見出し画像

偉い先生を怒鳴りつけた話

文化祭当日。前日の夜に先生から「生徒会展示について聞きたいことがあるので話しに来い」とメールがあったので、部活の朝練を渋々抜けて話を聞きに行った(本番当日の朝を無駄にさせたのは本当に許せない。しかも朝に来いって言ったなら私より早く来い、ゆっくり来やがって)

話を聞くと、生徒会展示の中で、学園の歴史をホワイトボードに書いていたのが気に食わなかったらしい。模造紙に書くって言ってたじゃん、嘘ついてたの、生徒会なのにまともな仕事できないの、と。こちらから言わせて貰えば、模造紙に書くと伝えたのは別の内容だし、ホワイトボードにやることになったし、そもそも顧問でもないあなたにそんなこと伝える筋合いなくない?みたいな。あなたたちがやらないから私こんなことまでやったのよと言われても、こちらはそんなこと頼んでないよとしか言えないし。「夏休み1か月も何してたの?仕事やるって決めたらちゃんとやろうよ」という台詞も嫌だった。夏休み1か月は勉強と部活してましたよ? あなたがやれって言ったからやった生徒会展示なんて本気になれるわけないでしょう?

極め付けは中3の後輩が何かやらかした話を持ち出されたことだろうか。中学生全任せにしている仕事の話なので中学の副会長には悪いけどそっちに言えよ私は知ったこっちゃないよという気持ちが2割、なんで後輩のことこんなに馬鹿にされなきゃいけないという気持ちが8割。確かにおふざけも好きだしちょっと変人かもしれないけど、生徒会の仕事にはちゃんと真剣に向き合ってくれる子たちだ。少なくとも勝手に仕事を増やすような先生に馬鹿にされる筋合いはない。

前日に色々あったのもあり情緒不安定だった。なんかごちゃごちゃ言われるのが本当に鬱陶しかった。もう高2でこの人ともあと一年の付き合いだし、なんか一回ぐらい悪い爪痕残してもいいかなって。自分で言うのもだけど優等生だったから、そんなもん捨ててみようかなって思った。

そんなわけで、「先生がやれって言ったからやったんです、みんな忙しい中時間作って頑張ったんです、こんなに言われなきゃいけないならこんなことやらなきゃよかった」と泣きながら叫んだ。でも、次の瞬間先生の目を見た時に、ああ無駄なことしたと悟った。何も響かない。私如きじゃ何も伝わらない。反省とか自省の色が1ミリも見えない。人の気持ちを測るのが苦手な私でも分かるレベルで。

先生は学校のOG紹介をしている模造紙を指さして、「あなたの先輩たちも、自主的にやった色々な経験は大変だったけど大事だった、誇りに思うって言ってる。あなたたちにもそうなってほしい」と言った。もう自主的という言葉が嫌で嫌で、だって生徒会展示は自主的にやったことじゃないんだから。なんで勝手に自主的にやったことにさせられてるんだ。
あなたに言われたからやったんだ、ともう一度言った。やらなきゃよかったとも。そして、こんなに忙しいのに展示もやれって、そんなの何も誇りに思えませんとはっきり伝えた。

やっぱり先生の目の色は変わらなかったけど。

そこからは展示の話は向こうも諦めてくれたが、今度は例の中3の子の話を筆頭に「仕事に対してやる気がないのはどう思うの? やりたくないなら、売名だけなら立候補しなきゃいいじゃない。始業式とかの司会もやりたくないならやらなくて良いよ」と言われた。やる気がないわけないのも、今までの雑用みたいな生徒会の仕事内容がやる気をなくさせるものなのも知っている。もう四年も生徒会にいるのだ。校則改正は禁止、イベント企画だけでも何人もの先生を通さなければならない、仕事といえば超絶ブラックな会計などの雑務。え、うちの生徒会って必要?って何回も何千回も思ってきた。

こっちだって知らねーよとしか言いようがなかったので、そのあと私は怒鳴るのを諦めて知らねーよそんなことってボソボソ呟いていた。始業式の司会をやらなくて良いという話は仕事が減って大変魅力的なのでこちらからお願いしてしまえばよかった。こういう時にまた黙ってしまう自分が嫌いだ。
私がこれ以上答える気がないと思ったのか、そこで解放された。別に「言いたいことあるならはっきり言えよ」って言ってくれればもう一回怒鳴り散らして始業式の仕事もなくしたのに(((惜しいことをしたな、反省しなくては

