見出し画像

ストームグラスを楽しむ

 いつ頃だったか手放してしまったけど、幼少期にスノードームを集めていた。
 父が時々旅行に連れて行ってくれると、私が選ぶお土産はスノードームになりがちで。現地の有名な場所の物もあったけど、全然関係のない純粋におもちゃとして小さな物を買ってもらっていた。

 先日、高速道路のSAで親御さんの甲高い声が聞こえた。
 「そんなものじゃなくて! せっかくここに来たんだから、ここにしかない名産にしなさいよ!」

 お土産に何か買って良いと言った後に持ってきた物に、すんごい怒っちゃってる。
 えええ……子供が自分の意志で選んだものだろうに。せっかくだから名産を、ってわかるけどそれって大人になってからで良いよー。なんなら名産だって、実は形を変えて全国のものになっていたりするぞ。
 そもそもまだ10歳にもならない子供に、その土地の名産てわかるのかしら。知っているとしてそれを手に入れてうれしいのかな。

 某温泉地に行った時。ちっちゃなラジコンを息子が欲しがったことがあったけど、ずいぶん長いこと遊んで、遊んだ後も長年大事に持っていたぞ。
 私も5~6歳頃の、グランドキャニオンのお土産は、グランドキャニオンと全然関係ない家型のポーチだった。10年前の引っ越しの時に手放しちゃったけど、宝物入れにして35年くらい持っていたぞ。それ見る度に旅の風景を思い出した。

 お土産って、名産より思い出だと思うんだよ。

 SAで、その子、その後お土産選びの度に思い出すのは親に叱られたことじゃなかろうか。本当は欲しいわけじゃなかったのにって気持ちにフタをし続けるのかな。
 

 いやだつらくなってきちゃった。


 スノードームの話だったわね。

 お土産屋で選ぶ各地のスノードームが10個近くになったところで、置き場所に困った。中の水も減ってきたのに補充できない物もあったので、それ以上の収集をあきらめた。

 でも少しずつ手放しながらも、未練があって、自分でビンに水とキラキラの折り紙を入れて振って眺めることもあった。

 水の中の何かって、雪が降った時の景色と感覚が似ていて、動きがあるのに音がしなくて、それに感動するんだよなあ。なんだろうあれ。イルミネーションもそう。
 音がしないのに風景が動くって何で心が揺さぶられるんだろう。

 何か月も前だけど、noterさんにストームグラスの存在を教えていただいた。
 眺めていてそんなにわかる変化があるわけではない。
 でも日や時間によって見え方がちがうって魅力的に思えた。

 私も欲しい! と買って作ってみることに。

 気温や気候でその景色が変わるとのことだけど、精度がそんな良いわけでもなく、あてにならないと知ったので、単純にインテリアとして楽しむことにした。

 キットを注文し届いた物。 

エタノールや精製水、樟脳が決められた分量入ってました


説明書を読んでも簡単。
更年期がしんどい私でも、すぐ出来上がる。
湯煎しながら透明になるまで混ぜるだけ


 夏の間は気温が高いからか、部屋を涼しくしてもずっと何も見えない。
 あまりにつまらなくて、冷蔵庫に30分ほど入れてみると、出してからしばらく結晶を楽しめた。

 


キレイ!

 そして2時間もすればまた透明に。
 でも秋に入り、ある日気が付いたら、白い部分があるではないか。

 

そばにあるぬいぐるみはエナガ。これも旅先で。夫は仕事中だったので買い物に出られた私が夫にお土産に買った。もちろん喜んでもらえた!

 記録を取ってみる。上の、この日は21.8℃ 湿度57%

 

19.7度  湿度55%
ちょっと違う見え方を楽しめる


19.4度 湿度56%
眺めているだけで、いやされるなあ


 ヘッダーの写真は、20.2度で湿度56%。

 気温は室内で、だいたい午前8時~9時くらいにチェックしてみた。

 天気に関しては写真を写した日は午後も晴れていたので、やっぱりよくわからないな。とにかく部屋を暖かくしても、外の気温が低い方が白い結晶ができやすいみたい。
 冬が楽しみだなあ。

#エッセイ #お土産 #思い出 #ストームグラス #記録


この記事が参加している募集

読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。