複雑な世界でも普通のおじさん「アントマン&ワスプ:クアントマニア」
かわいいのだ。スコット・ラングおじさんは。
「アベンジャーズ / エンドゲーム」で、食べようとしたタコスの中身を吹き飛ばされた彼は。その後、改めてもらったタコスを食べようとしたのに今度はビックリして落としちゃう彼は。
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」からMCU(マーベルシネマティックユニバース)の世界に入って1と2を観た後、いきなり「アベンジャーズ / インフィニティウォー」を観てショックを受けてしまった。次に劇場で観たMCU作品が「アントマン&ワスプ」(アントマン2)だった。
深刻な展開とか荒涼とした景色とか、SF映画で張りつめ気味な空気の中、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」と「アントマン」は笑えたり軽く見せたりしてくれる。どちらも大好きなシリーズ。
毎回軽めながら、MCUではアントマンがストーリーのカギになっている実は大事な存在。今回はMCUのフェーズ5の幕開けとなった。今回の「アントマン」の序章は昨年のドラマ「ロキ」と言っても良いんじゃないだろうか。
「ロキ」も私は大好きなドラマ。ズルくて悪いけれど憎みきれないロキの、心の深い部分を明かされていく過程がつぶさに見られて、とても興味深い。
北欧神話でも有名ないたずらの神「ロキ」が友を得て、愛を知り、少しずつ人を信頼する気持ちや人への想いを見せていく。
そしてその中で出てくる「在り続ける者」が、時間軸をコントロールしていた設定。
「在り続ける者」はカーンとして、量子世界では支配者となっていた。ややこしいけれど、マルチバースの世界だからなんとでもできるわけで。良い「カーン」もどこかの世界ではいるらしい。
そして彼の存在がフェーズ5のヴィランとなるようだ。
いったいどの彼をどうやって倒すと解決するのだろうか。
―とかこの先が楽しみだけど、今回は感想が難しいなあ。
深刻な内容ながら、やっぱり楽しくて。
1や2で出てきた時にもビックリしたけど、ミシェル・ファイファーやマイケル・ダグラスが出てくる。昔の映画の記憶から、セクシーなイメージが強かった二人が、アクションもあるカッコ良い役柄。マイケルダグラスがもう80歳前ってことにもビックリなのだけど、60代半ばのミシェル・ファイファーも美しいの!! 凛とした姿勢と態度に、優しさと威厳が見え隠れする。
こんな風に、白髪も刻まれたシワも、優しさの表現かのような空気をまとって歳を重ねていきたいなあ。
※ネタバレにもならない程度の内容は少し書いています。
「アントマン」はとにもかくにも軽くて楽しいのだ。
スコット・ラングの変わらない庶民感覚が良い。可愛い。もう50代だけど。可愛い!
アベンジャーズとして共に戦った過去の活躍を自伝に書き、それにひたっているところも含めて。戦った自分もカッコ良かったなあって酔いしれているし、でも彼にとっては一人娘との平穏な日常の方が大事なのだ。
娘が大事で仕方ないんだ! 嘘つきは許さないんだぞ! ーの気持ちがどんな場面でも単純明快で混乱がない。
そこのアツさを見て、フツーで良いもんだなと思う。子供の失敗も罪悪感も親にとってはどうってことない。ただただ自分の子供が大好き。親ってそんなもんなのだ。
そして終盤、横断歩道でいろいろ振り返って「あれ?」とモヤモヤした後に「ま。いっか!」ってなるところまで、スコット・ラングの軽さに救われる。
テーマや背景が複雑でモヤモヤする部分もあるし深刻だからね。アントマンに救われる気がする。そんなふうに楽しくしていて良いよ。
私が苦手なはずのアリもちゃんとペット感出てて可愛いし。スコット・ラングが可愛いからつい書くの忘れそうになったけど。一応「アント」マンだからね。
ポストクレジット、映画観る人は、特に最後の最後のを見逃さないで!
読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。