかしながら、間違った情報で、他人の健康を害するようなことは決して許されません!ホメオパシーのように毒にも薬にもならない水を”治療”と称して与えるのもそれはそれで問題ですが。)

今回はここまで。
ご覧いただきありがとうございました。次回もこんな感じでいきたいと思います。
デマ情報を〜、ぶった斬る!

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