だいたい、「やめればいいじゃない」とか簡単に言うな。中には「こんな仕事しかないなら生徒会やめる、こんなことするために入ったんじゃない」と言ってやめた後輩もいた。私が生徒会長になった理由なんて、「他にやる人がいないのを察して空気を読んだから」以外のなにものでもない。先生からの「まああなたは会長やるよね」という圧に負けた。やりたくなかったと言ったら嘘になるけど、やらなきゃよかったとは本気で思っている。

解放されたから、ちょっと(いやだいぶ)うるさかったと思うけど、部屋を出ながら「知らねーよそんなこと」と泣き叫んでいた。周りの部屋にいた生徒には悪いことをした。感情に流されるのは悪い癖だ。

同じ部屋にそこそこ話の分かる偉めの先生(少なくとも結構私に対して好意的だ)も準備に来ていたのだが、何を思って聞いていたんだろう。今朝は学年主任も元教頭も私に対してちゃんと好意的に接してくれていたけど、私が先生を怒鳴りつけたのはもう聞いただろうか。面談とかになったら面倒だな。うちの担任は去年生徒会でのイザコザで転校した友達の担任でもあったので、そこそこ話は分かってくれると思う。守ってくれるかは知らないが(別に守ってほしいわけではない。あいつはあいつでなかなかの苦労人だから私のフォローする方が心配だ()

でも、後輩に怒鳴ったときより罪悪感がない。一番前の席なので先生の授業気まずいなという後悔はある(先生の古典は分かりやすいから好きだ)けど、四年間溜め込んできた先生への不満を一部だけでも放出できたのだ。罪悪感は1ミリだってない。先生のどこにも響かなかったのは癪だが。これが後輩と先生の人望の差か、とぼんやりと思っていた。

これが、私目線のこの話の全貌。OGの話を持ち出したあたり、先生もきっと何かを私に伝えようとして、私にそれは響かなかったのだろうと思う。先生目線にすれば、全面的に私たちが悪いのだろう。どうせ。普通にここまで信頼されていないの危機感持った方が良いと思うんだけど。

まあ、面談とかに持ち込まれたら生徒会長辞職してやろうと思う。ついでに来年度から生徒会は廃止して良いだろうか。ぶっちゃけうちの学校に生徒会いらない気がするんだけど…
きっとちょっと対外的に悪くなるだけで、生徒会長がいなくたって、極端な話しんだって、学校は何も困らない。生憎東京一工に行けるほどの頭も行くための努力をする気もないので進学実績には貢献できないし(生徒にこんなこと思わせる学校で良いんだろうか…)

私が死んだら何か変わるだろうかと思ったことはある。わあカッター、とは思うだけに留めるけど。2階の窓の下を眺めてここから飛んだら…と思ったこともあるが、多分2階じゃ死なない。あと私が飛び降りたら窓際のぬいぐるみが可哀想だ。薬は買いに行くのが面倒なので考えたこともない。

まあ、私は部活行きたいし、大学生だってやってみたいし、何よりこいつらのために死ぬのは癪なので死にたいと思っても結局死なないだろう。死ぬ覚悟もない。部活に関しては最低でも今の中1が高2になるまでは公演行きたいと思ってるし。

もし生徒会長を辞職するってなって、いきなり向こうが青ざめたらそれは見ものだ。一切焦らずじゃあやめてくださいとなったら、それはそれでうちの学校に生徒会長はいらなかったということだ。うちの学年に私の代わりに会長をできる人もやりたい人もいないと断言できるので、あなたの代わりなんていくらでもは通用しない。いずれにしてもうちの学校の闇をちゃんと見られるはず。

とりあえず次の定例会で文化祭の生徒会展示未来永劫廃止を決定しようと思う。後輩にこんなことをさせる必要はない。

この文章を読んで「明らかにあなたが悪いでしょ」と思う人はいるかもしれない。別にそれはそれで構わないのだが、とりあえず先生のせいで朝から頭痛が止まらないことだけは事実なので、私が明日風邪を引いたらあいつのせいである。


ちなみに先生を怒鳴りつけたあと涙目のまま朝練に向かったのだが、後輩たちの歌声を聞いてまた涙が出てきた。情緒おかしいのはあるがやっぱりこの子たちは何か持ってるなと思いつつ、先生との人望の差をひしひしと感じていた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?