更年期で身も心も、そして声帯までも
もう2年が過ぎるだろうか。
ヴォーカルレッスンを始めて。
2年も通っていたらどうでしょう。上手くなったと思いますか?
安心してください。
全然上達しませんよ。
そりゃ月に一回だから、よほど努力しないと上達もしないだろう。しかも私、基礎がない。土台がない! まったくの未経験なのだ。突然始めた。潜在能力も当然ない。
「先生、うまくなる気がしないです。もうおばあちゃんになるまで通うかも!」
と言ったけど、先生は「大歓迎です」とニッコリ笑ってくれた。いやあ、来るたびに0からリセット、みたいな手ごたえのない生徒と相対するのは、しんどくはないだろうか。しかも生徒のバカ真面目な「何故こんなに下手なのか」と必死になる表情を見て。そしてカッサカサの声を聴いて。
……しんどくはないだろうか。
でも、声だけは少し大きくなった。前よりは高い声も出るようにはなった。
これも随分前から書いている気がするので、結局あまり変わっていないのだ。
何故始めることになったかは何度も書いたのだけど、初めて読む方のために、少しだけ書いておこう。
大好きな洋楽を歌いたかったのに、カラオケで歌ってみたら、ひっくり返るくらい下手だったのだ。これも何度も書いてきた。「ひっくり返るくらい下手だった」と。「ラブストーリーは突然に」のジャケットの、小田和正みたいに。本当にのけぞって……そのまま倒れたいくらいに。邦楽でもそんなに上手なわけじゃないから、そりゃもう衝撃。
でも諦めはしない。「上手くなりたい!」と思って、音楽教室を訪ねる。息子が通っていたドラムレッスンのところで。以前、生徒たちのライヴに息子が参加していたので、そこでその先生の洋楽ロックの歌いっぷりを聴いたことがあった。少し照れながら、一生懸命歌っている姿と、上手さが記憶に残っていたので、「是非あの先生に!」とお願いした。
ほんのちょっと年下の彼女と、ちょこちょこお喋りも楽しみながら毎回レッスンを楽しんでいる。
で、この前ちょっとショックを受けた。
発声練習がいつも以上にうまくいかない。
声を出しながら、何度も「あれ?? 何でこんな声なんですか、私!」と笑ってしまう。
先生も笑う私につられて笑ってしまっていたが、何度かその変な声を繰り返すうちに、先生が真顔で「何かあったんですか?」と聞いてきた。
そう。
なんかありました。
えーん、先生! ここしばらく、更年期症状がいつも以上にひどくて体もダメだったし、心もボロボロでした。※これを書いたのは少し前なので、今は少しずつ浮上できています。念のため。
詳細を説明させてもらった。メニエールが出ない程度には元気なのに、今までより身体がダルくてならない。身体が重たくて全然元気な気がしないのと、それに伴って感情の起伏に自分が追いついていないと話した。もう毎日しんどくてならない。
それから、夫の出張が多かったのと、息子の学校と塾とで、朝から晩まであまり声を出さない日もあるのだと、もう老後の自分を想像してしまうような話もした。
実は、その間、母と電話で話した時に「どうしたの、低い声!」と驚かれた話も。
すると先生はじっくり話を聞いてくれて、声を出す大切さについて話してくれた。
良い声が出るピークが40代いっぱいまでだと先生は前に言っていたけど、「それでも年とってからでも、高くて良い声は出せます!」とも言っていた。
今回もそのように話してくれて「高い声を出すように心掛けてください」とも。「せっかくお笑い好きなんだから、いっぱい笑って下さい」とも。
そうじゃないと、声帯はどんどん年とって低くなるばかりだそうで。
あと、筋力が全体に弱っているのもバレた。
腹筋がもたない。
いつもヴォーカルレッスンの直後は、やらなきゃと筋トレするのに、しばらくすると、次のレッスンまでしばらくあるし、と結局やらなくなる。
えっ。以前、筋トレの記事を書いていたじゃないかって?
そうだったかしら。
……そうだったかしら!!
いや、また徐々に体を動かし始めている。前より歌だけでなく発声も下手になっていると、薄々気づいているからだ。
サボっている話をした時の先生、「そうなんですよね~。もうねえ。……人間てねえ~」なんてしみじみしている。共感は得られたけど……。
でも先生は先生だから、ちゃんと何かしら続けているはずだ。そもそも先生はこの地域では名前を出せば、音楽やっている方なら知られている。
ああ。こんな私に「人間てね~」で、同類として共感させてしまってごめんなさい。
そんなわけで、また一念発起。とにかく体を動かして声を出していかなくちゃ。せめて年相応に老けたいもので。
家の中で働いている方。家の中にいるのが好きな方。声は出しておきましょうね。いや歌でも歌わないなら別に良いんでしょうけどね!
読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。